kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

参院選対策としての「商業捕鯨再開」と「半導体材料の韓国への輸出規制強化」に見る「没落国家・日本」の惨めさ

 「商業捕鯨再開」と「半導体材料の韓国への輸出規制強化」の2件は、日本という国が本当にダメになりつつあることを感じさせた出来事だった。当然メディアはこれらを批判的に報じるだろうと思っていたら、批判的視座など全くないか、「リベラル」系メディアであっても批判的な声があることを遠慮がちに言いつつ(=言い訳をしつつ)、基本的には肯定的に報じていた。ますますダメだこりゃ、と思った。

 商業捕鯨については、その是非以前に日本が国際的に孤立する効果の方が問題だ。商業捕鯨を再開したところで捕鯨自体は衰退の一途をたどるだろうという指摘があって、それには強い説得力があるのだが、特に問題だと思うのは、参院選前のこの時期に商業捕鯨を再開することが、日本国民のナショナリズムを煽って選挙を自民党に有利に導こうとする意図から出ていると思われることだ。

 その意図がより露骨に感じられるのが、フッ化水素など半導体材料の韓国への輸出規制強化の件であり、どこの途上国の所業かよ、プライドの欠片もないみっともない所業だよなあと思った。こう書くと、ただ原料を掘り出すだけの途上国とは違って、猛毒のフッ化水素の精製には先端技術が必要なんだと「日本スゴイ」論者が目を三角にして怒り出しそうだが、そんな技術的優位性はいつまでも続かない。かつて日本の自動車産業がマスキー法を乗り越えたのと同質のことを、韓国の半導体産業は短期間でやってのけるんだろうなあとしか思えない。

 しかし、トランプに「安倍ジャパン・パッシング」をされても、朝日新聞までもが韓国にネガティブな記事しか出せなくなった日本のマスメディアおよび世論に、政権を正面から批判する気力と能力はもはや残っていないかのようだ。

 時計の針を逆方向に動かすことはできない。既に衰退過程を相当に進んでしまった日本が今後なすべきことは、「過去の栄光」への懐古などではなく、厳しい現状を直視しつつ道なき道を切り開くことしかないはずなのだが、それをやろうとする気概など微塵も感じられない。

 以上のように、私は今回の参院選対策としての「商業捕鯨再開」と「半導体材料の韓国への輸出規制強化」の2件には、「没落国家・日本」の惨めさしか感じない。否、事態はそれ以上に深刻で、日本がいよいよ国際的孤立へ本格的に向かい始めたというほかない。

 それを食い止めるためには、せめて参院選では自公維の議席の「3分の2割れ」くらいは実現させたいと思うが、メディアや世論の鈍い反応を見ると、それさえも怪しいのではないかとの悲観的予想にますます傾いてしまう今日この頃だ。