社民党がどうやら分裂するようだ。時事通信と朝日新聞の記事を下記に示す。
社民、分裂へ 立憲合流で離党容認
2020年10月22日18時03分
社民党が、同党残留組と立憲民主党に合流する勢力に分裂する見通しとなった。22日の常任幹事会で、立憲に合流するための離党を容認する議案を11月14日に東京都内で開く臨時党大会に諮ることを多数決で決めた。
合流を推進する吉田忠智幹事長は記者会見で、議案は残留、合流いずれの選択も理解し合うとの内容で、過半数の賛成で採択されると説明。「皆さんの賛成を頂いて歴史的な臨時党大会になるようにしたい」と述べた。
議案が可決された場合、4人の党所属国会議員で残留を選択するのは福島瑞穂党首だけとみられる。社民党は昨年7月の参院選で2%以上得票しており、公職選挙法や政党助成法が定める政党要件は引き続き満たす。福島氏は「社民党が残るのは良かった。これから頑張っていく」と記者団に語った。
(時事通信より)
社民党に分裂危機 国会議員4人中3人が離党の可能性
三輪さち子
2020年10月22日 20時31分
社民党が分裂の危機を迎えている。解党して立憲民主党と合流すべきだという意見と、社民党を残すべきだとの意見で対立。11月14日にある党大会で解党を諮る動きもあったが、10月22日の常任幹事会では見送りが決まった。今後、一部の議員が離党して立憲に合流する可能性が高い。
「やはり、党大会で社民党をなくすような提案はできない」。常任幹事会を終え、吉田忠智幹事長は苦渋の表情で記者団に語った。
立憲との合流を進めるため、吉田氏は党の解党をめざした。だが、党則では、党の解散、合併は党大会に出席する代議員の3分の2以上の賛成が必要になり、可決する見通しは低い。全国から「党名をなくすべきではない」との意見が相次いでいるからだ。
こうした状況を踏まえ、この日の会合では解党の議案を出すことを断念した。代わりに、党に残る人も、党を出て立憲と合流する人のいずれも「理解し合う」ことを党大会に諮ることとなった。離党して他党に入ることは、本来なら処分の対象にもなる重たい行為だが、円満解決をめざした形といえる。この議案に対し、合流反対派から「党を出て行く人にエールを送る表現はおかしい」との意見も出た。
福島党首は合流に消極的
社民党の国会議員は現在4人。…(以下は有料記事のため省略)
(朝日新聞デジタルより)
この件をめぐる社民党党首・福島瑞穂の言動は、少し前の国民民主党(新旧とも)代表の玉木雄一郎のそれと酷似している。以下、一昨日(10/21)の毎日新聞記事を示す。
社民・福島党首「党大会すべきでない」 幹事長「招集済み」 立憲合流巡り混迷深まる
毎日新聞 2020年10月21日 20時04分(最終更新 10月21日 22時00分)
社民党の福島瑞穂党首は21日の記者会見で、立憲民主党との合流の賛否を諮る11月14日の臨時党大会について、党内意見が割れていることを理由に「今の時点ですべきでない」と述べた。その後の常任幹事会で、予定通りの開催が再確認されたが、党首自らが党の既定方針に反対を表明し、合流を巡る混迷が深まっている。
合流慎重派の福島氏は会見で「党大会で激突するより知恵を出すべきでないか」と指摘した。だが、党本部は今月13日付で党大会の招集を党員らに伝えており、吉田忠智幹事長ら合流推進派は「すでに招集している」と反発。両派の対立は収まらず、常任幹事会では党分割案も話題に上った。【小山由宇】
出典:https://mainichi.jp/articles/20201021/k00/00m/010/244000c
この件に関する私の感想は、2件目に示した朝日新聞記事についた下記「はてなブックマーク」のブコメと同じだ。
社民党に分裂危機 国会議員4人中3人が離党の可能性:朝日新聞デジタル
- [政治]
危機というか来るべきものが来ただけ
2020/10/23 07:43
下記平河エリ氏のツイートも説得力がある。
大分、沖縄が合流賛成の時点で、衆院選を社民単独で戦う選択肢は消滅していました。
— 平河エリ | Eri Hirakawa (@yomu_kokkai) 2020年10月22日
ということで、強硬な合流反対派がいる以上、避けられない結論だったのかもしれません。https://t.co/FPEAGnRhjQ
また、特定方面から「例の反応」があるだろうと容易に想像されたが、その通りらしいことが1件目の時事通信記事についた下記ブコメ(当日記のNGワードが含まれているが)によって知った。
社民、分裂へ 立憲合流で離党容認:時事ドットコム
ブコメ、れいわと合併は無いわ…
2020/10/22 19:45
括弧つきの「反緊縮」の面々には、福島瑞穂が2017年末に発した下記ツイートをお見舞いしておこう。
第2期みずほ塾を始めます。3月1日から毎月1回8回やります。第1回目は神野直彦さんに「分かち合い経済」を語っていただきます。ぜひ塾生になってください。 pic.twitter.com/zMp02e6f7Z
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) 2017年12月27日
福島瑞穂には確か神野直彦との「共著」があったよなと思って、2人の名前でググったら上記のツイートが出てきた。福島瑞穂は「一応」社会主義インターの副議長であられるそうだが、実際には経済問題への関心はあまり高くなく、今はどうだか知らないが、少なくともかつては社民党の経済政策のブレーンだった神野直彦に教えてもらったりしながら経済を「勉強」してきた人だというのが私の認識だ。そのくせおそらく神野直彦の主張とは真っ向かっら対立する「消費税撤廃」を唱えておられるのだろうと思うが、それでも神野直彦の弟子という点でリフレ派やMMT派と相容れないとはいえるだろう。なお、私は間接税への偏重がある現在の日本の税制は好ましくないと考えているので消費税減税には賛成だが、現在の一部(池戸万作などの俗流?)MMT派などが言っているらしい「無税国家」的な「減税真理教」には全く与しない。
もっとも、ヤマシン界隈にかかればそんなことはどうでも良く、左の社民党、右の国民民主党から極右の自民党・安藤裕一派、果てはネオリベの日本維新の会に至るまで「反立憲民主党・反枝野」でまとまろうとかいう妄想を持っていそうだ。今や立民には小沢一郎もいるのだがw
話が逸れかかったが、いずれにせよ福島瑞穂が社会民主主義を理解しているとは私には到底思えない。2010年6月の民主党代表選で小沢一郎が「社民党にも理解される人を」と言いながら、菅直人の対立候補として新自由主義者の樽床伸二を担ぐというふざけた行為に走った時*1にも、福島瑞穂は何も言わなかった。
もっとも、立憲民主党に呑み込まれていくだけの人たちもなんだかなあ、とも私は思う。多勢に無勢の中、立民の党内で社民主義を大きくしていければ良いのだが、現状では期待薄のように思われる。
*1:当然ながら、私はこの時小沢に激怒した。