kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三、昨年の参院選で河井案里陣営に「官房機密費」から1億5千万円を提供か

 河井克行・案里夫妻の件、まだ「週刊文春」の立ち読みもしていないが、昨年の参院選安倍晋三河井案里に提供した選挙資金、何でもそれは官房機密費から出ている疑惑が濃厚なのだというが、それは1億5千万円もの巨額にのぼり、選挙戦時点で現職だった宏池会岸田文雄の派閥)の溝手顕正が受け取った通常の自民党の選挙資金である1500万円の実に10倍だったという。

 何か、かつての田中角栄を思い出させるすさまじい金権選挙だとしか思えない。田中角栄の時代にも、参院選徳島選挙区で田中派後藤田正晴(1914-2005)と三木武夫派の候補との間で、角栄が後藤田に巨額の資金を提供した悪名高い金権選挙があったよなあと思い出して調べてみると、それは1974年の参院選で「阿波戦争」と呼ばれた一件だった。ここではWikipediaにリンクを張るにとどめる。

 

 

 この参院選で、後藤田陣営及び三木派の久次米健太郎(1908-1980)陣営の双方から相当の選挙違反者が出たという。後藤田にはこんな後ろ暗い経歴があったのだ。

 その後、晩年にはハト派の代名詞のようにいわれた後藤田正晴だが、70年代当時は警察官僚としてタカ派のイメージが強かった上、「阿波戦争」に代表される金権・角栄の手先との印象が強かった。当時の印象を強く残す私としては、後藤田を聖人君子視する風潮にはずっと疑問を持っていたのだった。

 もっとも、1974年の参院選田中角栄がばらまいた金は何も後藤田正晴に限らず、自民党候補全体に及んでいた。それはそれで大問題で、1974年参院選では他にも糸山英太郎という悪の巨魁を排出*1したりもしているが、安倍晋三の場合はそれに極端な「傾斜配分」の要素が加わっている。簡単にいえば、角栄自民党の党益を第一に考え、それはそれでろくでもないのだが、安倍晋三の場合は自らに忠誠を誓う者の利益を極端に優先するに考える習性がある。河井案里陣営の選挙資金の件などその典型例といえる。

 そもそも、安倍が河井夫妻に入れ込んだ理由の一つは、宏池会溝手顕正が何かにつけて安倍を批判する「うざい奴」だったから溝手の「粛清」に血道を挙げたものだろう*2

 安倍というのはそういう奴なのだ。反面、自らにすり寄る者に対しては極端に「情が厚く」、その人間が罪を犯していようが山口敬之のように逮捕を差し止めまでする。角栄と比べると、安倍晋三はずっと矮小なのだ。「崩壊の時代」の最高権力者の程度をよく表している。

 ただ、「阿波戦争」のあった1974年参院選の数か月後、角栄は月刊「文藝春秋」立花隆と故児玉隆也)に人脈金脈問題を書き立てられて退陣に追い込まれた。安倍もこのところ「文春砲」*3とやらに狙われているようだし、早いとこ退陣してもらいたいものだ。

*1:「輩出」ではない。これは意図的な「誤記」。

*2:もちろん表向きは「広島選挙区で自民党の2議席独占を狙う」という名目だっただろうが、2議席独占できなかった場合には溝手を蹴落とすというたくらみは当然していたはずだ。

*3:あんまり「文春砲」のことなど書きたくないのだが、どんな経緯であっても安倍を辞めさせたいという気分が日に日に強まっている。