kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本の原子力工学は斜陽をとうに過ぎて、今は「日の名残り」を過ごすのみとなりつつあるが、核融合では日本が世界をリードしている(かくかくさんのコメントより)

 はじめにコメント欄だが、実に久しぶりに管理画面を見に行ったら、コメント禁止処分は2,3人ではなく5人ほどだった。しかし可変IPだったりすると弾き切れないので未承認で放置するしかなくなる。中には人を延々と折伏(しゃくぶく)したがったり、延々と嫌味を言い続けたりする御仁もいらっしゃるから、ブログを運営する側にとっては迷惑この上ないけれどもコメントを未承認で放置するしかない。また、コメント禁止処分にはしたくないけれども載せることもできない場合もあり、その時も未承認で放置している。この間は、宮武嶺さんがブログのコメント欄に書いておられたのとおそらく(というより間違いなく)同じ方のコメントに対して、宮武さんと同様の処分を行った。

 ここまで書いたら、少なくともコメントを書いたご本人たちが現在いかなる対象になっているかご理解いただけると思う。何を書こうが勝手だが、その程度の立論で私の意見を変えられるなどと思い上がるなよ、と言っておく。

 今日は下記記事にいただいたコメントを紹介する。

 

 かくかく

原子力工学はいわゆる総合工学と呼ばれる類のもので、(工学分野の中では)複合的な知識が要求されるため専門の学術・教育が存在する分野ですが(同様の分野として有名なものに船舶工学や航空工学、宇宙工学などがありますね)、学生には不人気の極みで、ブログ主がおっしゃるようにかなり縮小してしまっています。これはもちろん311の影響も大きいのですが、学科の再編自体は1990年~2000年頃にはもう始まっており、時期的にはバブル崩壊独立行政法人化の影響も濃いです。「むつ」の放射線漏れ事故やJCO臨界事故の影響は正直分かりません。

東京大学の場合、大学院の専門科として「原子力国際専攻」が置かれています(2005年設置)が、下部に学部レベルの学科は接続しておらず、もっぱら留学生や他大学・他学部の学生にとって入りやすい専門科としての需要が大きくなっています。かつての原子力工学科はシステム量子工学科と名前を変えた(1994年)後、船舶・精密・地球システム(ここは旧称鉱山学科です)と統合され、「システム創成学科」となって消滅しました(2000年)。もちろん個々の研究室や講座の多くは残っており、部分的に研究は続いていますが、彼らももはや原子力を看板に掲げることはほとんどしておらず、要素技術を他の工学対象へと応用・展開しようとしていることがほとんどです。それでも国内で原子力工学を学ぶとしたら東大が一番充実していると言われるぐらいですから、他大学は推して知るべしでしょう。日本の原子力工学は斜陽をとうに過ぎて、今は「日の名残り」を過ごすのみとなりつつあります。

(余談ですが、精密工学科は戦前「造兵工学科」でした。造兵・船舶・原子力軍需産業を思わせる学科(もちろん原子力は平和利用のための学問ですが)が居並ぶ再編は、なんというか、印象深いですね。鉱山が航空だったら完璧でしたが、残念ながら航空宇宙は軍需系では(宇宙工学のおかげで)例外的に人気の学問分野なので……。また精密工学科は後年単独学科として再設置されましたので、現在は「システム創成」の中に旧造兵の講座は残っていないはずです)

しかしそんな日本がどういうわけか世界をリードしている分野と言われているのが、何あろう核融合なのです。何が本当なのか専門外の私には全く分かりませんが、まあ日本だけでなく全世界的に原子力工学が退潮している、ということなら、相対的にまだ元気、というのは納得がいきます。

 

 コメントありがとうございます。大学の工学部の現状は全くといって存じませんでしたので、大いに助かりました。

 私は学者になる能力もなければなりたいとも思わなかった人間なので、工学部卒ではありますが工学部での教育については40年近く前まで在籍していた頃のことしか知らず、内心ヒヤヒヤしながらその当時のままの認識に近いことを書いていたのですが、そう大きくは外してはいなかったらしいことに胸をなで下ろしました。

 自らの無能を棚に上げて書きますが、学者への道に心躍らなかった一つの理由として、異なる学説を擁する他大学の研究室との対立構図が全く面白くなかったことがあって、ボスの学説に付き従わないとやっていけそうにないそのあり方のどこが面白いんだろうかと思ったことが挙げられます。それは日本の政党で異なる政党や異なる派閥に属する人たちのあり方を連想させるものでした。

 民間の企業に勤める人間のあり方は、学者の世界よりもさらに非人間的なものだったわけですが、そこから先は書かないでおきます。

 またそれは芸術家の世界でさえ同じで云々の話も書こうかと思いましたが、そちらも止めておきます。

 核融合などの基礎研究はもちろん大事なことで、日本がその分野で世界をリードしているのであれば、それ自体は良いことだと思います。

 ただそれを現在待ったなしの状況に人類が追い込まれている地球温暖(沸騰)化あるいは気候変動の局面や、帝政ロシア復興を夢想するプーチンの蛮行によって安全保障上の大きな問題であることが心ある人間なら誰しも思い知らされた原発のリスクに絡めて論じることが可能であるかのように考える愚かな人間に持ち出されてはたまったものではありません。

 

 しかし第2次岸田再改造内閣はひどかったなあ。あれで11月解散なんて無理だろうと思うがどうだろうか。今日はここまで。