kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

博士号取得者が10年で16%も減り、某社某部署では社員の1割以上が精神疾患で休職。「世界で一番企業が活躍しやすい国」日本スゴイ!

 日本企業の退行を表す記事2件を日経から引く。

 

www.nikkei.com

 有料記事なので冒頭部分しか読めないが、以下引用する。

 

「博士」生かせぬ日本企業
取得者10年で16%減 世界競争、出遅れも

2019/12/8付
日本経済新聞 朝刊
 

世界は新たな「学歴社会」に突入している。経営の第一線やデジタル分野では高度な知識や技能の証明が求められ、修士・博士号(総合2面きょうのことば)の取得が加速する。主な国では過去10年で博士号の取得者が急増したのと対照的に、日本は1割以上減った。専門性よりも人柄を重視する雇用慣行を維持したままでは、世界の人材獲得競争に取り残されかねない。…

 

出典:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO53006550V01C19A2MM8000/

 

 昔からずっと言われている問題なのに、結局この10年で博士号取得者が6分の1減ったのか。「専門性よりも人柄を重視する雇用慣行」、要するに文句一つ言わずバカ働きする従順な社員を求めているということだ。

 過去10年というと、そのうち半分以上は安倍政権下だということにも注目されたい。

 

  2件目は共同通信の配信。

 

www.nikkei.com

 

三菱電機新入社員、社内発表会の直前に自殺

2019/12/7 20:25
 

三菱電機の男性新入社員が自殺し、警察が自殺教唆容疑で上司を書類送検した事件で、男性は自殺した当時、社内向けの発表会へ向けた準備を進めていたことが7日、会社への取材で分かった。同社では過去にも社員の過労自殺精神疾患による労災認定が相次ぎ、元社員は「パワハラが日常的で自浄作用はなかった」と話した。神戸地検は上司の刑事責任の有無を慎重に検討している。 

会社などによると、発表会は8月末の予定で、男性は同月下旬に自殺した。教育主任だった30代の男性社員が発表会の指導を担当。男性がこの上司に暴言を受けていたとの証言が同僚から得られたという。

一方、三菱電機の技術職や研究職では2014~17年、長時間労働などが原因で自殺者2人を含む5人が労災認定された。うち、元研究職の30代男性はうつ病を発症したという。

取材に「(三菱電機は)極限まで追い込んで成果を出させる体質だった」と振り返った。研修時から怒鳴られ、配属後の職場は上司の「死ぬ気でやれ」といった怒声が延々と響き、社員の1割以上が精神疾患で休職したという。

企業にパワハラ対策を義務付けた女性活躍・ハラスメント規制法は5月に成立したが、罰則規定がなく、企業の対策義務にとどまっており、実効性に疑問の声がある。厚生労働省は来年6月の施行に向け、企業に対策を義務付ける指針策定を進めている。〔共同〕

 

出典:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53093020X01C19A2000000/

 

 「極限まで追い込んで成果を出させる体質」、「社員の1割以上が精神疾患で休職した」ってどんな職場だよ。

 まあ私もそういう体質の課長が関連部署にいた経験があって、つまり私自身はそいつの部下ではなかったのだが、そいつのところに長期出張でやってきた社員が過労で病気を発症して入院するとともに出向元に戻った事例を20年ほど前に見た。その課長はこの件を部下に知らせる時、「出向元に戻ってもらうことになった」とだけ言い、病気で倒れたことは一切口にしなかったが、誰もがその事実を知っていた。

 なお、この課長自身は業者と癒着して利益供与をやる一方、自社の事業を大いに毀損して退社に追い込まれたが、自らが癒着していた業者に再就職した。

 上記は私が最初に勤めた一部上場企業での話。三菱電機の事例から思い出した。

 ここでも、安倍晋三が「日本を世界で一番企業が活躍しやすい国にする」と口癖にように言っていたことを想起されたい。

 「世界で一番企業が活躍しやすい国」における企業の退行ぶりは、目も当てられない。

 ああ、「日本スゴイ」。本当に。