kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

通常国会閉会。安倍晋三、衆議院は解散せず、消費税増税は予定通り実施へ

 通常国会が閉会した。安倍晋三は結局衆議院を解散せず(つまり衆参同日選挙は行われない)、消費税増税は予定通り実施すると決定した。

 この展開は、6月9日付のこの日記で予想した通りだ。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記リンクの記事に、私は次のように書いた。

 

(前略)私は消費税増税の撤回と解散・衆参同日選挙の可能性は低いと思う。それには理由がいくつかある。

 まず、消費税増税に関しては、既に消費税増税ありきで進んでいる事項が結構ある。また、安倍晋三は四選を視野に入れて財務省を敵に回したくないと思っているのではないか。さらに、仮に消費税増税を予定通り行うことを明らかにして参院選を戦っても十分自民党が勝てるくらい現在の野党に勢いがない。また、5月20日に発表された2019年1~3月期の実質国内総生産GDPでも予想に反してプラス材料になった。

 それから衆院解散については、これは誰も指摘していないが、安倍晋三には2017年に小池百合子(と前原誠司小沢一郎)を潰した「成功体験」が忘れられないのではないか。

 思えば、2016年の参院選前にも、安倍晋三衆院選との同日選挙にするのではないかとの声がかまびすしかった。しかし安倍は衆議院を解散しなかった。すると、衆院選の1か月後に行われた東京都知事選に当選した小池百合子のバブル人気が発生し、括弧付きの「リベラル」たちを「ワクワク」させた(笑)。その勢いは翌年夏の東京都議選で「都民ファ□ストの会」が自民党をKOするところまで続き、街宣に出た安倍晋三は罵声を浴びた。図に乗った小池百合子は、前原誠司小沢一郎と共謀して国政進出を図ったが、この局面で前年に安倍晋三衆議院を解散せず、衆参同日選挙を行わなかったことが効いた。安倍は小池一派が衆院選の準備が整わないうちに衆議院解散を打ち、小池一派を潰すとともに、前原誠司民進党を分裂させることにも成功した。こうして「安倍一強」体制がさらに確固たるものになったのだった。

 この成功体験があるから、今は解散権を温存しておきたいという気持ちが安倍晋三に働いても不思議はない。(後略)

  

 安倍晋三が実際に考えたことが上記に書いた想像通りかどうかは全くわからない。一部でまことしやかに報じられたような、衆議院を解散しても改憲が可能な議席はとれないという自民党の内部調査結果を見て尻込みしたという憶測が当たっているのかもしれないが、それとて根拠は全くない。

 ただ思うのは、安倍がやるつもりもない解散風を吹かせてみせたのは、野党の批判を弱らせるとともに野党の参院選への準備を遅らせるためだろうということだ。立民や民民は国会終盤での政府批判が及び腰になったし、山本太郎元号政治団体は未だに参院選の候補者を発表できずにいる。後者については、同日選挙になれば参院選候補として予定している人の一部を衆院選に回すことを考えていたのかもしれない。もっとも、意地悪く「単に候補者が集まっていないだけだろう」と言っている人もいて、そちらの方が当たっているのかもしれないが、これまた何ともいえない。いずれにしても、今までのところ安倍の作戦勝ちだったとはいえると思う。

 げんなりするのは、またぞろ野党第一党が「元号デモクラシー」*1などと言い出したことだ。山本太郎元号政治団体と同じことをしている。「大正デモクラシー」になぞらえたネーミングだよと言って野党第一党を庇う人もいるが、大正時代の新聞紙面を思い出せば良い。記事本文はもちろん、欄外の年月日表示も元号一本で、西暦(や皇紀)などほとんど出てこない。そんな時代だったから「大正デモクラシー」と言ったのだ。

 今は、右翼の総理大臣が「2020年の憲法改正」と言い、婚約問題で揉めている皇族が婚約者と知り合ったのが「2012年」だと発言したご時世だ。そんな時代なのに、反自公のはずの政治団体が「元号新選組」を名乗り、野党第一党が「元号デモクラシー」を標語とする。なんたる倒錯!

 こうしたネーミング自体が、参院選の結果に悪影響をもたらすのではないかと懸念する今日この頃だ。

*1:この日記では現元号名をNGワードにしているため、このように表記した。