kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

大村秀章が胸のすく河村たかし批判。一方山本太郎は……

 昨日(8/5)の午前、大村秀章・愛知県知事が名古屋市長・河村たかしを正面切って批判した。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM853C9KM85OIPE008.html

 

展示中止言及「憲法違反が濃厚」 大村知事が河村氏批判

表現の不自由展・その後

佐藤英彬

 

 

 愛知県で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)の実行委員会が企画展「表現の不自由展・その後」を中止したことを受け、実行委会長の大村秀章愛知県知事は5日の定例会見で、展示の中止を求めた河村たかし名古屋市長らを「憲法違反の疑いが濃厚と思う」と批判した。

 企画展は1日に始まり、慰安婦を表現した少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品など、各地の美術展で撤去されるなどした二十数点を展示。河村氏は2日、「日本国民の心を踏みにじる行為」などとして、展示の中止を求める抗議文を大村氏に提出した。また、日本維新の会杉本和巳衆院議員(比例東海)も「公的な施設が公的支援に支えられて行う催事として極めて不適切」として、展示の中止を求める要望書を出していた。

 大村氏は5日の会見で、こうした行為について「憲法21条で禁止された『検閲』ととられても仕方がない」と指摘。「行政や役所など公的セクターこそ表現の自由を守らなければいけないのではないか。自分の気に入らない表現でも、表現は表現として受け入れるべきだ」と述べた。企画展の費用は420万円で、全額寄付で対応するとした。

 また大村氏は、中止を判断した理由について「安全安心を第一に考えた」と説明。5日朝にも「ガソリンを散布します」などと書かれた脅迫メールが県に届いたことを明らかにした。警察と協議するという。(佐藤英彬)

 

朝日新聞デジタルより)

 

 「憲法21条違反」を指摘された河村は、見苦しく大村知事に反発した。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM8541FWM85OIPE00F.html

 

河村氏が大村知事に反発 「展示は良いと堂々と言って」

表現の不自由展・その後

柏樹利弘

 

 

 名古屋市河村たかし市長も5日の定例会見で、「表現の不自由展・その後」の展示は「日本人の心を踏みにじるようなものだ」と改めて主張し、「市民の血税でこれをやるのはいかん。人に誤解を与える」と述べた。

 大村秀章知事から「『検閲』ととられても仕方がない」と批判されたことに対し、河村氏は「ああいう展示は良いんだと県が堂々と言ってください」と反発。「どういうプロセスで展示がああなったのか、市民に公開しなければならない」と述べ、展示物が選ばれた過程を調べるよう、市幹部に指示したことを明らかにした。

 河村氏によると、少女像が展示されるのを市の担当者が認識したのは7月22日で、河村氏自身が知ったのは開幕直前の7月31日だったという。作品の選定は芸術監督に一任されているとして、「慣例的にお任せになっており、(選定のプロセスに)口を挟むことはこれまでもなかった」と話した。

 また河村氏は、市のウェブサイトに4日朝、「ガソリンの携行缶を持って行く」といった趣旨の書き込みがあったことも明らかにした。(柏樹利弘)

 

朝日新聞デジタルより)

 

 『女性自身』は大村知事を大々的に持ち上げ、河村を批判した。
 

https://jisin.jp/domestic/1762891/

 

大村知事に賛同相次ぐ 河村たかし市長を「憲法違反」と猛批判

記事投稿日:2019/08/05 19:31 最終更新日:2019/08/05 19:31
 

 

現代アートの祭典「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」をめぐる名古屋市河村たかし市長(70)の発言を、愛知県の大村秀章知事(59)が厳しく批判した。

 

従軍慰安婦を表現した「平和の少女像」や、昭和天皇の写真を用いた作品が物議を醸していた「表現の不自由展・その後」。

 

河村市長は8月2日、この企画展を視察し「どう考えても日本人の心を踏みにじるもの」と述べ、展示の中止を要求すると発表していた。運営側には「ガソリン携行缶を持ってお邪魔する」と書かれた脅迫FAXが届くなど抗議が殺到。開催から3日間で中止に追い込まれた。

 

