kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本国内のCOVID-19致死率はピーク時の3.7%から2.5%に低下したが、「検査しないがゆえの院内感染多発」が深刻化か

 日本国内における新型コロナウイルスの感染に関するデータで、このところ目を引くことの一つは、確認された陽性患者数に対する死亡者数の割合(致死率)が、目に見えて下がっていることだ。特に東京都では、PCR検査実施人数に対する陽性患者数の割合(陽性率)は3月23日以降、ずっと2割以上の高率が続いているが、その間の致死率は決して高くない。日本全国の累計でも、ひところは致死率が3.7%にまで上がったが、ある時期から急に低下に転じ、現在では2.5%程度*1にまで下がっている。これは韓国の1.7%より少し悪いだけだ。なお、致死率の計算は下記サイトに示されているデータをもとに行っている。

https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

 

 致死率が特に高いのはイタリアの12.3%だが、イギリスも10.2%を記録してスペインの9.5%を抜いた。検査を徹底的に行うことで評判だったドイツも、当初の0.2%程度から1.5%に増えている。だから、下記ツイートなどは「浦島太郎」みたいなものなのだ。

 

 

 ドイツの致死率が0.2%だなんて、いったいいつの話してるんだよ、ってことだ。

 なお、日本で発表された致死率がもっとも高かったのは、東京五輪の延期が決まる直前だ。これが偶然かどうかはわからないが、何らかの「忖度」が影響していたのではないかと疑いたくなる。

 ただ、少なくとも東京都に関しては、広く流布している「検査数を増やしたから発表される感染者数が増えた」とする陰謀論は誤りだ。東京都のサイトに公開されたデータから読み取れるのは、感染者の急増の方が原因で、検査数の増加はその結果に過ぎないということだ。

 

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 

 それより問題なのは、前記で批判した「ドイツの死亡率は0.2%」だと呟いたツイートが反応した元の、下記ツイートで指摘されていることだ。

 

 

 東京都や大阪府などは別として、全国的に見れば決して「感染爆発」の危機にあるようには見えない今の日本で、特に目立つのが院内感染なのだ。たとえば東京都台東区の永寿総合病院では、医療従事者多数を含む感染者140人が確認され、うち12人が死亡したと報じられている(現在放送中のTBS「サンデーモーニング」で言っていた数字)。

 また毎日新聞は、医療従事者153人のCOVID-19感染が確認されたと報じている。

 

 

 上記ツイートでは「151人」となっているが、リンクされている毎日新聞記事の方はその後更新されて「153人」になったようだ。

 

 ネトウヨや、東京五輪開催に執着していた安倍晋三に忖度したようにしか見えない一部の「専門家」たちの言い分とは逆に、前記高橋健太郎氏のツイートの指摘の通り、今の日本は「検査しないがゆえの院内感染の多発」の問題が深刻化しているのではないかと思う今日この頃だ。

*1:厚労省発表の値とNHK・朝日・読売など各報道機関の集計値とでは微妙に値が違うが、致死率の違いは0.1ポイント程度。いずれもクルーズ船を除いた値だが、クルーズ船での致死率は1.5%だから、クルーズ船を入れると致死率はさらに下がる。