kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三、遅きに失した「外遊中止」判断(呆)

今回の西日本大水害(まだ「阪神大震災」「東日本大震災」の類の定まった呼称もないようだ)が大規模なものになるだろうことは、岡山県倉敷市にも在住歴があるとはいえ現在は東京に住む私にも、先週金曜日(6日)の夜には了解できた。だから7日朝に書いた記事*1に、

多くの犠牲者を出しつつある大雨被害の真っ最中に予定されていた死刑執行を延期する程度のことにも思い当たらなかった政府(安倍政権)の罪は万死に値する。

と書いた。被害が大きいことを確信したのは、水害で橋脚が折れて傾き、通行不能になった橋の映像を見た時で、これを見て直ちに思い出したのは、1995年の阪神大震災で神戸市と芦屋市の市境にある阪神高速の高架橋の橋脚が折れた姿だった。ともに、見た時に報じられた死者の数はまだ一桁だったが、とんでもない大災害であることを理解した。私は神戸市東部にも在住歴があり、同市東灘区の東端にあるあのあたりにも何度か行ったことがあって知っていたのだった。

その阪神大震災の2か月後に起きた地下鉄サリン事件の主犯である麻原彰晃の処刑が今回の西日本大水害と重なったのは何かの因縁だが、それにしても今回の安倍政権の初動はどうしようもなく遅かった。朝方テレビをみていたら、右寄りで印象の悪い元TBS政治部長の龍崎孝でさえ「災害で最も大事なのは初動だ。初動がもう少し早ければ救えた命があったかもしれない。安倍政権の無神経さと言わざるを得ない」(言葉遣いは若干違うと思うが、大意このようなこと)と安倍政権を批判した。

今回のぶざまな対応を見ていると、東日本大震災の時にも阪神大震災の時にも安倍政権でなかったのは不幸中の幸いだと思わないわけにはいかない。

その安倍晋三だが、ようやくことの重大さに気づいたか、昨日(9日)になってようやく「外遊」中止を発表したが、「遅きに失した判断」というほかない。

首相、欧州・中東訪問を中止 災害対応に「万全期す」:朝日新聞デジタル

首相、欧州・中東訪問を中止 災害対応に「万全期す」
2018年7月9日20時33分

 西日本を中心にした豪雨被害を受け、安倍晋三首相は11〜18日に予定していたベルギー、フランス、サウジアラビア、エジプト4カ国への訪問を中止する。菅義偉官房長官が9日の記者会見で発表し、「救命救助および復旧支援など災害対応に万全を期すため、訪問を取りやめる」と説明した。

 首相は9日、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長と電話で協議し、ベルギー訪問時に予定していた日本とEUの首脳会談を17日に東京で行い、日本とEUの経済連携協定(EPA)に署名する方向で一致した。

朝日新聞デジタルより)


しかし、「災害対応に『万全期す』」とは口先だけで、実際には「外遊」の強行を最後の最後まで模索していたらしい。

批判を懸念、異例の外遊中止 官邸は最後まで実現模索:朝日新聞デジタル

批判を懸念、異例の外遊中止 官邸は最後まで実現模索
岡本智、山岸一生
2018年7月9日21時02分

 西日本を中心とする豪雨被害を受け、安倍晋三首相の欧州・中東訪問が中止になった。首相官邸は最後まで実現を模索したが、大きな被害が出るなか初日の対応を疑問視する声も出た。「(外遊に)大きな案件はない。災害対応に万全を期すべきだ」(野党幹部)と高まる批判を懸念した。

 首相は11日に日本を出発し、ベルギーで欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の署名式、フランスで日本文化を紹介するイベントの開会式などに出席する予定だった。その後、サウジアラビア、エジプトを18日まで歴訪。サウジでは、将来のエネルギーの安定確保を目的に関係強化を進めるはずだった。

