kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「維新の政策を読んでみた」(るまたん氏)を読んでみた

 下記ブログ記事は良い。維新という政党の性格がよくわかる。

 

le-matin.hatenadiary.org

 

 以下いくつかに分けて引用する。

 

税制改革のところ

 

メインの改革は、「税制改革」「社会保障改革」「労働市場改革」の三つからなります。

税制改革は、減税と制度の簡素化。法人税と消費税を減税し、所得税10%と30%の二つの税率にします。分離課税や所得控除は全廃します。

金融所得にも普通に課税するために今の逆進性は改善されるのですが、累進課税に触れていないところが根本的にアカン感じがします。所得控除も、障害者控除や寡婦控除などもなくなってしまいます。基礎控除、給与所得控除もなくなるので、ほとんどの人にとっては増税になります。

そして、この結果税収がいくらになるのか、という話は出ていません。たぶん大規模な行政の削減をやらないと無理、な数字になると思うんですが、そこは触れないことにしたみたいです。

 

出典:https://le-matin.hatenadiary.org/entry/2021/11/04/094930

 

 衆院選公示日の少し前に、平河エリ氏が下記ツイートを発した。

 

 弊ブログはこれを下記記事にて批判した。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 引用は省略する。ここで批判した維新の「所得税のフラット化」の具体的な内容が、所得税を10%と30%の2段階にしてしまうというものだ。1段階だけという完全なフラットタックス(均等税)ではないが、それに近づけた。所得税の累進制を破壊することが維新の真の狙いだといえる。平河氏のツイートにはその観点が全く欠けていた。

 フラットタックスは、自民党総裁選で髙市早苗も主張していた。髙市は復古主義的な極右でもあるが、過激な新自由主義者でもある。髙市は、復古主義者たちに担がれている安倍晋三と比較してもさらにずっと極悪で、現在の日本における最悪の政治家といっても過言ではない。

 

 

 髙市は所得税を一律10%にせよと主張したと指摘するブログ記事もある。残念ながらその裏はまだとれていないが。

 

yugehinata.livedoor.blog

 

 以下、上記ブログ記事を引用する。

 

さて、自民総裁選において、唯一「PB目標凍結」をかかげた高市候補。

日本をむしばむすべての要素が「緊縮財政」「PB黒字化」によるものですから、期待度は非常に大きいです

岸田候補は国民のためになにかしなきゃ!って意思は大きいと思いますが、コロナ過すぎたら税金主体のようですから

(河野候補は論外)

 

ただひとつ、気になるところがあります。

それは所得税のフラットタックス10%をめざしているところです。

少ない収入の方でも一億円稼ぐ方でも所得税10%。

ますます格差がひらきませんか?

 

    • 「『行き過ぎた結果平等』を廃し、『機会平等』を保障するべきだ。『(富裕層への)嫉妬に立脚した法制度』が増え過ぎると、優れた人材企業も育たない。むしろ、『リスクをとって努力した者が報われる環境作り』『出る杭を伸ばす発想への転換』こそが、可処分所得を増やし、人材流出や産業空洞化を防ぐ鍵だと確信する。」などと表明している[46]

 

努力した人が報われる社会を目指しているそうですが、

お金を稼いでる人だけが努力しているということになるのでしょうか?

裕福な家庭に生まれた、親が成功者で資産をうけとれる。困窮した家庭に生まれた、だから困窮したまんま。

これって親ガチャのもとではないですか?

 

職種をだすのは不適当かもしれませんが、頑張ってる保育士さんや介護職の方もたくさんいます。

どんなに日々の仕事にがんばっても大きく所得は増えません。

これをがんばってないってみなすのはなんですかね?

 

当然、10%のフラットタックスにしてしまえば、累進課税のビルトインスタビライザー機能も動きません。

お金持ちはよりお金持ちに、低所得者は低所得のままということになりはしませんか?

 

すでに貧富の差が激しくなってしまっている日本。

所得税法人税の累進強化、株の利益を別にかぞえて優遇される分離課税を廃止して総合課税にする。

それこそが必要ではないでしょうか?

