某元有名ブログを見ていたら「第一波のときと異なり、ウィルスは弱毒化して致死率が減少し」*1などという馬鹿なことが書いてあった。夏頃に流布した新型コロナウイルスの弱毒化現象をまだ信じている人間がいるのかと愕然とした。
ウイルスの弱毒化は確かに有力な学説だが、今回の日本国内における新型コロナウイルス感染症にこの説が当てはまるというエビデンスは現在まで何一つ示されていない。第1波で5.3〜5.4%あった致死率が現在1%台に下がっているのは、単にPCR検査数が増えて、無症状者を含めた陽性者の捕捉率が上がっているからに過ぎない。そもそも第1波の頃から、専門家たちは真の致死率は0.5%程度として計算を行っていた。つまり第1波の頃にはPCR検査による陽性者の捕捉率は高くとも10%くらいだったのだ。それが現在では1%台に下がっているのは、捕捉率がそれだけ上がっているということだ。しかし、現在でも真の致死率とされる0.5%の倍以上の致死率だから、捕捉率はまだ50%に達していない。
感染状況は、陽性者数よりも死亡者数で判断するべきだ。下記ツイートに、陽性者数と死亡者数のグラフが載っている。
本日の全国における感染者報告数は3832人でした。また、全国で64人の死亡が公表されました。新規感染者数および死亡者数の両方が過去最多を更新です。ここ最近の急激な悪化は普通ではないです。やっぱり変異株は既に市中感染をしているのではないでしょうか? pic.twitter.com/4PiQQddwb7
— Noguchi Akio (@Derive_ip) 2020年12月25日
一目瞭然、死亡者数で見ると第2波のピークは第1波より低かったが、第3波は第1波よりずっと高い。第3波は第1波と比較して少なくとも3倍以上の規模があり、ウイルスの弱毒化は認められない。しかも陽性者数も今なお増え続けており、死亡者数は陽性者数より遅れて増加するから、年明けには1日の死亡者数が100人を超える日が出てくるかもしれない。
今日は土曜日なので、先週の土曜日から昨日の金曜日までに発表された新型コロナウイルス感染症の陽性者数と死亡者数を、NHKの報道をもとに集計する。その過程で感染発表が取り消されたりした影響は無視している。下記はNHKのサイトへのリンク。
上記サイトから、昨日(12/25)の23時59分時点での新型コロナウイルス感染症の陽性者数と死亡者数を転記すると、陽性者数が214,553人、死亡者数が3,186人となっている(クルーズ船・ダイヤモンドプリンセス号を除く)。その前の1週間(12/12-18)は陽性者数累計が193,757人、死亡者数が2,840人だったから、今週は陽性者数20,796人、死亡者数346人だったことになる。先週は陽性者数が18,550人、死亡者数は286人だったから、陽性者数は1,754人(11.2%)、死亡者数は38人(21%)、それぞれ増加した。陽性者数の増加率は前週の10.4%より上がり、死亡者の増加率も先週(15%)より上がった。
週間の死亡者数を陽性者数で割った値は1.66%であり、先週の1.54%より上がった。現在は引き続き「第3波」の真っ只中であり、しかも感染の深刻度が増した。8月1日以降の累計では陽性者数は178,368人、死亡者数は2,173人となった。「致死率」は1.22%。
今週は特に首都圏1都3県での感染急増が目立った。苦々しく思い出されるのは、東京都を「GoTo」の対象から除外するのが遅れたことだ。その過程で「ネオリベの菅」と「東京五輪亡者の小池」が見苦しい責任の押しつけ合いをしていた。菅については散々悪口を書いてきたから小池百合子について書くと、この人の頭の中には来年行われる「予定」の東京五輪で自分が目立つことしかない。だから、東京五輪の開催への障害になりかねない東京都の「GoTo」対象からの除外を求めたり、ましてや昨年3月に自らが口にした「ロックダウン」を再び言い出したりなどは絶対にしないのだ。しかし、この現実を直視できない「隠れ小池シンパ」である前述の元有名ブログの主宰者は昨年春と比較しての小池の態度の「豹変」に首をひねるばかりだし、かつて小池と民進党との連携に「ワクワク」したことがある某都会保守のブログ主氏に至っては、菅義偉や安倍晋三には厳しいのに小池(や吉村洋文ら)の責任には全然触れずにスルーして恥じるところがない。