kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「崩壊の時代」にあっては、特定の政治家や政党に「政治を託す」ことなどできない

下記Twitterを発した人間は、もっとも重大なことを全く理解していない。

https://twitter.com/m7001768615/status/1030879534118187008

この人は、私が見る限り一度も誰かを支持表明したことが無い。常に最も無責任な所に居て、遠くから石を投げつけるだけ。
小沢一郎がまた妄言 - kojitakenの日記 (id:kojitaken)

11:10 - 2018年8月18日


https://twitter.com/m7001768615/status/1030881098765459456

支持表明したが最後、対象が何かやらかして恥をかくリスクが生じる。それでも切実に、政治を託したいと思うからこそ、みんな誰か(どこか)への支持を明らかにする。
この人は自分の考えさえ吐露できれば良いのだ。切実に、少しでも良くなって欲しいなんて思っていないんだろう。

11:16 - 2018年8月18日


この人間に理解できていないこととは何か。

それは、今という時代が、世の表面にでてマスメディアの報道に華々しく名前が出てくる政治家や政党の中に、「政治を託し得る」政治家や政党など存在しないことだ。つまり、「政治を託したいと思って、誰か(どこか)を支持」するという、この人間が当たり前だと信じて疑わない行為にこそ問題があるということだ。

同様の時代は過去にもあった。1937年7月7日に日中戦争が勃発してから1945年9月2日に日本が敗戦するまでの間がその時代であり、それを坂野潤治は「崩壊の時代」と呼んだ。「崩壊の時代」とは、「異議を唱える者が絶え果てた時代」だとするのが坂野の定義だ。この日記で何回か取り上げた通り、坂野は、2013年春に毎日新聞のインタビューに答えて、現代日本も2012年12月の衆院選を境にして「崩壊の時代」に入ったと語った。

前回の「崩壊の時代」には、先日石破茂が引用したらしい斎藤隆夫の「反軍演説」(1940年2月2日)もあった。しかし坂野は、斎藤隆夫は「経済格差に無関心であった」として斎藤を評価していない。石破茂の経済政策に弱点があるとは現在もしばしば指摘されることだ(なお、私は安倍政権の経済政策も、特に財政政策が異様に緊縮的であること*1や有害無益な「成長戦略」が含まれる点で厳しく批判されるべきだと思っている)。

実際、2011年の民主党政権時代に無用な党内権力抗争を引き起こしたあげく、勝ち目のない与党からの分裂と新党(日本未来の党)結成を嘉田由紀子にけしかけて2012年の衆院選で惨敗したり、昨年も小池百合子前原誠司の「希望の党」設立工作に加担しようとして失敗した小沢一郎、それにあろうことか「革新の大義」を投げ捨ててその小沢と野合した共産党及び「市民連合」(再三非難している通り、彼らは「希望の党」に関与した小沢の責任を不問に付したあげくに小沢の選挙協力までして見せた)を思い起こす時、これらの団体や政党や政治家に「政治を託す」ことがいかに無意味であるかは、冷静に考えればわかりそうなものだ。

1937年から1945年にかけての日本に、果たして国民が「政治を託し得る」政治家など誰がいただろうか。

今の時代も同じだ。

昨年の衆院選で、立憲民主党のブームが起きて同党が「躍進」したのは、私の見るところ、同党が「下からの」「草の根」民主主義を標榜したこと、言い換えれば、人々が発信する自由な意見をわれわれは吸い上げて政策や政治行動に反映させますよ、という姿勢を見せたからだ。だから、既存の民進党自由党共産党が見せなかったその姿勢に惹かれた有権者たちが立憲民主党に投票したのだろう。

なお、私は同党には投票せず、選挙区では共産党候補に、比例区では消去法で社民党に、それぞれ議席獲得の可能性が皆無であることを承知の上で投票した。立憲民主党の掲げた言葉が実現されることは全くの期待薄だと思ったからだ。その悪い予想は当たり、立憲民主党は一部の(具体的な人名を挙げれば福山哲郎などの)旧民進党の体質にどっぷり浸かった人たちが好き勝手に差配するようになって、現在見られるように政党支持率を急落させた。

だが、その責任は、もちろん立憲民主党の政治家たちにも重大なものがあるが、党代表の枝野幸男立憲民主党自体に対する批判を一切許さないかのような、同党のコアな支持層こそ、より重大な責任が問われるべきだと私は考えている。なぜなら、彼ら自身が「下からの」「草の根」民主主義、言い換えれば人々の自由な意見の発信を疎外しているからだ。

以上述べたもろもろの重大な問題点を、呟きの主は全く理解してないのである。

https://twitter.com/m7001768615/status/1030881570427625472

だから投票だって行かなかったりする。(後略)

11:18 - 2018年8月18日


お生憎様。俺は毎回必ず投票に行ってるよ。

2014年の東京都知事選のように、舛添要一細川護煕宇都宮健児の主要3候補の誰にもどうしても投票できない時には白票を投じたこともあるが(記憶にある限り候補者名を白票にしたのはこの時だけだったと思う)、たいていの場合は消去法で無理矢理候補者を選んでいる。

それは、その候補者に「政治を託し」たいと思うからでは全然ないのだが。

いずれにせよ、今の「崩壊の時代」に必要なのは、特定の政治家や政党に依拠することなく、自分の頭で考え、自分の足で立とうとする強い意志だ。私はそう確信する。

*1:軍事費や「お友達」に使われる無用な政府支出は例外。これらは需要喚起に寄与しないことや福祉・社会保障の支出にしわ寄せが行く点でむしろ有害だ。