入管法「改正」はいつものように短時間の審議で強行採決で成立のだろうが、そんなさなかに天皇と皇后が外国人労働者を「激励」したという。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000141851.html
両陛下が外国人労働者ら激励 語学支援の現場視察
私的な旅行として静岡県を訪れていた天皇皇后両陛下が日本語を学ぶ外国人労働者を励まされました。両陛下は28日午前、静岡県浜松市の外国人学習支援センターを訪問されました。自動車産業などが盛んで工場を多く抱える浜松市は外国人労働者が多く、市は日本人との相互理解を深めるため、互いの言語を学ぶ取り組みに力を入れています。皇后さまは、日本語を学ぶブラジル人に「2つの国がお互いに幸せに暮らしていけるよう」「2つを結ぶものになって下さい」と話されました。また、外国人支援のために日本人がポルトガル語を学ぶ教室では、受講生のテーブルを回って「日本での滞在が楽しいものになるかは言葉が大事ですからね」「よろしくお願いします」と陛下が声を掛けられていました。両陛下は夕方、皇居に戻られました。
(テレ朝ニュース 2018/11/28 23:32)
天皇と皇后の行為が「善意」から出ていることは間違いあるまいし、そもそもお膳立てされた行動予定を却下する権限も天皇と皇后にはないのだろうが、これはもうあからさまな政府による「天皇の政治利用」であり、天皇と皇后の責任も免れないのではないか。入管法「改正」とは別の話だという言い訳は通用しない。やはり天皇制は廃止するしかないと改めて思った。この例に端的にみられるように、いつでも天皇や皇后が「政治利用」されるからだ。天皇の政治利用は「可能性」などではなく、現に行われた。
なお、入管法「改正」については、下記の『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事を引用しておく。
https://hiroseto.exblog.jp/27686663/(2018年11月27日)
出入国管理法改定案=外国人奴隷拡大法案 衆院委員会強行採決
出入国管理法改定案=外国人奴隷拡大法案 衆院法務委員会で強行採決されました。
今、日本がきちんと総括すべきは、これまでの「移民」政策です。日本は実は多くの移民を送り出し、そして、世界でも四番目とも言われる数の外国人労働者が働いている国でもある。
しかし、問題は「人権」がないがしろにされてきたことです。人として扱ってこなかったことです。大上段に構えた言い方をすれば「ムラ社会」(人権が不十分)なまま「グローバリゼーション」(外国人受け入れ)をどんどん進めている、というのが日本の実態であり、それをさらに拡大するのが今回の安倍内閣提出の法案です。
戦後すぐは、日本政府は、ブラジルやドミニカなど中南米への移民を奨励。しかし、実態は時として「棄民」と言われる過酷なものでした。ドミニカ「棄民」問題はご記憶の方も多いでしょう。
そして、日系移民(の子孫)を、人手不足だからといって、1990年代ころを中心に日本に呼んだ。
しかし、リーマンショックで不景気になったら切捨てた。
そして、今度は、日本語のできる若い人だけ来てくださいという制度を作った。ぶれまくり、ご都合主義もいいところです。
以下の記事のコメントは正鵠を得ています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181126-00010000-withnews-s_ame日系ブラジル人を大量に移民させておいて不景気になったら切り捨てておいて また必要だからと日本語の出来る若い人材だけ来て下さいとは都合が良すぎますね いまやブラックな職場ばかりで海外から来て魅力的な国とも思えないですから日本に来ないほうがお互いの為かもしれませんね。
また、実習生と称して広島県内の漁業なども含めて多数の若者を受け入れてきています。その実態は、まさに奴隷労働ではないかと思われるものになっています。4279人が半年で失踪するという異常事態です。
「人手不足」が緊急だから法案を通すというのが安倍自民党の言い分だが、今までの総括もなしに突き進めば、早晩行き詰まる。
それこそ、「バラ色の言葉をかけられたのに、実態は酷かった」「日本に騙された」と感じる外国人労働者も多数出るだろう。「徴用工」問題のように、日本政府や企業を訴える労働者も多数出るのは時間の問題だ。
「世界で最もおとなしい」と思われる日本人労働者に慣れきった日本政府が、日本企業が「持ちこたえられる」とはとてもではないが思えない。
そのときにはもう安倍総理や今回の改定案の「震源地」でもある菅官房長官はさすがに退陣しているだろうが、無責任なことはやめてほしいものだ。
これまで散々、安倍総理を持ち上げる一方、反安倍=反日と決めつけてきた自称「愛国者」の方々にも申し上げたい。
それこそ、あなた方の言うところの「日本人らしく」、切腹も辞さない覚悟で今回の法案が引き起こす結果の責任を取っていただきたいものだ。
(『広島瀬戸内新聞ニュース』より)