kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「死はその人の生前の行いを清算するものではない」(醍醐聰氏)、「民主主義が機能していないから起きた狙撃事件」(萩原一彦氏)

 故安倍晋三が共感を隠せなかったロシアの独裁者・プーチンには、複数の政敵暗殺にかかわったのではないかとの疑惑がある。その手段は主に20世紀のミステリ作家アガサ・クリスティが好みそうな「毒殺」だった。少し前に読み終えた下記の本には、そういえばプーチンが政敵の独裁に関わった疑惑の話はあまり書かれていなかったように思う。本の後半ではプーチンの独裁政治に対する批判的な論調が強かったけれども。

 

publications.asahi.com

 

 ロシアは言論の自由が保障された国では全くない。醍醐氏の一連のツイートに私は注目した。

 

 

 

 

 

 

 

 ことに上記2件目のツイートに「露中の場合、政権批判は長期の身体拘束、さらには生命の危険さえ覚悟しなければならない」と指摘している点が重要だ。また3件目のツイートで言及されている国境なき記者団が公表した報道の自由度ランキングで、日本はかつては10位だったが、自民党安倍晋三)が政権に返り咲いてから順位を急落させた。

 

 醍醐氏は、安倍晋三暗殺を承けてもツイートを発信した。

 

 

 まったくだ。何が「卓越したリーダーだった」だ。ふざけるな。既に始まっている急激な日本の没落には、2010年代の安倍政権の政治が大きく寄与した。それが歴史的な審判を受けるのはこれからだ。

 醍醐氏は、下記志位和夫のツイートをリツイートした上で、これを批判している。

 

 

 

 今回、たまたま安倍晋三自身がテロの犠牲になったが、安倍が行った民主主義の毀損は今後もこの国に住む人々の脅威であり続ける。それどころか参院選のさなか、それも投票日の直前に暗殺事件が起きたことによって、その脅威は増大しかねない。

 「死はその人の生前の行いを清算するものではない」とは至言だ。

 

 今回の安倍晋三暗殺に関しては、下記萩原一彦氏のツイートにも強く共感した。

 

 

 

 

 総理大臣経験者の暗殺は1936年の2.26事件での高橋是清以来だった。下記毎日新聞記事に指摘の通り、戦後にはなかった。

 

mainichi.jp

 

安倍元首相銃撃 過去の政治家襲撃事件を振り返る

毎日新聞 2022/7/8 13:01(最終更新 7/8 19:06

 

 近年、政治家が襲撃された事件としては、2002年10月に民主党石井紘基衆院議員(当時61歳)が東京都内の自宅前で右翼活動家に刃物で刺されて死亡した事件がある。07年4月には、選挙運動中だった伊藤一長長崎市長(当時61歳)がJR長崎駅近くの選挙事務所前で、暴力団幹部に拳銃で撃たれ、死亡した。

 

 首相経験者が襲撃されて死亡した事件は戦後に例がなく、戦前には伊藤博文元首相がハルビン駅で銃撃され、死亡した。このほか原敬首相が1921年に東京駅で刃物で刺されて死亡したほか、浜口雄幸首相は30年に東京駅で銃で撃たれた後、翌31年に死亡した。また、5・15事件(32年)や2・26事件(36年)でも犬養毅首相や首相経験者らが亡くなった。

 

 戦後に首相や閣僚経験者、政党幹部が狙われたケースとしては、安倍晋三氏の祖父にあたる岸信介首相が60年に首相官邸で右翼活動家に刺されて重傷を負った。同じ年には、浅沼稲次郎社会党委員長が17歳の少年に刺殺された。

 

 近年では、92年3月に金丸信自民党副総裁が栃木県内で講演後、拳銃で狙撃された。金丸氏にけがはなく、その場で右翼団体構成員が取り押さえられた。また、94年5月には首相を辞任した細川護熙氏が東京都内のホテルロビーにいたところ、右翼団体の構成員だった男性が天井に向けて拳銃を1発撃った。

 

 90年1月には本島等長崎市長が市役所前で右翼団体幹部に銃撃された。本島氏は左胸を撃たれたが、一命をとりとめた。【林田七恵】

 

出典:https://mainichi.jp/articles/20220708/k00/00m/010/131000c

 

 上記毎日新聞記事についたブコメでは、下記に注目した。

 

安倍元首相銃撃 過去の政治家襲撃事件を振り返る | 毎日新聞

直接本人襲わなくても加藤紘一実家放火とか最近だと辻元清美事務所荒らしとかも

2022/07/08 14:15

b.hatena.ne.jp

 

 故加藤紘一の実家が放火された事件は、第1次安倍晋三内閣が発足する前の月、第3次小泉純一郎政権末期の2006年8月15日に起きた。当時この事件に対するコメントを全く発さず、貝になっていたのが当時の首相・小泉純一郎であり、内閣官房長官安倍晋三だった。また、放火事件を笑いものにしたのが稲田朋美だった。

 その16年後に、86年ぶりの総理大臣経験者の暗殺事件が起きた。

 しかし、「晋三死すともテロは死せず」になる恐れは大いにある。1930年に浜口雄幸が襲撃され、翌年死亡したあとにテロ事件が横行した。1932年の5.15事件では犯人の助命嘆願運動が大々的に起きた。つまり世論がテロを後押しした。1936年の2.26事件では大規模な犯人グループだった青年将校たちに世論は冷淡だったが、テロの代償として国家主義的な統制が強まった。そのあげくに1937年の盧溝橋事件を契機として故坂野潤治のいう「崩壊の時代」に突入した。

 現在も、参院選で党首が独裁体制を敷く政党や、その極右版ともいうべきわけのわからない陰謀論に絡め取られた政党が比例区で複数議席を獲得するかもしれないと言われている。

 そんな時に安倍晋三の神格化なんかをやられてはたまったものではない。

 

 江戸西氏のツイートへのリンクも追加しておく。