 菅義偉官房長官は9日午後の記者会見で「災害対応に万全を期すため」と述べ、首相の外遊の取りやめを発表した。EPA署名式については、安倍首相が9日夕にユンケル欧州委員長と電話で協議し、17日に東京で開催する方向になった。

 計画された首相の外遊が全面的に中止になるのは異例だ。安倍首相は、昨年7月の九州北部の豪雨災害や13年1月のアルジェリア人質事件の発生で、外遊を途中で切り上げたことがある。自民党幹部によれば今回も欧州のみに短縮する案などが検討されたが、最終的に中止に踏み切った。

 中止は、被害の大きさに加えて…

朝日新聞デジタルより)


安倍晋三安倍昭恵が「やだよお、僕ちゃんたち、ヨーロッパに行きたいよお」と駄々をこねている姿が目に浮かぶようだ。

それにしても今回見苦しかったのは自民党重鎮から末端の「ネトウヨ」に至るまで、この日記にもコメンテーター約1名がいるが、どんな事態になってもひたすら安倍晋三の弁護を壊れたなんとかのように繰り返し続ける「安倍信者」の面々が演じる醜態だ。

昨日も引用した「エリ@読む国会」氏のツイートを再び引用する。

https://twitter.com/yomu_kokkai/status/1016252077427732481

エリ@読む国会
@yomu_kokkai

常識的に考えれば外遊を中止すべきだろう、ということはわかるはず。
また、総理総裁の見識を信じるのであれば、当然内閣も外遊中止という選択をするだろう、と考えが及ぶはずだ。


その常識よりも前に共産党批判が来てしまうところが、今の自民党を象徴している。

https://twitter.com/ayanakamura0702/status/1015970199156035584

中村あや (自由民主党/中村彩)
@ayanakamura0702

被災者支援はもちろん必要ですが、自由貿易を推進する日本とEUEPAの署名式やエネルギー外交の重要性を考えれば、そんな簡単に外遊を中止できないのでは?EPAに署名すれば自由貿易体制での日本の立場を強化できる&石油の輸入先多様化も国益上重要との専門家意見もありますがこの点どうお考えですか? …

2:25 - 2018年7月9日


この中村彩というのは、どうやら昨年の東京都議選で「都民ファ□ストの会」の候補に蹴散らされて落選した自民党候補のようだが、あの選挙はダメな政治勢力が他のダメな政治勢力に勝っただけという思い出すのも不愉快な選挙だった。こんなのが落ちたことは喜ばしいが、代わりに当選したのが小池百合子の操り人形とあっては、これはもう本当にどうしようもない。

それはともかく、この中村のツイートは、下記志位和夫のツイートに対する反応だった。

https://twitter.com/shiikazuo/status/1015874478260215808

志位和夫
@shiikazuo

首相は「外遊」を中止し、豪雨災害の被災者救援・支援、被災地の復旧の陣頭指揮にあたるべきだ。どうみても、それを上回る緊急性をもった海外出張とは考えられない。

1:25 - 2018年7月8日


この日記に繰り返し書いている通り、私は志位和夫に対しても強い批判を持っているが、この件に関しては志位の発言が正しい。

しかし、志位に噛みついた中村のツイートにぶら下がっている反応を見ればわかる通り、「安倍信者」どもが一斉に中村の援護射撃をして志位批判に血道をあげている。

「批判する者が絶え果てた『崩壊の時代』」とはこのことだ。

皮肉にも、「批判する者が絶え果てた『崩壊の時代』」というかつて坂野潤治が放ったこの言葉は、「野党共闘クラスタ内の言論にもそのまんま当てはまる。

右翼(「安倍信者」)と「リベラル・左派・左翼」(「枝野信者」「立民信者」「小沢信者」「共産党信者」などなど)の双方から、クラスタ内での批判の言論が絶え果てたこの時代。ことに「安倍信者クラスタは規模が巨大だ。

真に恐るべき時代というほかない。