安倍晋三が国会で「法の支配」の対義語を答えるクイズを出されて答えられなかったといって話題になっているらしい。
安倍晋三が法の支配 の対義語を答えられなかった件、
— ⓢⓐⓘⓣⓞ (@kentaro_s1980) March 9, 2019
晋三くんをかばう人の論調は
「急に聞かれたら答えられない、答えられる人はどの位居る?」こんな感じが多い。
しかし、晋三くんは2013年から検索で分かっただけで、国会で「法の支配」を114回使っている、意味わからないで使っていたのかな。 pic.twitter.com/iHQyxXgKwN
私は法学部を出ていないので、「法の支配」の対義語が「人の支配」だと言われたらなるほどとは思うけれども、安倍晋三と同じように聞かれたら答えられなかったに違いない。高校の頃、「法の支配」に「法治主義」を対置する言い方を習ったことがあって、それをこの日記に書いたことが以前あったが、この対置は大学入試にも出題されたことのある言説だけれども実は正しくないという指摘を法学を学んだ方からいただいたことがあったと記憶する。まあ「法の支配」に「人の支配」を対置するならすっきりとはしているし、安倍晋三(成蹊大学法学部卒)はもちろん、安倍を信奉するネトウヨ(実態は「安倍信者」)が本心では「人の支配」あるいは「人治主義」を奉じていることは明らかだろう。
しかし、それを嗤っている側の人間も、どれだけ「法の支配」を理解している、あるいは「法の支配」の考え方が身についているかは大いに疑問だ。「小沢信者」や「枝野信者」(「立民信者」)、あるいは「共産党信者」の面々が「法の支配」を理解しているはずがなかろう。理解していたら個人(や政党執行部への)崇拝に走るはずがない。「人の振り見て我が振り直せ」という言葉を思い出したが、それは、そもそも「法の支配」の対義語が「人の支配」であると答えられなかったに違いない私自身がかみしめるべき言葉なんだろうなと苦笑した次第。
なお、「安倍晋三は『法の支配』の対義語を正しく答えていた。答えられなかったとするのはデマだ」とする安倍擁護派の議論とそれに対する反論がネットであったのをみつけた。以下にリンクだけ張っておくが、議論はどうあれ、安倍が本心では「人の支配」や「力の支配」を信奉し、それに沿った政治を行っていることは明らかだ。