泉健太がようやく立民代表選に出馬表明すると「速報」されたのは昨夜かなり遅い時間帯だった。弊ブログの予想通り馬淵澄夫が出馬を「断念」したと報じられた時点で、馬淵から分けてもらった推薦人が泉に回ることは当然だと思っていたので、なんでそんなに時間がかかったのか不思議で仕方ないが、「泉信者」たちが寒気でも換気でもない歓喜を爆発させていた。これには寒気(さむけ)がした。
ケンタ良かったスタートラインに立てたぞ
— 駅前は朝の七時 (@ystak13am7) 2024年9月5日
俺がいうのも何だが、自説開陳や東錦から立憲学生党員、ワラまで応援してる泉健太って本当に魅力あるんだろう。
— d s (@DDs12559073) 2024年9月5日
ここら辺の人って相互にブロックし合うレベルの仲の悪さなのに、それでも泉支持の声は高い。
「りっけんカジュアル」の学生党員氏は吉田晴美推しだし(但し出馬できるかどうかは不明。引退する菅直人が直々に支持表明したことだしなんとか集め切って欲しいと私も思うが)、藤原規眞氏に至っては泉は代表選に出てきて白黒つけろと言っているだけで、私などかつてマラソンの中山竹通が「瀬古(利彦)さんは這ってでも出てこい」と言ったのと同じような意味合いではないかと思うのだが、ヒートアップした泉信者たちにはそうは見えないらしい。
実際、なかなか党首選に出てこないで幹事長職にばかりこだわるのが大好きな小沢一郎が初め自民党、その後新生党、新進党を経て民主党系政党を壟断し続けたのが、1989年から今に至る35年間の政治を悪くした元凶だった。小沢は2006年4月の民主党代表選で菅直人に勝ち、2010年9月の代表選では菅直人に負けたが、その前後は樽床伸二を担いだり海江田万里を担いだり鳩山由紀夫を担いだりと、その昔海部俊樹を担いだときと同様の「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」方式に走るのが常だった。
小沢は、ことに2006年に代表になって2007年参院選で安倍自民党をKOして圧勝して以来、ネット(当時はブログが中心)に多くの信者たちを生み出したが、一般の民主党員たちの間では支持はいたって低かった。2010年9月の民主党代表選に関するWikipediaの項を見ると、それがよくわかる。
だが、忘れもしないその代表選で弊ブログ(というより当時はこっちはサブで、FC2ブログがメインだったのだが)が推したのは小沢の方だった。小沢は文句ばかり言ってないで自分が総理大臣になって責任とれや、どうせ菅直人と同じことしかできないだろ、というのがその理由だった。
しかし代表選は国会議員票ではほぼ五分だったものの、地方議員票では小沢は菅の3分の2、党員票で小沢は菅の5分の1しか取れずに完敗した。小沢は結局一度も総理大臣になれなかった、というよりならなかった。それどころかなろうとしなかったと今でも私は思っている。この2010年9月の代表選も、小沢が本気で勝ちに行ったとは私には全く思えなかった。
その後東日本大震災と、それに伴う東電原発事故が起きたが、震災直後に雲隠れした小沢が総理大臣でなかったのは、この国に住む人間にとっては不幸中の幸いだった。小沢だの、原発事故後に関して嘘八百を垂れ流した安倍晋三だのが総理大臣だったら、今頃この国はメチャクチャになっていたに違いない。
その小沢が政治生活でおそらく最後に担いだのが野田佳彦ということになるだろう。
日本未来の党は、当時あれだけ批判していた野田佳彦を、今となって小沢一郎が支持し、代表だった嘉田由起子は維新と一緒になる。当時していた人はどういう気持ちなのか?
— Oricquen (@oricquen) 2024年9月4日
怒っているのか?
自分の政治勘のなさを嘆いているのか?
