kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

谷村新司死去

 谷村新司が死んだが、同じ新司で昨年亡くなった水島新司ほどの感慨はない。1970年代後半に大阪のラジオで放送していたMBSヤングタウンは普通に聴いていたが必ずしもファンとはいえなかった。それどころかアリスの「冬の稲妻」(1977)やソロで歌った「昴」(1980)ははっきり言って嫌いだった。「チャンピオン」(1978)についてもいえるが、ある種の押しつけがましさを感じた。また「昴」の演歌っぽさも気になった。特に大嫌いだったのは「ハンド・イン・ハンド!」とか叫んで聴衆を陶酔させるやり方で、あれは私の性には全く合わなかった。

 東京の文化放送で「セイ!ヤング」のパーソナリティーもやっていたそうだが、そちらは知らなかった。MBSヤングタウン(通称ヤンタン)は1972年から86年までやっていたのに対し、セイ!ヤングは同じ1972年スタートだが、1978年、つまり私が上京する前に終了していたようなので知るはずもなかった。関西でも夜は雑音混じりの文化放送を聴こうと思えば聴けたが、そんな酔狂なことをやろうとは思わなかったからだ。でもなぜか落合恵子の「NONブック」は関西でも売っていた。あの『ノストラダムスの大予言』(1973)を排出した祥伝社の新書判シリーズの1冊だ。タイトルは忘れてしまったのでネット検索をかけたら、『スプーン一杯の幸せ』というタイトルで、1973年から76年まで何冊か出たらしい。

 その落合恵子セイ!ヤングも1978年に終わったらしいので知らない。知っているのは、落合がのちに「進歩的文化人」になって1995年から『週刊金曜日』の編集委員をやっていたことだ。調べてみたら2019年3月に退任していた*1。ついでに書くと、今知ったばかりだが右翼の中島岳志も今年7月に週金の編集委員を退任していた。最近はこの雑誌を立ち読みすることもすっかりなくなったが*2

 一方、谷村新司は(松任谷由美などと同様に)主流派志向が強かった。安倍晋三総理総裁時代の2018年には自民党大会で歌ったりもしたようだ。以下日刊スポーツより。

 

www.nikkansports.com

 

谷村新司さん、自民党大会で「昴」いい日旅立ち」熱唱したことも 社会的活動にも長年取り組む

[2023年10月16日16時33分]

 

アリスのメンバーでシンガー・ソングライター谷村新司(本名同じ)さんが10月8日、亡くなった。74歳。所属事務所が発表した。葬儀は近親者のみで15日に執り行ったという。

 

谷村さんは、昨年死去した安倍晋三元首相とも親交があった。会食をしたり、安倍氏が谷村さんのコンサートに出向くなどの交流があった。

 

また、2018年3月に都内のホテルで行われた自民党大会では、谷村さんがサプライズゲストとして登場。代表曲の「昴(すばる)」、映画「連合艦隊」の主題歌にもなった「群青」、山口百恵さんに書いた「いい日旅立ち」の3曲を熱唱した。「いい日旅立ち」では、党大会の出席者約3500人が、谷村さんの呼びかけでコーラスを口ずさみ、コンサート会場のような雰囲気になった。

 

この時、あいさつした谷村さんは「『昴』という曲はコンサートの最後に歌うのですが、今日は1曲目です」と切り出した。午前10時からの党大会開始に合わせて午前7時からリハーサルを行ったと明かし「朝7時に(星団を意味する)昴を歌いました。初めての体験です」と述べ、会場を笑わせた。

 

政党の党大会という場での歌唱については「こういう場所で歌うのは初めて。とても新鮮な気持ちです」と打ち明けていた。

 

谷村さんは音楽活動だけでなく、社会的な活動にも長年取り組んだことで知られる。2007年には薬物乱用防止キャンペーンソング「ギーター」を制作し、当時首相だった安倍氏に贈呈した。また、犯罪の防止や更生への理解を深めて犯罪のない社会を目指す「社会を明るくする運動」の活動にも取り組み、「フラッグアーティスト」として積極的に広報活動も行った。

 

(日刊スポーツより)

 

URL: https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202310160000591.html

 

 映画『連合艦隊』の主題歌? 谷村新司さだまさし(「防人の詩」=1980)みたいなことをやってたのかと思って調べてみたら1981年の映画だった。さだと同様に、谷村も当時「右翼の歌を歌いやがって」とかなり責められたらしい。後年に自民党大会で歌ったとあっては当時責められたのも致し方なかろう。

 それとともに、私が谷村新司とあまり相性が良くなかったのも仕方ないかと思ったのだった。「党大会の出席者約3500人が、谷村さんの呼びかけでコーラスを口ずさみ、コンサート会場のような雰囲気になった」とは、いかにも谷村らしいやり方だった。

*1:https://www.kinyobi.co.jp/editor.php

*2:極右月刊誌を冷やかしで立ち読みする習慣もなくなった。