kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「新型コロナ第2波、70歳以上の致死率25.9%」(TBS, 8/24)

 新型コロナウイルス感染症に関して、一昨日(8/24)にTBSのnews23で下記の報道を知った。

 

news.tbs.co.jp

 

 以下引用する。

 

新型コロナ第2波、70歳以上の致死率25.9%

 

 

 現在の新型コロナウイルスの流行の第2波について、高齢者の致死率が第1波の時とほぼ変わらないことがわかりました。

 

 24日に開かれた新型コロナウイルス対策の助言をする厚生労働省の専門家組織の会合で、流行の第1波と第2波の感染者の致死率などについて国立感染症研究所の分析結果が報告されました。

 

 報告によりますと第2波は第1波に比べて感染者数が多いものの、全体の致死率は4.7%と低かったということです。第2波では若者の患者の割合が高いことなどが影響している可能性があるということです。

 

 一方で、年代別で見ると70歳以上で25.9%、50代から60代で3.1%となっていて第1波とほぼ変わらない結果になりました。

 

 また、重症化するリスクの要因を分析したところ、人工呼吸器を装着したり死亡したりするリスクは男性は女性に比べ2.5倍、基礎疾患は高尿酸血症が3.2倍、慢性肺疾患が2.7倍、糖尿病で2.5倍だったということです。

 

(TBSニュース 2020年8月24日 23時10分)

 

出典:https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4061226.htm

 

 厚労省新型コロナウイルス感染症対策分科会の資料は下記リンクから確認できる。

 

 TBSの報道の根拠となったデータは、上記資料の13頁に示されている。ここで、資料に下記の注釈がついている。

 

致命率は発症から死亡までの期間を調整して算出したものであり、累積死亡者数を累積感染者数で除した値とは異なることに注意。値は各期間の観察終了直前7日間の平均値。

 

 また、第1波とは1月16日から5月31日までに感染が確認されたケース、第2波とは6月1日から8月19日までに感染が確認されたケースをそれぞれ指している。第1波には中国・武漢由来と欧州由来が混ざっているが、武漢由来が収束し切らないうちに欧州由来の感染が拡大したのに対し、5月末にはいったん終息に近いところまで行っていたので、遺伝子由来よりも統計の便宜上、このような第1波、第2波の分け方をしたのではないかと思われる。

 第1波の致命率(一般に言われ、TBSでも言っていた「致死率」)は6%とのことで、これは5月末日時点での「累積死亡者数を累積感染者数で除した値」である5.3%より値が大きいが、おそらく第1波の感染者が6月1日以降に死亡した分も第1波の致命率に含まれているのだろう。

 それよりも私が驚いたのは、第2波の4.7%という致命率の高さだ。

 私は素人考えから単純に、6月以降は検査数が増えているから陽性者の捕捉率が増え、増えた分の陽性者は大部分が軽症者か無症状者であって死なないから、第1波の致死率5.3%が第2波では1.8%くらいに下がるのではないかと思っていた。それを根拠に、6,7月に確認された陽性者のうち、8,9月の2か月間に300人くらいが亡くなるだろうとこの日記に何度も書いてきた。

 しかし、8月に入ってからの死亡者数は、8月があと6日を残した昨日(8/25)の時点で既に200人を超えている。どうやら第2波の致死率1.8%というのは過小な見積もりだったのではないかとは思い始めていたのだが、それが感染研のデータではっきり示されたのだ。感染研は第2波の致命率を4.7%と算出した。

 この数字には、転帰がはっきりしない患者は含まれない。資料に

致命率は発症から死亡までの期間を調整して算出したものであり、累積死亡者数を累積感染者数で除した値とは異なることに注意。

とある通りだ。転帰がはっきりした患者について致命率を計算した結果が4.7%だったということだろう。つまり、転帰がどうなるかわからない患者は、もちろん全員生きているのだが、計算には反映されていない。だから、ニュースで報じられる陽性者数累計と死亡者数累計から計算される「致死率」よりも、感染研が発表した致命率の方がずっと高くなっているのだ。

 緊急事態宣言が発令されていた第1波の頃も同じだった。当初、ネトウヨらが「日本はドイツよりも韓国よりも致死率が低い」と威張っていたが、5月末には日本での致死率は5.3%となり、韓国の2.4%よりずっと悪い成績になってしまったのだ。だが、この国の大部分の人間はそんなことも忘れてしまって、あるいは最初から知らず、第2波に襲われてもまた「日本では致死率が低い」とか「ウイルスが弱毒化した」とか、根拠のないデタラメを信じている。それもマスメディアも一緒になってそんな俗説を垂れ流しているのだ。これには開いた口が塞がらなかった。これぞ「反知性」の極み!

 感染研の資料には、6/1から8/19までに確認された感染者数が41,472人であると書かれている。単純にこの数字に0.047を掛けると1949人という数字になる。COVID-19にによる死亡者数は1200人強だが、うち900人は第1波の死亡者なので、第2波の死亡者は300人強になる。ということは、差し引き1600人以上が今後第2波の新型コロナウイルス感染症によって亡くなることになる。しかも、どうやらピークは過ぎたようではあるが、8/20以降も陽性者は出続けている。

 資料の12頁に表示されたグラフからも明らかなように、死亡者数のピークは感染者数(陽性者数)のピークよりずっと遅れるので、第2波による死亡者はしばらく出続けることになろう。

 新型コロナウイルス感染症は、間違っても「ただの風邪」などではない。恐ろしい伝染病だ。一部で勘繰られているような、この期に及んで最高指導者の病状が悪化したと言って同情を誘って内閣支持率を上げようとする動きがあるのかどうか私は知らないが、病状が悪化して臨時国会を開くのに支障が生じるような総理大臣をいただく政権にまともな新型コロナウイルス感染症対策など打てようはずがない。

 安倍晋三内閣は可及的速やかに総辞職すべきだ。