kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本の新型コロナウイルス感染状況は東アジアで最悪。人口当たり死亡者数でついに韓国を上回る。致死率は4.11%

 たとえば一昨日(10日)のNHKスペシャルで、WHOの進藤奈邦子医師が下記ツイートにまとめられているような発言をしていた。

 

 

  だが本当かなあと思う。死者数は確かに欧米よりは少ない。しかし、東アジアの中では中国に次いで多い。しかも、人口当たりの死亡者数でも、NHKが昨夜(5/11)24人の死亡を報じたことによって、ついに実質的に韓国より多くなった*1。もちろん中国よりも多いから、東アジアでは最悪の数字だといえる。しかも致死率も4.11%となり、これも東アジアでは中国の5.52%に次いで悪い。韓国は2.35%だし、台湾やオセアニアニュージーランドやオーストラリアはいずれも1%台だ。致死率は医療レベルと検査の捕捉率の関数だろうが、日本の医療レベルが他国に劣るとは全く思われないから、検査数が他国に比べて少ないことによって見かけ上感染者数が少なく計上されており、そのために致死率が見かけ上高くなっていることは絶対に間違いない。なお、以上の数字は昨夜のNHKニュース及びジョンズ・ホプキンス大のサイトによる。下記にリンクを示す。

 

www3.nhk.or.jp

 

coronavirus.jhu.edu

 

 韓国で、新たに確認された陽性者がほとんど出なくなったというので外出規制を緩和したら、いきなりナイトクラブで100人近い集団感染が発生したと報じられている。

 このことは、韓国でも少なくない「隠れ陽性患者」がいることを示唆している。ここで仮に新型コロナウイルス感染症による「真の致死率」が0.5%であると仮定すると、韓国には現在発表されている数字の3.7倍、約4万人の「隠れ陽性者」がいると推定される。同じ仮定を日本に当てはめれば、日本には現在発表されている数字の7.2倍、およそ11万5千人の「隠れ陽性者」がいると推定される。しかも日本では今も死亡者が出続けていて最終的には致死率がさらに上がるだろうから、上記の見積もりではまだ過少だと思われる。

 こう見てみると、WHOの日本人医師が胸を張れるほどの成績だとはとうてい思えない。以上の現状について、進藤医師はいかなる見解をお持ちなのだろうか。

 欧州との比較に関していえば、最近、昨年末にはすでに陽性者がいたらしいことがわかってきたし、それに欧米型のウイルスは武漢由来のウイルスに比べて毒性が強いようだから、各国の政府が対応策を講じ始めた頃には既に手遅れであって、だからドイツのように病院のベッド数が多く、かつ多数の検査を行った国でも、7600人以上の死亡者と4.42%の致死率を記録している。ドイツで安倍政権のような対応をとっていたら、それこそ感染が大爆発して国が存亡の危機に瀕したのではないかと思われる。日本を含む東アジアと欧州では初期条件が違ったのだ。

 また日本の報道でいつも引っ掛かるのは、「第二波、第三波に備えて」という言い方であって、北海道には第二波がやってきた、そして第一波が武漢由来で、第二波は欧米由来なのだ、などという。

 しかし、その分類に従うなら、3月中旬以降に東京などで感染が拡大したウイルスは欧米型だとされているのだから、東京都や大阪府は既に第二波の襲来を受けているのではないか。そしてそれを招いたのは、韓国からの流入はいち早く遮断しながら、欧米、ことにアメリカからの流入をなかなか遮断しなかった安倍政権のアクションの遅れであって、安倍晋三の責任は極めて重い。

 この件に限らず、どうも安倍晋三新型コロナウイルス対策に不熱心で、いつも対応が後手に回る。そのくせ不要不急どころか有害でさえある検察庁法「改正」案だけは馬鹿に猛スピードで通してしまおうとする。

 そんなところに投げ込まれたのが「1人デモ」のツイートだった。それは瞬く間に拡大して、500万件以上に広がった。

 これを政権や政権擁護者は馬鹿にしない方が良い。私がよく思い出すのは1989年のルーマニアであって、他の東欧諸国の共産党政権がバタバタ倒れていく中にあって、ルーマニアだけはますますチャウシェスク大統領への個人崇拝が強まっていくと報じられたものだ。しかしそれから2か月もたたないうちにチャウシェスク夫妻は銃殺された。まあ日本では銃殺まで行くはずもないが。

 今回声を挙げた人たちのうち、きゃりーぱみゅぱみゅ氏が投稿を削除したが、氏のツイートにあった「ファン同士の喧嘩が悲しい」云々を文字通りに受け止めるのはあまりにナイーブに過ぎるというものだ。もちろん政権が直接圧力をかけたとまでは思わないが、芸能プロダクションが多くの場合政権べったりであることくらいは頭に入れておいた方が良い。

 官邸が直接圧力をかけたのは大阪維新の会(国政政党では日本維新の会)だろう。ことに最近マスメディアで不当に持ち上げられている吉村洋文などは官邸にとって真っ先に押さえておかなければならない人間だから、どうせ吉村は早々と安倍晋三に迎合したコメントを発するんだろうなと予想していたら案の定だった。一方、維新の国会議員の中には検察庁法改正反対をツイートした人たちがいて、その中には音喜多駿も含まれるが、今日以降彼らはどう動くのだろうか。

 いずれにせよ、ちょっとしたきっかけで安倍政権が吹っ飛びかけない可燃性の雰囲気が充満してきたことは間違いない。それくらい国民生活が政権によって圧迫されている。ただ、自民党内及び野党がここ数年根こそぎにされてしまっているために、なかなか着火しないのが現状だ。

*1:実質的に、というのは、厚労省発表の数字ではまだ逆転していないからだ。厚労省の発表はいつも多少遅れる上に、昨日の国会でも取り上げられたが、突然東京都の死者数を上乗せするなどの不自然な発表の仕方をする。