高市早苗が発した下記ツイートについて。
普段は出席の声がかかる一昨日の政府与党連絡会議には、私も西村経済産業大臣も呼ばれませんでした。国家安全保障戦略には経済安全保障や宇宙など私の坦務分野も入るのに。その席で、総理から突然の増税発言。反論の場も無いのかと、驚きました。
— 高市早苗 (@takaichi_sanae) 2022年12月10日
高市が本格的な右派ポピュリズム路線の先陣を切りたがっていることは火を見るよりも明らかだ。上記ツイートには7万件以上もの「いいね」がついている。
このツイートが閣内不一致ギリギリで、倒閣モードと疑われても仕方がない。その上清和会の西村まで巻き込んでいる。
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2022年12月10日
果たして高市さんの単独行動か、それとも組織的犯行か? https://t.co/abh4As1PVu
下記はこたつぬこ(木下ちがや)氏の論評。
このツイートが閣内不一致ギリギリで、倒閣モードと疑われても仕方がない。その上清和会の西村まで巻き込んでいる。
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2022年12月10日
果たして高市さんの単独行動か、それとも組織的犯行か? https://t.co/abh4As1PVu
上記ツイートへの反応。
閣議決定に反対なら辞職か解任が必要だろう。しかしそれ以前の合意形成プロセスでは、内閣自体が多様な声をどこまで容認するかという問題で、外野から閣内不一致と攻撃しても実りがない。民主的連立政権を想定するなら、そこでは政策決定ごとに異論や不満が渦巻くのは避けられないとわきまえるべき。
— Barrage pacifico (@BarragePacifico) 2022年12月10日
福田赳夫は田中角栄内閣時代の1974年と三木武夫内閣時代の1976年に福田赳夫が閣僚を辞任したが、高市は閣僚辞任どころか8月に閣僚になったばかりで、就任時に下記木下氏のツイートに指摘されている恥ずかしいコメントを発した。
高市早苗氏、入閣は「今もつらい気持ちで一杯だ」…異例発言に「嫌なら断ればよかったのに」 :
— こたつぬこ🌾野党系政治クラスタ (@sangituyama) 2022年12月10日
「高市経済安全保障相は15日の記者会見で、自らの入閣について「小林(鷹之)前大臣を留任してほしかった」と述べた」
これが高市さんの造反ツイートの伏線でしょうな。 https://t.co/LAPNz1XM2B
高市早苗氏、入閣は「今もつらい気持ちで一杯だ」…異例発言に「嫌なら断ればよかったのに」
2022/08/15 23:58
高市経済安全保障相は15日の記者会見で、自らの入閣について「小林(鷹之)前大臣を留任してほしかった」と述べた。14日には自身のツイッターで、岸田首相には小林氏の留任を求めていたと説明し、「入閣の変更がなかったことに戸惑い、今もつらい気持ちで一杯だ」と投稿していた。
高市氏は15日の記者会見で、「お役をいただいた限りは全力で働く」とも語った。かつて安倍晋三・元首相から、岸田首相から人事の打診があれば、絶対に受けるよう助言されたことも明らかにした。
首相の人事判断に異を唱えたと受け止められかねない異例の発言に対し、自民党内からは、「自分の都合だけを考えた自分勝手な発信だ。嫌なら断ればよかっただけだ」(参院幹部)と批判が出ている。
(読売新聞オンラインより)
何じゃこりゃ。20年前に高市を「無知で下品」と論評した田原総一朗は正しかったと改めて思わされる。安倍晋三が横死して後ろ楯を失った高市は、「でもしか閣僚」に過ぎなくても背に腹は代えられなかったのかもしれないが、あまりにもみっともない。極右思想といい、絶対に総理大臣にしてはならない人間だ。
しかし馬鹿にならないのは、高市のツイートに歓呼の声を挙げるネトウヨたちだけではない。「増税反対」のアピールが「響く」人々は多い。
