kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「コロナ致死率低下、検査増の効果か」(朝日新聞デジタル)

 今日で9月が終わりなので、4月から翌年3月までの「年度」でいえば上半期が終わることになるが、この半年はコロナ、コロナでさんざんだった。個人的にも思い出したくもないことも実に多く起きた。

 その新型コロナウイルス感染症だが、昨日(9/29)に東京都で新たに確認された陽性者数は212人で、やはり感染者数の減少が底を打ったのかと思わせる。ただ、いわゆる「第2波」では致死率がずいぶん下がった。これは一部で言われる「弱毒化」のためではなく、検査数の増加に伴うものだというのが私の持論だ。

 それは何も日本ばかりではなく、世界中で見られる現象のようだ。下記は朝日新聞デジタルの記事。

 

www.asahi.com

 

 上記記事は有料だが、無料部分を以下に引用する。

 

コロナ致死率低下、検査増の効果か 日本では治療法改善

合田禄、辻外記子 三上元、阿部彰芳

 

 昨年末に原因不明の肺炎として報告された新型コロナウイルスで、世界の死者が100万人を超えた。ただこの間、感染者に占める死者の割合は大きく変化した。

 

 感染した人のうち、どのくらいの人が死に至っているのか。これまでの世界の死者を感染が確認された人数で割った致死率(27日時点)は約3%。5月末までは6・1%だったが、6月以降だけでみると2・3%まで下がってきている。

 

 ウイルスが弱毒化していれば致死率も下がるが、多くの専門家はそう見ていない。検査数の増加が大きな理由とみられている。

 

 新型コロナが中国で検出され、その後、世界に広がっていった当初は多くの国で検査体制が十分に整っておらず、症状がある人たちを中心に検査していた。実際のウイルスの広がりのうち、検査で確定できたのは氷山の一角だとみられ、分母となる感染者数が実際よりも小さくなって、致死率が高くなる傾向にあった。

 

 その後検査の拡大に伴って無症状の人を検査することも増え、検査で確定できるのが氷山の一角であることに変わりはないが、分母が大きくなり、致死率が下がっていると考えられる。

 

 米ジョンズ・ホプキンス大のデータから、世界の各地域の致死率を計算すると、欧州では5月末までは8・7%だったのが6月以降は1・7%になっている。大半の地域が同じ傾向だ。

 

 致死率に影響を及ぼすのは感染の広がった地域の事情もある。3~4月には高齢者が多い先進国のイタリアやスペインで感染が拡大し、院内感染も多発した。5月以降に感染が急拡大したブラジルやインドでは人口に占める若者の割合が多く、重症化しにくい年齢層が中心だったという状況もある。特にインドは簡易な抗原検査を大量に実施していることも大きいとみられる。

 

 国立国際医療研究センター(東京都新宿区)の忽那(くつな)賢志・国際感染症対策室医長は「世界の致死率は下がる傾向にある。検査の実施数が増え、早めに診断されるようになった。感染者全体に占める軽症者の割合が増え、重症化のリスクが高い人が相対的に減ったことが大きい。治療薬やケアの質の改善なども影響しているのだろう」と話す。(合田禄、辻外記子)


日本の死者数 世界で45番目


 日本でも致死率は下がっている…

 

朝日新聞デジタル 2020年9月29日 21時04分)

 

出典:https://www.asahi.com/articles/ASN9Y6T28N9YULBJ04B.html

 

 弱毒化の根拠はない、とは九州大の柳雄介教授も言っている。下記は西日本新聞の記事へのリンク。

 

news.yahoo.co.jp

 

 以下、関連箇所を引用する。

 

▼弱毒化してない

 

 国立感染症研究所によると感染者の致死率は、5月と8月のそれぞれ1カ月間を比べると、7・2%から0・9%に下がった。無症状者や軽症者の割合が増えたのは「ウイルスが弱毒化したからでは」と楽観視する声もある。これに対し、柳教授は「重症化しにくい若者の感染が増え、検査や医療体制が充実して治療法の開発も進んだためだ。弱毒化を裏付けるデータは今のところない」と言い切る。