 

出典:https://yugehinata.livedoor.blog/archives/11670667.html

 

 ブログ主は「反緊縮」論者で、自民党総裁選においては髙市以外の候補者がすべて「緊縮」志向であるのに対し、一人髙市だけが「プライマリーバランス目標凍結」を掲げたことを高く評価しているようだ。

 しかし、それは積極財政、すなわち財政の「出」のみの話であって、財政の「入り」においては髙市は、仮に本当に10%の均等課税を主張しているのであれば、維新よりももっと極端な新自由主義者であると断定できる。

 つまり「反緊縮」と「新自由主義」とは両立できるのだ。現に髙市早苗は「反緊縮の新自由主義者」である。現在の「反緊縮」論者の中にも、もしかしたら少なくない新自由主義者がいるかもしれない。

 なお山本太郎らが音頭を取った「消費税減税」あるいは「消費税廃止」の議論において私がもっとも強く不満を持っていた(今も持っている)のは、税制の全体像の議論をおろそかにしていることだ。ただ「消費税減税」の看板だけ掲げて負けたのが今回の衆院選での立憲民主党だった。

 話がずいぶん逸れた。維新の話に戻る。

 

ベーシックインカム」のところ

 

二つ目はベーシックインカムです。これは全国民に月額6万円を支給するというもので(外国籍の方にはどうするのかは触れていません)、その代わりに年金などの社会保障の現金給付を全廃します。

 

6万円というのは、高齢基礎年金よりもちょっと安い金額なので、それを意識していることは間違いありません。高齢者などには10万円まで増額する、と言っているのですが、予算規模から言って増額は少数の例外に留まりそうです。

年金の2階部分などは継続するというプランなので、その部分を見れば、今の年金制度と違いはありません(医療保険などは継続します。障害年金には触れていません)。

 

出典:https://le-matin.hatenadiary.org/entry/2021/11/04/094930

 

 フラットタックスとベーシックインカム(BI)の組み合わせというのは、ベーシックインカムと数学的に同値である「負の所得税」をフラットタックスと組み合わせたミルトン・フリードマン提唱の政策と完全に同じだ。ブログ主が指摘する財源云々の問題もあるが、最大の問題はこのBIと引き換えに現物給付*1を「バサーット*2切」ってしまうことだ。財政学では、再分配の効果は現物給付の方が現金給付よりもずっと大きいとされる。然るに、フリードマンに源流を発する新自由主義者たちは、現物給付を切りまくって現金給付に置き換えようとしている。これは立民で経済政策を任されているという江田憲司(元みんなの党・維新の党・結いの党)にも当てはまることであって、よく黒川滋(くろかわしげる)氏が批判しているが、立民を応援する人たちの大部分はその批判に耳を傾けることはない。非常に嘆かわしいことだ。

 

 最後に労働市場イカクとまとめ。

 

労働市場改革のところ

 

三番目の労働市場改革は、解雇規制の緩和と再就職支援、雇用保険の強化、労働分配率での法人税の優遇などからなります(「働き方改革」を言い換えるキャッチコピーが用意できなかったみたいです)。

解雇しやすくする代わりに再就職を支援するというのは北欧型の社会民主主義政策のようにも見えますが、不吉なのは「失業者への権利と義務を課す」という(ちょっと文法的にも不安定な)文言が入っていることです。「福祉を撤廃して勤労を促す」というワークフェアアメリカの貧困層の生活をさんざんなものにしたあれの雰囲気がします。このパートはかなり短いので、拾えるのはこれくらいです。

 

まとめ

 

まとめます。労働市場改革の所でも触れましたが、このプランは、全体としてアメリカやイギリスの新自由主義改革と似ています。税制の簡素化や福祉の簡略化、解雇規制の緩和など、いずれも1980年代に登場した「サッチャリズム」や「レーガノミクス」の焼き直しです。したがって、当然のことながらこれによって格差が拡大し、富裕層と大企業だけが肥え太るという社会の到来が予測されます。

 

出典:https://le-matin.hatenadiary.org/entry/2021/11/04/094930

 

 そうだな。そういう社会を望む人は維新を支持すれば良いし、政治家なら維新にすり寄れば良い。

 そんな政治家や政党を、私は金輪際支持しないけれども。

*1:社会保障制度における給付のうち、医療サービス、福祉サービスの提供など、金銭以外の方法で行なわれるもの。

*2:「ト」を片仮名にしたのは、これに言及した橋下徹のツイートがそうなっていたからだ。