ここで具合の悪いことは、「左」界隈でも「減税真理教」が幅を利かしていることだ。もちろんその元凶は山本太郎だが、その山本にすり寄っているのが、昨年の衆院選と今年の参院選の連敗を総括しようともしなかった志位和夫が委員長の座にしがみつき続けている共産党だ。
今回はその共産党への批判はパスして、元凶である新選組界隈で高まっている流れに焦点を当てる。それは、新選組の組内からの「保守」のアピールだ。
代表選について。
— たがや亮(衆議院議員) (@RyoTagaya3) 2022年12月8日
記者会見ご覧の皆さんはご存知でしょうが、れいわ新選組が「山本太郎」ワンマンじゃないと理解出来たと思います。
また、左派ポピュリズムでも無いと理解出来たと思います。
そもそも私は2020年の公認記者会見で保守とはと語りました。
れいわは保守本流です。#れいわ新選組代表選
「自称」保守本流の多ケ谷亮ばかりではなく、古くは2013年に山本太郎自身も「保守ど真ん中」を自称している。
多ケ谷のツイートへの「いいね」は高市の30分の1にも満たないとはいえ2千件を超えており、ツイートに対する反応の熱さでは高市応援団に十分張り合える。
中に、新選組構成員の八幡愛も保守本流をアピールしているとの指摘があった。
たがや亮議員
— 武田 (@bwnnwd) 2022年12月9日
「れいわは保守本流です」
支持します。
政権を取る為にも、左派だけではなく、真っ当な保守勢力が、れいわ新選組にどうしても必要です。
やはた愛さんも↓ pic.twitter.com/qW55gWHHQG
八幡自身も下記のツイートを発信している。
れいわ新選組が左派ポピュリズムだと評されることに私も違和感がありました。積極財政、反原発、対米自立。まずはこの国に生きる人たちを守ることから始めるという党の理念は、保守本流です。海外カルトに侵食されている人たちが保守を名乗るな。代表選面白くなってきました!https://t.co/EYc8t4oAme
— やはた愛❤️大阪 (@aiainstein) 2022年12月10日
八幡も保守本流を僭称している。
見てきた通り、山本太郎、多ケ谷亮、八幡愛の自己規定は「保守」だ。その他にも有名な極右参院議員がいたり、旧民主党で長島昭久系の「国軸の会」に属していた人もいたはずだ(確か衆院選の得票不足で議席を取り損ねた人)。また親ロシア系トンデモ新左翼の大石晃子と組んで共同代表として新選組代表選に立候補するらしい櫛渕万里ももとは細野豪志系で「希望の党」にいた。大石を例外として「右」の人間ばかりではないか。
しかし彼らの僭称とは大いに異なり、「減税真理教」は保守本流の政策ではない。岸田文雄が執着しているように、歳出を増やす時の財源を税金に求めるのが保守本流の政策だ。古くは1979年の衆院選で宏池会の大平正芳は当初一般消費税の創設を争点にしようとした(結局大平の腰が砕けて自民党が敗北したが)。
それどころか減税は保守傍流の政策ですらない。前述の清和会・福田赳夫は1970年に赤字国債を問題とした人だ。赤字国債は東京五輪(1964年)後の不況に対応するために1965年に戦後初めて発行された。
山本(や河村たかしら)の「減税真理教」こそ、典型的な右派ポピュリズムの政策なのだ。山本の当初の主張は富裕層や大企業への増税とセットになっていて「減税真理教」には必ずしも当てはまらなかったが、野党政局において山本が「消費税減税」をワンフレーズポリティクスの道具として使い続けた結果、河村たかしと変わるところが何もなくなった。山本の罪はきわめて重い。なお無前提の「減税」は左派の政策ではなく、それどころか真っ向から左派に反する政策なので、新選組は間違っても左派ポピュリズムには該当しない。
八幡の上記ツイートについた下記の意見に私は賛成だ。
れいわは右翼だと思う
— 岸田🦀・ロットン (@trapikita2) 2022年12月10日
そんな私が何を懸念しているかは明らかだろう。
そう、山本太郎が高市早苗(や「くにもり」の安藤裕ら)と組むことだ。
なぜって、彼らの掲げる政策はほとんど変わらないからね。
つい先日も、国家社会主義の台頭を懸念するコメントをいただいたが、その担い手となる恐れがもっとも高いのが山本太郎と×××新選組であることはあまりにも明らかだろう。