kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

金融所得課税、ひいては税制全体のビジョンについて自民党総裁選と立憲民主党代表選の全候補者から聞きたい

 自民党総裁選では金融所得課税が議論されている。これは岸田文雄が3年前の総裁選で導入を公約しながら新自由主義にすっかり毒された「保守」たちの反発にあって引っ込めたもので、それを再度持ち出したのが石破茂であり、それに強硬に反対しているのが小泉進次郎小林鷹之ということらしい。

 社民党員のまことん氏がXで取り上げていた。

 

 

 その通り、富裕層の負担を増すのが狙いだ。

 もっとも石破の場合は、防衛費(軍事費)の伸び率は円安を考慮すれば2倍では足りないという、彼が唱える軍事タカ派路線と深く関わりがあると見なければならない。先の戦争においても所得税の累進性が極端に強められた。本当に戦争に政府の金を使う必要が生じた場合は、日本版MMTに拠らない限りは必然的にそうなる。

 なお、日本版MMT式に軍事費を賄おうと主張する流派は、2年前に殺された安倍晋三にルーツの1つがあるが、この立場に立つのが高市早苗である。一方、同じタカ派でも小林鷹之はそれにも与しない。小林は結局何を財源に軍事タカ派路線を唱えているのかよくわからない。実はその名前からも連想されるタカ派ぶりは偽装にすぎず、その実態は単なる強硬なネオリベラリストなのではないかとも疑われる。そうした中身のなさが次第にわかってきたせいか、総裁選に最初に華々しく名乗りをあげた時にはしきりに聞かれた「コバホーク」との通称もあまり聞かなくなった。その手のネオリベ系ポピュリストであれば小泉進次郎で間に合っているからだ。

 どっかのスポーツ紙のコラムで森永卓郎が小林を評して、緩和路線(=日本版MMTに近い)をとる高市早苗を潰すために財務省が仕掛けた候補だとする陰謀論を唱えていた。森永は内心高市にシンパシーでも抱いているらしい。なんだか安藤裕に強いシンパシーを持つ山本太郎を連想させる。

 石破のいう金融所得増税自体は私は賛成だが、石破の場合は税金の使い途に大きな問題があるといえる。またまことん氏がリポストした新浪剛史が唱える税率25%では低過ぎ、せめて30%は必要だと私は考えている。

 

 

 まことん氏は下記ポストもリポストしている。

 

 

 一方、私が日々ヲチしている「リベラル・左派」界隈からは、消費税減税だの廃止だのの話はあふれ返っているが、金融所得課税の話はほとんど聞かれない。

 「リベラル・左派」をそんな風にしてしまった最大の戦犯は山本太郎だと私は考えているが、それでは山本自身はどう考えているかと思ってネット検索をかけたら、引っかかったのはあの「長周新聞」の記事だった。2023年12月7日付である。

 

www.chosyu-journal.jp

 

 上記リンクの記事には、「金融所得課税」という文字列が計13回出てくる。

 結論からいえば、山本は金融所得課税の強化には大賛成だ。私と同じ立場である。以下、国会での岸田首相への山本の質問から引用する。

 

 山本 所得1億円をこえる富裕層では、金融所得の割合が高く、所得税の負担率が下がっていく傾向が強い【パネル①参照】。この壁を壊し、格差是正をするというのが岸田公約だったわけだ。

 

 フランスの民間調査では、日本の富裕層(100万㌦=約1億1000万円以上の投資可能資産を持つ者)の数は365万人。アメリカに次いで世界第2位。増税が必要だというのなら、まずはここからだ。

 

 さまざまな声を聞いて格差是正が必要だと説いた岸田総裁候補は「金融所得課税」を宣言。ところが、たった1カ月で「当面、金融所得課税は強化しない」と一気にトーンダウンだ。華麗なるてのひら返し。総理、これは一体誰の声を聞いて引っ込めることにしたのか?

 

 岸田首相 「1億円の壁」の問題、金融資産所得課税の問題については今現在もとりくみは続けている。こうした課題については、まず市場等への影響を踏まえながら、第一弾として令和5年の税制改正において、特に負担率が大きく下がる階層から手を付けることによって、こうした金融資産所得についても課税を強化するとりくみをスタートした。今後も市場の動向も踏まえながら引き続き議論を続けていく。

 

 山本 最初の総裁選のときの勢いからはトーンダウンしている。もともと自分の発した言葉に対して「当面は触らない」といい直しているわけだ。これから触り始めるということだが、これは評判が悪かったのだろう。一般庶民からは評判はよかったが、評判が悪かった人たちがいたと思う。でなければ、さっさとこの数年の間に大胆に進めていたはずだ。


