kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

稲田朋美は菅政権時代の臨時国会でも「代表質問」をしていたのだが

稲田朋美臨時国会の代表質問に「抜擢」されてトンデモ質問をぶっこいていたらしい。

https://mainichi.jp/articles/20181030/k00/00m/010/098000c

稲田朋美
代表質問に異例の抜てき じわり復権

 自民党稲田朋美筆頭副幹事長は29日の衆院本会議で、安倍晋三首相の所信表明演説に対する代表質問を行った。代表質問は各党党首や三役らが臨むことが多く、異例の抜てき。昨年7月の防衛相辞任で失脚して以降、表舞台から遠ざかっていたが、じわりと復権を図りつつある。

 稲田氏は代表質問で「(自民党は)保守政党」と繰り返すなど保守政治家としての存在感をアピール。本会議後、記者団に「やや緊張感はあった。憲法改正や外交、防衛のところは自分らしい質問をしたと思う」と自賛した。

 首相は自民党役員会で「堂々としてやっていただいた」と稲田氏をねぎらったが、党内からは「党三役でもないのにおかしい。とても世論を見ているとは思えない」(閣僚経験者)と人選を批判する声も出た。【竹内望】

毎日新聞 2018年10月29日 21時26分(最終更新 10月29日 22時03分)


稲田の質問のトンデモぶりについては、リテラが記事にしている。リテラは好まないが、朝日や毎日がろくな記事を書かないから仕方なくリンクを張る。そういえば最近は、ひところのように「リベラル」が東京新聞を絶賛する傾向がすっかり影を潜めている。


下記は、先月の沖縄県知事選前あたりからTwitterの発信を再開したこたつぬこ(木下ちがや)氏のツイート。
https://twitter.com/sangituyama/status/1056817653837250560

一方で、本来は大幹部クラスがやるべき代表質問に抜擢された稲田朋美には、はげしい野次、そして与党側からは拍手なしのシカトという惨憺たるありさまでした。安倍さんの趣味の人事への嫉妬、不満、劣情が自民党の団結を破壊しています。

0:58 - 2018年10月29日


だが、稲田朋美臨時国会で代表質問をしたのは今回で初めてではない。なぜ誰もそのことを言わないのだろう、あれは代表質問ではなかったのだろうかと自分の記憶を疑ってググってみたが、記憶に誤りはなかった。民主党菅直人政権時代の2010年秋に行われた臨時国会(第176国会)でも稲田朋美は代表質問に立っていたのである。時の自民党総裁谷垣禎一だった。

当時のこの日記に書いた記事を引用する。

参院選で「みんなの党」に投票した天木直人が、今度は稲田朋美を絶賛した - kojitakenの日記(2010年10月6日)より

(前略)今日国会で稲田朋美菅直人首相に質問したためらしい。いったいどんなにすごい質問をしたのかと思って、朝日、毎日、産経各新聞のサイトを見てみたが、朝日や毎日はもちろん、産経のサイトにも何も出ていなかった。

報道ステーション』でも、菅首相がフジタ社員の解放のために何をやったのかと金切り声を張り上げる稲田が映っていて、菅直人の答弁は確かにぶざまだったが、稲田もまた見苦しさばかりが目立った。

某所で、いったい稲田は何を言ったのかときいてみると、「安倍晋三ばりに『シンガンス』の件について菅直人にいちゃもんをつけていた」とのことだった。

ところが、そんな稲田朋美の質問に陶酔していたのが、先の参院選で「みんなの党」に投票した天木直人である。

http://www.amakiblog.com/archives/2010/10/06/(注:リンク切れ)

以下引用する。

 久しぶりに代表質問らしいものを聞いた。10月6日の午後に行なわれた衆院代表質問における自民党稲田朋美議員の質問がそれだ。

 メディアが書く前に私の評価とこの質問が日本の今後の政局に与えざるを得ない影響について書いておきたい。 

 稲田氏の考えは、今の日本の政治のなかでも、最も保守・国家主義的な考えであり私の考えとは基本的なところで大きく異なる。

 しかしその立場の違いにもかかわらず、今日の彼女の代表質問は見事であった。

 菅民主党首相にぶつけた質問事項のすべては、いずれも現下の重要な問題であり国民の多くが菅首相に聞いてみたいと思っている事柄だった。

 一切の馴れ合いを排し、周到に準備された自分の言葉で菅民主党政権の政策の弱点や、民主党という政党が抱えている矛盾を見事についた。民主党攻撃材料のすべてがその中にあった。

 これこそが野党の代表質問である。

 トップバッターで質問した自民党党首の谷垣氏の代表質問があまりにも凡庸であった為そのするどさが際立った。

 ひるがえってそれを迎え撃つ菅首相の答弁には失望させられた。

 「私も野党時代は激しい質問をしたが、これほど汚い言葉で質問をしたことはなかった」などという言葉で応酬したつもりの菅首相の答弁は、あらかじめ用意された官僚答弁の棒読みに終始した言い訳ばかりだった。

 あげくの果てに、質問中に稲田議員が発した「官僚の書いたものを読み上げるのではなく総理自身の言葉で答弁願いたい」という言葉に言及して、「そんな事をいうのなら自分も原稿なしで質問したらどうか」などという捨てゼリフを吐いて、その答弁を終えた。

 誰が聞いても菅首相の完敗であった。

 自民党はこの際世代交代を一気に進め稲田氏のような論客を前面に押し出して本物の国会質問を行なうことだ。そうすれば菅・仙谷民主党政権を追い込むことができるだろう。


これはすごい。谷垣禎一を引き合いに出し、谷垣氏を「あまりにも凡庸であった」と貶める一方で、稲田を天まで届かんばかりに持ち上げている。

さすがだ。つい最近、「みんなの党」に投票してネオリベ諸君にすり寄った天木クンは、今度は極右にほおずりせんばかりだ。

こんな天木直人を信奉する小沢信者諸君も、指導者が「みんなの党」や稲田朋美をほめたたえれば、嬉々として付き従うのだろうか?(後略)


否だ、もとい稲田朋美が国会で代表質問をするのは、「8年ぶり2度目」といったところか(他にもあったかもしれないが)。

言いたいのは、8年前にも宏池会の領袖が自民党総裁として稲田朋美を代表質問に「抜擢」し、その稲田の質問を小泉純一郎政権以来ずっと反自民の「リベラル」の立場に立っていたはずの天木直人が絶賛していたことだ。

宏池会では、今年に入ってからも自民党総裁選をめぐって岸田文雄安倍晋三の軍門にあっさり下った。

それよりもさらに罪が重いのは、民主党政権時代に、天木直人に代表される「小沢信者」どもが稲田朋美の代表質問を絶賛したり、翌2011年に小沢一郎鳩山由紀夫自民党森喜朗らを焚きつけて菅内閣不信任案を出させた時にもその尻馬に乗って騒いでいたことだ。この不信任案提出劇で、小沢・鳩山一派は民主党を除名された松木謙公を除いて不信任案に賛成せず棄権などで逃げる醜態を晒した。

今に至る民主党政権時代への有権者の忌避感を醸成するのにもっとも寄与したのが、この不信任案の一件ではなかったかと私は思うのだが、現在でも彼らはこれについて何らの総括をしていない。天木直人は今も好き放題デタラメを書き続けている。

これでは自民党政権がいつまでも続いてしまうはずだと思う今日この頃なのだ。