kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京都、4/2にようやくPCR検査件数を482件(検査実施人数469人)に増やしたものの、依然として陽性率20%超えが続く

 昨日(4/3)、厚労省から、新型コロナウイルス感染者のうち無症状者や軽症者については、宿泊施設や自宅での療養を推奨する新たなガイドラインが示された。早速、急激な患者数増加が見られる東京都ではホテルを1軒借り上げるとのことだ。

 東京都におけるPCR検査での陽性率の異常な高さについて問題意識を持つ人があまりにも少ないので、この日記では毎日東京都の検査数の数字を示して注意を喚起し続けているが、昨日遅くに東京都のサイトで公開された一昨日(4/2)のPCR検査数は482件、検査実施人数は469人であり、東京都も重い腰を上げてようやく検査数を増やしたようだ。もっとも、これは永寿総合病院の院内感染が慶応病院に飛び火した影響で、慶応病院での院内感染を調べるための一時的な検査数増加だったかもしれず、引き続き監視が必要だと考えている。

 

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 

 とはいえ4月2日に東京都で確認された感染者数は97人だったので、陽性率は20.7%だった。3月23日からの陽性率20%超えはこれで11日連続となった。これがいかに異様な数字であるかを説明するのに、昨日ネット検索で見つけたお茶の水女子大学のサイトに掲載されている「注意喚起」を紹介する。

 

www.ocha.ac.jp

 

 以下、上記リンクから引用する。なお、グラフの引用は省略するので、リンク先のお茶の水女子大学のサイトを直接参照されたい。

 

 日本は2月中にクルーズ船ダイアモンド・プリンセス号日本国籍乗船者全員を対象にRT-PCR検査(注1)を施行し、~300人の有症、あるいは検査陽性者を病院(自衛隊中央病院など)、自宅に隔離、治療する方針を取り、WHOから「世界で最も注意すべきリスク要因」と指摘されましたが、帰還者からの二次感染を生じることはなく、新規症例数も低く抑えられ、同様に感染自国民を多数引き受けているシンガポールと並び稀有な成功例とされてきました。

 図3に3月1日からの日本各都道府県における新規感染数を示しています。対照として各国の新規症例数を右に再掲しています。日本の新規症例数は他国とはオーダーは異なるものの、3月下旬から、東京、大阪で、ヨーロッパ、アメリカと類似する指数関数的な上昇が見られていることがわかります。

 このような状況下では、日本のRT-PCR検査の実施数が各国とし比して少なく、例えば最も広く検査が行われている韓国286,716例(3月17日現在、報道による)と比べて3月28日現在で実施数26,105例とほぼ1/10であることは気になる点です。検査陽性率(日本 5.6%、韓国2.9%)、死亡率(日本3.3% 、韓国1.5%)の差異が必ずしも大きくはなく、感染者数の実測値は現状とは大きく隔たることはなく、多く見積もっても実測値の数倍と考えられますが、その予測の下でも、症例数の増加が急峻であることは注目、懸念すべき点です。

 東京での新規感染者数の増加が急峻であること、さらに、発端者を追えない市中感染の割合が増加していることから、小池東京都知事は3月26日以降、首都封鎖、移動禁止(ロックダウン)に度々言及し、3月27日、28日の週末に外出を控えることを要請し、周辺の県の首長はいずれも東京への移動を自粛するように呼びかけています。このような強いsuppressionが必要とされる事態は、十分想定されるところです。

 

出典:http://www.ocha.ac.jp/news/20200127_1.html

 

 上記引用文中で、検査陽性率が日本5.6%、韓国2.9%とあるが、これは全国平均であって、東京都は違う。4/2までの東京都の検査実施人数累計は3806人で、陽性患者数累計は4/3の89人を引き算すると4/2までで684人だから、陽性率は実に全国平均の3倍以上に当たる18.0%である。これは3/23以降の11日間で押し上げられた数字だ。3/23以降のデータを下記に示す。

 

   陽性患者数/検査実施人数

3/23 16/56

3/24 17/74

3/25 41/95

3/26 47/87

3/27 40/143

3/28 63/244

3/29 68/331

3/30 13/41

3/31 78/145

4/1 66/164

4/2 97/469

3/23-4/2の累計 546/1849(陽性率29.5%)

3/22までの累計 138/1953(陽性率7.1%)

 

 上記お茶の水女子大学のサイトの論法に当てはめれば、3月23日以降の東京都における検査での陽性率は、韓国の検査での陽性率2.9%の実に10倍だから、検査で確認された陽性者546人の10倍くらい、つまり約5千人の感染者が東京都内にいる可能性がある。中には、インフルエンザによる肺炎死と診断された死者の中にも、実際には新型コロナウイルスによる肺炎死だった人が少なからずいるかもしれない。

 日本におけるPCR検査数がドイツの17分の1だったと報じた一昨日の日経新聞1面トップの記事についた「はてなブックマーク*1のコメント(ブックマークコメント=略称ブコメ)は、多くが「検査を増やすと医療崩壊ガー」系の反動的なものだったが、そんな中にあって下記のコメントが目を引いた。

 

コロナ検査、世界に後れ 1日2000件弱で独の17分の1 (写真=ロイター) :日本経済新聞

東京の肺炎死者数が2月の終わり頃から急増していることは知っておいたほういいんじゃなかな。検査しないとこういう不自然なことが起きる。<a href="https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/2112-idsc/jinsoku/1852-flu-jinsoku-7.html" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/2112-idsc/jinsoku/1852-flu-jinsoku-7.html

2020/04/02 09:13

b.hatena.ne.jp

 

 上記ブコメから張られたリンクを下記に再掲する。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/2112-idsc/jinsoku/1852-flu-jinsoku-7.html

 

 上記サイトから確認できるグラフはどうやらデータのアップデートまでのタイムラグがかなり長いらしく、2020年の第9週に、インフルエンザの感染率が増えていないのに肺炎による死亡者数が増えているデータが示されているものの、第10週以降のデータは掲載されていない。だから、まだ東京都で新型コロナウイルスによる肺炎死がインフルエンザによる肺炎死とカウントされている例が多いと断定することはできない。

 しかし、東京都におけるPCR検査が、1日の検査実施人数を500人近くにまで増やしてもなお陽性率が20%を超えていることは、新型コロナの肺炎死がインフルのせいにされている事例があるのではないかと疑わせるには十分なものだ。なぜなら、高い陽性率に示される通り、明らかに検査数が足りていない上、東京都での検査における陽性率の急上昇が始まってから既に10日以上経過しているのだから、検査を受けないままインフルエンザによる肺炎死と診断された人がいないと考えるほうが不自然だからだ。

 最近目立ちたがり屋の本性を発揮しまくっている小池百合子だが、なぜか検査の拡充のアピールは全然していないように思われ、それもあって私は小池を全く評価していない。小池は今後、心を入れ替える必要がある。