 おそらく金融所得でもうけまくっているような資本家たちへの「聞く力」を発動させたのではないか。だから、これだけ弱腰になっているのではないか。一部の声だけ聞く力――これは岸田総理に始まったことではない。日本の安定雇用をぶっ壊し、株主至上主義へと転換させたのが自民党だ。30年かけて日本を衰退させた戦犯だ。

 

URL: https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/28420

 

 ところが、山本はどういうわけか消費税をワンフレーズポリティクスにしてしまい、「リベラル・左派」の多くもそれに追随してしまった。

 まず金融所得課税の税率引き上げに賛成か反対か。賛成の場合は税率を新浪剛史の言うような25%にするか、それとも最低限私が必要だと考えている30%にするか、もっと高くするか。

 それを、消費税率をどうするかと合わせて、自民党総裁選及び立民代表選の全候補に聞きたいところだ。私が知っているのは、枝野幸男が消費税は上げも下げもしないと言っていることだけだ。

 立民代表選の候補者たちには、都道府県の総支部長、つまり衆院選の候補予定者選びのプロセスの透明化についても聞きたいところだ。この点について、なし崩しに都道府県連を支配する独裁者たちが恣意的な人事を行なってきたのが泉G(具体例は広島県連の森本真治)と野田G(具体例は東京都連の手塚仁雄)だった。

 「泉信者」たちは手塚仁雄を声高に批判するが、泉Gの森本が広島2区、3区、5区の総支部長を下ろしたことについては何も言わないか、「改革市民」を名乗る Xアカウントのように肯定的な評価をする。一方、野田佳彦の支持者あるいは信者は、手塚仁雄の悪行は批判しないし、それどころか泉Gの強権発動も批判しない。ただ単に数の力で押すだけだ。

 今回の立民代表選に、2021年衆院選に危うく手塚仁雄権威主義的妄動によって衆院選候補から下ろされかかった吉田晴美が立候補しようとしているのは良いことだ。これを後押ししているのが菅直人だとの声も聞こえてくるが、これこそ菅直人「最後のご奉公」であろう。仮に私に立民代表選の投票権があれば、吉田晴美にするか枝野幸男にするか大いに迷うところだ。吉田は「消費税減税」に傾斜しているらしく、そこには懸念があるが、それよりも税制全体についてどういうビジョンを持っているかを聞きたいところだ。消費税の純減税だと、黒川滋(くろかわしげる)氏が書くようなことになる。

 

 

 これに対して山本太郎は、あまり、というより全然強く打ち出さないけれども金融所得税の税率引き上げや所得税の累進性強化、法人税増税の主張を持っていることは明らかだ。それにしても山本が消費税のワンフレーズにしてしまったことは、社民主義側から見れば一大痛恨事だった。

 また、党内人事の透明化については、千葉県市川市議選候補や参院選岩手県選挙区などに「取っ替えのきく便利屋」的な使い方をされながらいつの間にか「東京8区は野党共闘がなくても盤石」とまで言われるようになった吉田晴美であれば大きな貢献ができるはずだが、残念ながら党運営の民主化を求める声が立民支持層から全然上がってこない。すっかりスターリン主義権威主義)が蔓延してしまっている。だから、立民リベラル派からも「立憲はボトムアップの政党だ」と言いながら、「決まったんだから小山ちほさんを支えようや」などと、スターリニズムに自ら忍従する意見を発信してしまう。

 本当に数少ない例外だと私が思うのは、「まつもと」氏のX。氏のXからいくつか拾う。

 

 

 どんな集団においても権威主義は発生するものなのだ。

 

 

 ロックファンの間にまでそんな権威主義がまかり通っているのか。それだと、究極の権威主義の人間が集まっているクラシックファンも笑えない。

 

 

 そして、そういう人だから下記Xで共産党を痛烈に批判する。

 

 

 小池晃共産党を代表するスターリン主義者、といって悪ければ権威主義者といえる。それは安保法とはまた別の問題である。なお安保法に対する野田佳彦枝野幸男の発言を私は受け入れないが、これまでにそれについて何も言っていない泉健太が相対的にマシになったという一部の言説も受け入れない。泉は何も言っていないが、胸にはブルーリボンバッジが今も燦然と輝いている。泉という人は、普段は表面では余計なことは何も言わないし、何もやらない。しかし時折大きく動く。「提案型野党」路線を打ち出したり、維新にすり寄ったりした時などである。

 

 

 もう一人、前原誠司の名前も必要だ。小沢、前原、野田の3人が民主党を破壊した主犯たちだろう。

 

 

 ここは意見が合わない。仮に私に3票あったら、枝野と吉田に1票ずつ入れるが、3票目は白紙にする。

 そういえば泉はまだ出馬表明していない。たぶん出るだろうとは思うが、仮に出るにしてもここまでひどい「後出しじゃんけん」は見たことがない。