5日の記者会見で大村知事は、河村市長の主張を「憲法違反の疑いが極めて濃厚」と指摘。「公権力を行使される方が、“この内容は良い、悪い”と言うのは、憲法21条のいう検閲と取られてもしかたがない。裁判されたら直ちに負けると思う」と厳しく批判した。

 

また「税金でやるなら、自ずと表現の範囲は限られる」といった論調に対しては、「全く真逆。公権力を持ったところこそ、表現の自由は保障されなければならない。税金でやるからこそ、憲法21条はきっちり守られなければならない」と反論した。

 

Twitter上では《大村知事は反日》《知事辞めな》などと大村知事に反発する声もあるが、毅然とした発言に賛同の声が相次いでいる。

 

《大村知事の考えが常識的な対応だと思います》
歴史修正主義者だらけの首長ばっか話題になるから、こういう人いるとほっとする》
《愛知県の大村知事に賛同します。河村たかし名古屋市長、菅官房長官松井一郎大阪市長による「アートへの政治介入」は明らかに憲法21条に違反している》

 

大村知事によると、5日朝にも「ガソリンを散布します」などと書かれた脅迫メールが県に届いたといい、警察と対応を協議するという。

 

(『女性自身』のサイトより)

 

 大村知事が「表現の不自由展・その後」の展示中止を決めたことには批判もあろうが、同知事による河村批判は「胸がすく」の一語だ。

 

 醍醐聡氏のツイート。

 

 

 一方、昨日(8/5)朝の時点では山本太郎は「沈黙」していたらしい。最近では山本氏の天敵と化した感があるこたつぬこ(木下ちがや)氏に突っ込まれていた。

 

 

 この日記では、河村たかしの名前が出た時点で直ちに「山本太郎からコメントを取れ」と書いたはずだが、何も言われなければ山本が沈黙するだろうことは目に見えていた。山本は結局、大村知事による河村批判が評判を取り、話題が大きくなってからこの件にコメントしたようだ(TBSラジオ荻上チキの番組とBS-TBSの『報道1930』)。だが、こんな件では本来大村知事の河村批判が出る前に、というより問題が報じられるや否や瞬時に反応して迅速に河村を批判できなければお話にならない。山本自身についてはもちろん、山本の取り巻きも報道が出てすぐに山本にコメントを出すよう促すことができなければダメだ。だがどうやら彼らにはそれができなかったようだ。これではまともなリベラル政治家にはとうていなり得ない。

 それもこれも、河村たかし小沢一郎の人脈に連なる人物であることに起因する。山本の属する集団には、河村批判を忌避する空気があったのだ。

 韓国の「ホワイト国除外」の件で立憲民主党や国民民主党が安倍政権の姿勢を容認・支持する態度を取ったのは、反安倍のいわゆる「リベラル」層にも「反韓」の空気が強いことを反映したものであって、立民・民民両党のポピュリズム的性格をよく表していると私は考えている。

 一方、山本太郎は支離滅裂な論拠ながらもホワイト国除外には反対した。しかし、迅速な河村批判はできなかった。これは、山本党も立民・民民同様のポピュリズム的な性格が強いものの、反映している母集団が異なることを表している。

 つまり、立民・民民の場合には政権批判層の多数の民意が政策に反映されるのに対し、山本太郎の場合は政権批判層の中でも特に小沢一郎支持に傾いていた人たちの民意が反映される。その一部はネットの小沢シンパないし「信者」の言論が反映されており、そのことは、山本太郎が街宣で「不正選挙論」や「地球温暖化懐疑論」などといった「『小沢信者』ヲチャ」にはおなじみの件に一定の理解を示すかのような言葉を発していたらしいことからもうかがわれる。

 そして前記の界隈では、10年前の政権交代期には「『右』も『左』もない」が合言葉とされており、極右ポピュリストにして歴史修正主義者である河村たかしも、小沢一郎の盟友として大いに持ち上げられていたのだった。

 その河村を迅速に批判できなかった山本太郎にはやはり「小沢一郎殺し」などできそうにもない。この政治家には過度の期待を抱かない方が良さそうだ。