kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京都での新型コロナウイルス感染症の累積陽性者数が10万人を超えた

 少し前に、政府が3月から不特定多数を対象としたPCR検査を始めるというニュースが流れた。下記に東京新聞記事(共同通信配信)を示す。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

 以下引用する。

 

政府、不特定多数に無料PCR検査 東京や大阪で3月にも 感染状況を把握

2021年1月25日 17時32分

 

 政府が不特定多数の人々を対象にした新型コロナウイルスのPCR検査を早ければ3月から開始することが25日、分かった。感染者数が多い東京や大阪など都市部で毎日、数百~数千人に無料の検査を実施し、市中感染の状況把握を目指す。感染拡大の端緒を明らかにし、効果的な感染症対策につなげる目的。

 

 風邪のような症状がある人や濃厚接触者といった感染の可能性が高い人を主に対象としている自治体の検査とは違い、街中にどれほど感染している人がいるかを調べることで、実態が分かるとしている。

 政府が検査費用を負担し、民間の検査会社に検査の実施を委託する。本人負担を無料とすることで、幅広い層に検査を受けてもらう。水際対策が重要になる空港のほか、都市部の繁華街や企業、大学など多くの人が集まる機会がある場所を想定している。

 現地で鼻の粘液や唾液を集めるのに加え、郵送でも検体を受け付ける方針。検査結果は本人に通知するが、統計データは個人が特定されない形で利用する。

 ツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)の情報も収集。人々が関心を持っている言葉を分析することで、行動パターンや意識の変化も追う。(共同)

 

東京新聞より)

 

出典:https://www.tokyo-np.co.jp/article/81969

 

 感染が拡大すると、行政が感染の実態を把握しようとするのは当然だ。

 思い出したのは、昨年春に行われた抗体検査だ。4月下旬から行われた。ちょうど今と同じ緊急事態宣言下で、新規陽性者が急速に減り始めていた時期だ。下記に「Science Portal」の2020年5月15日付記事へのリンクを示す。

 

scienceportal.jst.go.jp

 

 見出しに「東京都の陽性率は0.6%」とあるが、500人中3人が陽性だったから誤差が大きい。その後6月初めに東京・大阪・宮城の3都府県で行われた計7,950人を対象とした抗体検査では、東京0.10%、大阪0.17%、宮城0.03%の陽性率だった。但し、たとえば東京都では1971人を調べて陽性者2人だから、誤差はやはり大きい。下記に日経メディカルの2020年6月17日付記事へのリンクを示す。

 

medical.nikkeibp.co.jp

 

 東京都のサイト*1を参照すると、昨年4月30日の時点での東京都の累積陽性者数は4,274人、5月31日には5,231人だった。東京都の人口はおよそ1400万人だから、昨年4月末で陽性率は0.03%、5月末で0.037%だった。それに対して6月1〜7日に行われた抗体検査では陽性率が0.10%だったから、昨年5月末の時点で既に、東京都のPCR検査による捕捉率は3分の1程度あった計算になる。現在でも致死率が2%を超える大阪府と比較すと、東京都の捕捉率はかなり高いと推測される。

 昨日(2/1),東京都の累積陽性者数が10万人を超えた。昨年5月末と比較しておよそ20倍になった計算だ。東京都での致死率0.9%という数字から、東京都による現在のPCR検査の感染者捕捉率はおよそ5割程度と推測されるから*2、実際には20万人程度の累積陽性者がいて、真の陽性率はおよそ1.4%といったところではないだろうか。つまり70人に1人程度は感染しているか、したことがあるという計算だ。

 しかし、大部分を占める残りの人々は感染していないわけだから、何もしなかったり、昨年菅義偉がめちゃくちゃに固執した「GoToキャンペーン」などという感染拡大を助長することが強く疑われる政策なんかを再開した日には、またぞろ年末年始に経験した、背筋が凍るようなすさまじい感染急増に再び見舞われる恐れがある。

 ネットを見ていたら、「なんで感染が急激に減ったんだろ」などと言っている意見を見かけたが、その理由は決まっている。昨年12月半ばまで、「GoToキャンペーン」をやって人の移動を促進していた菅政権が、一転してGoToを一時停止し、緊急事態宣言を発して、政策を180度転換させたからだ。菅内閣支持率の下げ止まりという(私にとっての)副作用まで招いてしまったが、それは仕方がない。

 しかし、菅義偉はこの決断をいやいやながらにやった。本心では緊急事態宣言を終わらせたら1日も早くGoToキャンペーンを再開させたいと思っているのではないか。

 やはりこんな政権は1日も早く終わらせるしかない。

*1:https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

*2:新型コロナウイルス感染症による真の致死率は0.3〜0.6%程度と推測されている。その中間値である0.45%に対して、東京都の致死率0.9%はちょうど2倍だ。