kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ばら撒きか必要以上の緊縮か、二者択一しかない人には困りますね。「どうせなら、バブルの時に赤字国債対策をすれば良かったのに」と思うのは素人考えでしょうか?(管見人さんのコメントより)

 下記記事のコメント欄より。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 生存ユニオン広島 (id:lifeunion)

私も税金の使い方や取り方の見直しが先だと思います。広島に落とし込むと例えば湯崎英彦知事による巨大病院構想より医療従事者の給料を上げるとか。お金を刷ることは否定しませんが、一方で使い道の議論がおろそかになってはいけない。個人的には消費税廃止は良いが、かわりにべらぼうなゼイリツノ物品税をお金持ちが買うマンションや高級車、特別地方消費税をお金持ち向けサービス飲食にかけるとかの議論もすべきと思います。

 

 管見

生存ユニオン広島さんのおっしゃる通りと思います。
ばら撒きか必要以上の緊縮か、二者択一しかない人には困りますね。

不思議なのは、バブル崩壊後に財政再建論がやかましくなったことです。
ニュース番組で、「赤字国債がヤバいから何とかすべし」という主張を聞いたのもその頃だったかな。
その頃、橋本政権が消費税率を5%に上げて景気回復の腰を折った記憶してます。
「どうせなら、バブルの時に赤字国債対策をすれば良かったのに」と思うのは素人考えでしょうか?

 

 前者の「生存ユニオン広島」さんはさとうしゅういちさん。「べらぼうな税率の物品税をお金持ちが買うマンションや高級車、特別地方消費税をお金持ち向けサービスにかけるとかの議論」がなされ、それで消費税減税ないし廃止分の税収が賄えることが示されるなら、私もおそらく消費税減税(または廃止)に賛成するでしょう。現在はそれらの議論がおろそかにされて「消費税減税(廃止)」のワンフレーズポリティクスと化しているようにしか見えないので支持できませんが。

 後者の管見人さん、こちらは弊ブログのコメント欄常連の方ですが、「待ってました」と言いたくなりました。

 私はおそらく管見人さんより年長なので、財政再建論が既に1970年代に盛んに言われていたことを覚えています。当時の言い出しっぺは福田赳夫大平正芳でした。日本の景気はといえば、1973年までは高度成長期、74年から78年までがおおむね不況期で、特にその前半は「スタグフレーション」、つまり不況下の物価高の時代でした。しかし大平内閣時代の1979年は好況期でした。佐藤内閣で福田赳夫財政再建を言い出したのが確か1970年頃、大平正芳が一般消費税創設を争点にして衆議院を解散しようとしたものの、それが不評を買うと撤回するなど元を左右にしたために衆院選に敗れたのが1979年でしたから、二人とも好況機に財政再建を目論んだ点では教科書通りでした。ただ、清和会も宏池会も基本は「小さな政府」論に立脚する財政右派である点を忘れてはならないと思います。福田も大平も大蔵官僚上がりの人でしたし。ですから弊ブログはブログ『日本がアブナイ!』などが待望する宏池会と立民の連立に強く反対します。清和会はそれに加えて極右なので論外ですが。

 で、私が「待ちに待った」と書いたのは、コメント中で赤字ボールドにした

どうせなら、バブルの時に赤字国債対策をすれば良かったのに」と思うのは素人考えでしょうか?

という部分であって、弊ブログは管見人さんのご意見と同じことをこれまでブログ記事に何度書いたかしれません。しかしこの主張にコメントをいただいたことは、私の記憶では一度もありませんでした。

 でも、財政の基本だと私が思っている事柄に忠実に考えれば、好況期にこそ引き締めをやって財政再建すべきだというのは当たり前であって、それなのに時の竹下登政権は「これだけ税収が多いなら使うのは当たり前」とばかりバラマキ政策をやったわけです。これではバブルが加熱した方が当たり前で(竹下政権は火に油を注いでいたわけです)、その事態を招いた竹下内閣は後世から厳しく批判されて当然だと思います。

 しかし、今の「積極財政派」から当時の竹下政権を批判する声はほとんど聞きません。

 一方、今の「財政再建派」から不況期に財政再建をやろうとして1998年の参院選に惨敗した橋本龍太郎政権を批判する声もほとんど聞きません。

 これでは、両派とも全く信頼に値しないとしか私には思えません。

 管見人さんが仰る

ばら撒きか必要以上の緊縮か、二者択一しかない人

ばかりであるようにしか見えないわけです。