「政治は一寸先は闇」と達観しているのか? https://t.co/18wyk6Mlgf
ところで、一般の有権者間の人気も立民支持層の人気も低い泉健太が、SNSの立民支持層の間では大人気だ。地方議員や総支部長(衆院選候補予定者)の間でも人気が高いという。しかし立民の国会議員たちの間では泉は「人望がない」らしい。それらが立民代表選ではどう総合されるのか。それには興味がある。
野田さんと小沢さんへの私たち立憲支持者の違和感の根底には、2017年希望の党騒動の時、二人とも高みの見物だった事実がある。
— 一民衆🍎 (@oneoftheppl_jp) 2024年9月5日
野田さんは無所属の会だったが、旧民主系の結集や強化に岡田さんや中村喜四郎さんが汗をかいたのに、彼は何をしたか。
小沢さんは2021年比例復活なのに、なぜ裏ボス顔か。
小池百合子というよりは細野豪志に「排除」された野田佳彦や、希望の党の成立過程で小池に「排除」された小沢一郎が「2017年希望の党騒動の時、二人とも高みの見物だった事実」は確かにある。
しかし泉健太は積極的に「排除する側」、つまり希望の党に属する政治家だった事実もある。毎日や読売の世論調査で、無党派層全体においても立民支持層においても泉が不人気な最大の理由はこれだと私は考えている。何度も書くけれども、私は小川敏夫や山岸一生や酒井菜摘ら、立民公認候補には投票してきたけれども比例で立民に入れたことは一度もない。「一応」支持政党の本籍は社民党なのだ(但し党員ではないし、入党する気もないが)。そういう私から見ると、なぜ立民支持のSNSの人たちが泉の希望在籍歴をなぜ全く問題にしないのか全く理解できない。
小沢さんが野田さんを推した現実の中、「ある種の野党支持者」の現実逃避先として、江田憲司さんがいたほうがいいのかもなあ。
— ツイッター政治おじいちゃんお化け (@micha_soso) 2024年9月2日
吉田はるみさんにその圧がかかるのは忍びない。
江田憲司って元みんなの党のバリバリのネオリベですぜ。私の大嫌いな柿沢未途もかつてみんなの党に在籍し、江田憲司派だったから旧日本維新の会と合流して維新の党に行った。まあ小沢は「私の考えは橋下市長と同じ」人だからそれなりに首尾一貫してるけど、国会での岸田首相との質疑から明らかな通りに本心では金融所得課税大賛成のはずの山本太郎が消費税減税派だというだけで江田憲司に入れ込み、それにオザシンプロパーやオザシン系ヤマシンたちが雪崩を打つって、まあそれもSNSの狭い世界にほぼ限られた話だけど、いったい何考えてるんですかね。果たして江田は金融所得課税に賛成するような政治家なんだろうか。このあたりも立民支持層の人たちが全然議論しようとしないこともあって全くわからない。これでは、まだ自民党の方がそういう議論が出るだけマシだと言われても仕方ないんじゃない?
そういや江田は、それに何より吉田晴美は出馬できるのか、そちらの方が問題だ。
党代表選で私も泉さんの推薦人の一人となりました。ここに至るまでには様々な経緯がありましたが、理由はNC大臣として泉さんを支える立場にある事や、泉さんがバランスの取れた党運営を心がけて来た事と、党のガバナンスなどを諸々を熟慮した結果です。https://t.co/AQjEKjIfu8
— 杉尾ひでや 参議院議員 長野県選出 (@TeamSugioHideya) 2024年9月5日
なんだ、吉田を推さずに泉に恩を売ったのか。見下げ果てた御仁だな。
今日の「国のかたち研究会」総会で、西村智奈美さんが党代表選挙への出馬を見送る旨の意思表示がありました。女性・若手議員の代表として西村さんの立候補を要請していた立場だけに残念至極。それでも侃々諤々の議論ができ、皆さんの期待に最大限応えられるよう最後まで頑張ります。 pic.twitter.com/3HseBOd906
— 杉尾ひでや 参議院議員 長野県選出 (@TeamSugioHideya) 2024年9月4日
つまり菅Gは西村智奈美でまとまらなかったから泉支持に回ったということのようだが、もともとは泉が激しくアタックしていたのは西村本人だったに違いない。その身代わりで杉尾なのか、それとも西村もろとも泉を推すのかはわからないが、いずれにしても撫然とする。いかに執行部にいようが、それは現執行部の話であって、次期代表選びとは別の話のはずだ。
最終的にどうなるかは時間がくればわかる話といえばそれまでだが。さらに2週間経てば代表も決まる。2005年9月の民主党代表選みたいなろくでもない結果にならなければ良いのだが、泉はともかく野田が代表になってしまう、つまりろくでもない結果になる可能性が高そうだ。