 

 新型コロナウイルスのゲノム(全遺伝情報)は約3万塩基からなるリボ核酸RNA)でできており、2週間に1塩基のペースで突然変異する。同研究所のゲノム解析では、国内で流行したのは1~2月が「武漢型」、3~5月が「欧州型」。6月以降も変異を続けているが、弱毒化も強毒化もしていないという。

 

 シンガポールで重症化しにくい型が一時的にはやったが、3月以降は見られなくなった。「ウイルスにとって大事なのは、子孫をたくさん残せるかどうかで、強毒か弱毒かは関係ない。現に今、世界で流行しているのは、人の間で広がりやすいタイプだ」と話す。

 

▼終息のシナリオ

 

 この冬はインフルエンザと新型コロナの同時流行が心配だ。19日にプロスポーツなどの観客数制限が大幅緩和され、10月からは政府の観光支援事業「Go To トラベル」に東京都が追加されるなど、懸念材料もある。

 

 「インフルもコロナも主に飛沫感染。マスクなどの対策を続ければ、インフルは例年より減る可能性がある。ただ、警戒を緩めるとすぐに感染が広がる。インフルが例年並みに流行するなら、新型コロナ感染者も大変な数になりかねない」

 

 世界でワクチン開発が進むが、英製薬大手アストラゼネカの治験が副作用の疑いで一時中断されるなど、曲折も予想される。「かかっても大多数が軽症や無症状で済む新型コロナは、ワクチンで副作用が出るようなことはあってはならず、拙速は避けるべきだ」と慎重な対応を求める。

 

 終息のシナリオとして(1)発症を完全に防ぐワクチンが完成し、根絶(2)ウイルスが弱毒化し、死者がほとんど出なくなる(3)マスク着用といった人の行動変容と、重症化をある程度防ぐワクチンや治療法の開発で、時々流行しても大きな問題ではなくなる(4)現状が何年も続いて、人口の多くが抗体を持つことで感染が広がりにくくなる「集団免疫」を獲得-の4パターンが考えられるという。

 

 (1)と(2)が理想だが、難しい。(4)は国民の6割以上が感染する必要があり、多数の高齢者らが犠牲となる恐れがある。さらに、国内外で再感染が報告され「抗体が長続きしない」との指摘もあり、現実的でないとみる。柳教授は「気を抜かずに3密回避やマスク着用、手洗いを続けることが何より大切」と強調している。

 

 (編集委員・下崎千加)

 

西日本新聞 2020年9月29日 10:57配信)

 

出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/6a1a4fc6cee4e7b03c15389cb213917bd6f4c7cf?page=2

 

 一言いちゃもんをつけておけば、上記引用文の初めの方にある「国立感染症研究所によると」との但し書き月の5月と8月の致死率にはあまり意味がない。5月の7.2%は流行末期の、8月の0.9%は流行中期から後期にかけての見かけ上の数値に過ぎないからだ。致死率は第1波と第2波のそれぞれ全体について評価されなければ意味はないのだ。

 致死率についての感染研の見解は全く信用できないことをここ数か月思い知らされた苦い思い出が込み上げるので、日本の「専門家」のレベルはここまで落ちたのか、と改めて悪態をついておく。

 それはともかく、「3密回避とマスク着用」が今後も延々と続くのか、と思うと気が重くなるが、仕方ないのだろう。やれやれ。

 しかし問題なのは、いつも書く通り安倍晋三政権を引き継いだ菅義偉政権の政策であって、この政権は何も対策を取らないまま東京五輪に向けて新自由主義的に暴走しようとしているようにしか見えない。ここままではきちんと対策を取れば失わずに済む命が多数奪われかねない。この日記では今後も菅政権を批判し続ける。