下記は衆院選翌日(11/1)の一連のツイート。
立憲共産が惨敗したのに対して、戦略や戦術に関して色々と意見が出るでしょうが、社会全体をマクロで見れば、日本が衰退する中で、「助けて合って生き延びたい」のではなく、「(自分よりもより)弱い者を切り捨てて生き延びたい」という国民心理の強化傾向が順当に反映された結果だと思います。
— 勝部元気 Katsube Genki (@Katsube_Genki) 2021年11月1日
我々は泥船に乗っています。「先行き不安だけど転落するのが自分じゃなくて良かった…」という”安堵感”を抱く中間層は、船を泥船にした既存勢力に対する拒否感よりも、泥船から転落している弱い者を船に引き上げようとする人に、「やめてくれよ!」という拒絶反応が強く生じるのだと思います。
— 勝部元気 Katsube Genki (@Katsube_Genki) 2021年11月1日
「野党が負けたのは野党に全て原因がある」という自己責任論的な野党叩きリプが飛んで来るのですが、木村弥生さんや武井俊輔さんの小選挙区落選等、自民党内におけるリベラル苦戦&タカ派人気の傾向を見ると、やはり弱者切り捨てを好む弱肉強食傾向が社会全体として強まっているんだと思います。
— 勝部元気 Katsube Genki (@Katsube_Genki) 2021年11月1日
公約を見比べれば、明らかにリベラル野党のほうが中間層のメリットは大きいはずなのに、ウィークネスフォビア、生存者バイアス、政治的学習性無力感が強化された多数の日本人には、自分より弱い者をより助ける政策や、自分も弱者なんだという現実を思い知らさせるメッセージに反発を覚えるのだろう。
— 勝部元気 Katsube Genki (@Katsube_Genki) 2021年11月2日
これは「椅子取りゲーム」と化した社会では必ず見られる人間心理であって、野党はこの大きな流れに抗することができなければ負ける。そして今回の選挙では野党はこれに抗することができなかった。
2012年に安倍晋三が総理大臣に返り咲いたのも、この一連のツイートが指摘する流れにうまく乗っかったからだ。その結果、日本社会はますます縮んで行き、国際的な影響力は失われる一方になっている。
今年、衆院選に先立っていくつか行われた首長選や国政選挙の補正・再選挙等では自民党が負けたではないかと仰る方も少なからずおられるだろうが、それらは特殊な事例を受けて行われたもので、なおかつ投票率が衆院選より低かったことが影響しているというのが私の仮説だ。
つまり、俗説とは異なり、今回の衆院選の投票率が相変わらず低かったものの前回より2ポイント程度上がったことは、むしろ自民党の勝利を後押ししたのではないかと私は思っている。
それらの「地方選挙や補選には投票しないけれども衆院選や参院選なら投票する」というライトな人々は、むしろ縮小する社会に強く働く「椅子取りゲームの当事者たち」の自然な心理として自民党に投票したのではないかと考えているのである。