kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「増税は絶対悪という風潮はおかしいと書いたら減税派から社会主義者と言われ」るらしい

 前の記事が異常に長くなったので、「まことん」氏のツイートに絡めて言及しようとしていたことが書き切れなかった。それをこの記事で補足したい。

 

 

 上記のツイートに即して言えば、泉健太は立民代表を降りろ、と言いながら、小池百合子の背中を眩しく見ていた蓮舫を泉に代えて代表にしろ、などというのは愚の骨頂だということだ。特に経済政策の観点から政治家を評価すべきだというのが、少なくともこのブログを立ち上げた16年前から*1の私の変わらぬ意見だ。

 下記は上記ツイートへの反応。

 

 

 私は去年の衆院選をきっかけに「維新主要打撃論」を唱えた。ところが、昨今の泉擁護派の言説には、立民と維新との共闘擁護論が多い。衆院選の直後に辻元清美が維新を相手にせずとの態度を取ったのがまずかったと反省したり、菅直人が「維新の研究」だかなんだかをやり出したり*2といった動きがあったのに、辻元は参院選比例区で当選したあとには立民と維新との対立の流れはすっかり下火になった。なるほど、泉執行部が辻元を参院選候補にしたことには、おそらく泉自身の思惑を強く反映した「辻元の口封じ」的な党内権力闘争の一面があるんだなあと思う。そもそも弊ブログは辻元の参院選転身に反対し、辻元は次の衆院選に立候補すべきだと主張する記事を公開したことがある。しかし辻元は泉の術中に嵌ってしまった。

 

 以下、まことん氏のツイートの別のスレッドへのリンクに移る。

 

 

 私は消費税減税はダメとまでは言わないが、消費税減税をやるのであれば法人税所得税、それに証券税制の税率引き上げをセットでやれという立場だ。トラスがやろうとしたような純減税は論外だし、トータルで減税になるのも好ましくない。MMTも本来の理論であれば野放図の国債発行など容認していないとどこかで目にしたことがある。ジョンソンがやろうとしていた法人税率引き上げや所得税の累進制強化は間違っていなかったとは、山本太郎が敬愛する極右系前自民党衆院議員の安藤裕でさえ言っているが、例の零細政党政治塾塾長の長谷川羽衣子はトラスを絶賛していた。

 

 下記は他の方のツイート。

 

 

 このツイートには唖然とした。「緊縮」とはもともと「緊縮財政政策」の意味だろう。

 

kotobank.jp

 

 上記リンク先を参照すると。『精選版 日本国語大辞典』には、

財政を確立したり立て直したりするために支出をきりつめること。

とある。

 緊縮/反緊縮とは、10年前には財政支出の規模を意味するのが普通だったはずだ。金融に関しては、「引き締め/緩和」の言葉が使われた。数年前にMMTが登場したあとには、財政支出の緊縮と金融引き締めとを合わせて「緊縮」と呼ぶ用法が多く見られるようになったが、それでも「緊縮」という言葉を使う時には財政支出を抑えるという意味が少なくとも含まれていると私は考える。

 ツイート主は「増税は絶対悪という風潮はおかしいと書いたら減税派から社会主義者と言われた」と書いているが、そうだとしたらその「減税派」は新自由主義者であるとしか思えない。

 なぜなら、福祉国家あるいは修正資本主義の政策では、時と場合によって増税が必要になったり減税が必要になったりするからであって、「増税は絶対悪だ」という命題は、財政規模自体を小さくすることが常に正しいという前提がなければ成り立たないから、「増税は絶対悪だ」と主張する人間は新自由主義者に他ならないという理屈が成り立つのだ。これは河村たかしの「減税真理教」と同じ立場である。

 新自由主義者が意見の対立する者を「社会主義者」呼ばわりするのは当然だろう。

 なんで今時こんなことを書かないといけない。経済政策に関する世間一般の議論は混乱し切っているようにしか私には見えないのだが、どんなものか。

*1:実際には1998年頃から。

*2:これについては作用より副作用の方が大きいのではないかと危惧しているが。