昨日(3/20)の全国紙大阪本社版の1面トップは揃って、大阪府知事・吉村洋文が発した「大阪府-兵庫県の不要不急の往来自粛」の要請だった。これを知って、大阪府生まれで阪神間育ち*1の私(現在は東京都在住)は、大阪府や兵庫県の中でも阪神間が特に危ないという話は聞いたことがなかったので奇異の念を持ったが、吉村は厚生省から受けた提案によるものだというツイートを発した。
厚労省から受けたこの提案を重視し、方針を決定した。単なる有識者やコメンテーターが作成したものじゃない。国がこの書類を持って大阪府と兵庫県にわざわざ説明に来て提案された。重要な事実と判断して外に出した。多くのコメンテーターはこんな数字なる訳ないと思うだろうが、僕は無視できない。 pic.twitter.com/hRvR85tcC6
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) 2020年3月20日
だが、吉村が示した画像を見れば一目瞭然、厚労省が出した提案は、大阪府及び兵庫県内から出ること、及び両府県に入ることに対する自粛の要請だったのだ。
当然ながら、吉村に対する批判が噴出した。以下にいくつかのツイートを示す。
これを「大阪〜兵庫間の往来自粛」と解釈するのは誤読だろう。むしろ、府内の往来も兵庫以外との往来も控えるよう求める、より厳しい内容になってる。これを阪神間の往来だけに限定するような声明は完全なミスリードだよ。
— ncc1701 (@ncc170116) 2020年3月20日
ええっ?これは単純な日本語の読み違えでは。
— 夏目冬✴︎維新は日本に不要✴︎ (@natumefuyu) 2020年3月20日
「大阪府・兵庫県‘内外’の不要不急な往来の自粛」→これは大阪府と兵庫県への「外出自粛」要請…つまり大阪府民兵庫県民は外に出るな、他府県民は入るな、でしょ?
今回の措置は、「大阪府・兵庫県‘間’の不要不急な往来の自粛」になってしまってるよね? https://t.co/IdVbNyLhJP
これって「大阪&兵庫セットでやばいから他との往来」を制限しろという書面で、結果的に「大阪兵庫間の往来だけ制限」になってるの厚労省の目的にかなってないし、こんな誤読報告が、なんで堂々と行われてるのかが全くわからないよ…… https://t.co/7WCKvjk6jN
— こへだ[Mayumi Morinaga] (@koeda) 2020年3月20日
これは、大阪府が21日にイベント再開しようとしていたのに危機感を持った北大の西浦教授が、わざわざ提起したのでは。大阪府のこれまでのあまりな対応への警告であって、吉村さん威張れることではない。 https://t.co/ReLMR30NR1
— こたつぬこ (@sangituyama) 2020年3月20日
下記は「広島瀬戸内新聞ニュース」の記事。
以下、上記リンクの表示からは読めない部分を引用する。
兵庫県知事と不仲の大阪府知事が当て付けでああ言うことをいったとしかおもえない。
この文書だと、自粛対象は、例えば京都と大阪・兵庫の往来です。
それでも、高槻市駅や大山崎駅で荒木村重や明智光秀の格好をした検疫官が乗り込んでくるとか、そういうことはないだろうから実効性は疑問だが。
要するに、維新のチンピラ首長でしかない大阪府知事・吉村が、自らの読解力不足を露呈したか、厚労省の提言を利用して兵庫県知事に当てつけをやらかしたかのいずれかから発したものだったようだ。
しかし始末が悪いのは、そんな吉村に対して大阪のマスメディアが阿諛追従に走っているらしいことだ。
関西の主要テレビ局はみんな大阪だから大阪への取材が多くなるのは当然なわけで井上公造は関西のテレビ局の事情をわかってて言ってるのだろうか?
— 維新を笑い飛ばせ! (@bokenasuishin) 2020年3月20日
あとテレビでよく見るからといって仕事をしてるわけではないのは公務の量を見れば明らかですな。目立つところに顔を出してるだけ。 https://t.co/0VFNTd7mcF
井上公造というのは福岡県生まれの芸能リポーターだが現在主に活躍しているのは大阪で、上記「おは朝(おはよう朝日です)」を放送しているABC(朝日放送)の他には読売テレビ(日本テレビ系)にも出演していて、かつ日テレ系では日テレ本体と中京テレビ(名古屋)の番組にも出ているらしい。ABCは同系列の朝日新聞とはずいぶん違ってかなりの維新寄りとの評判だし、ABC以外には読売系ばかりの出演だから、間違いなく維新の御用コメンテーターなのだろう。虫唾が走る。
日本全体が安倍晋三に対する忖度が災いして「崩壊の時代」に入って久しいが、思えば大阪はその数年前に橋下徹が大阪府知事になった時から他の都道府県に先駆けて「崩壊の時代」に入ったのだろう。もちろん維新は安倍晋三と強く癒着しており、2012年には橋下と松井一郎が安倍を維新にスカウトしようとしたこともあった。
今の大阪は、二重の「崩壊の時代」の真っ只中にあるといえる。