kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

もしかして枝野幸男氏って日本維新の会に寄ってく泉健太氏を牽制してるのでは? 維新の会って超減税政党なんです。(by MasakiTanigawa氏)

 私は「消費税減税の訴えは間違いだった」とする枝野幸男の発言は首肯しかねる。かねてから主張している通り、税制全体はなく消費税だけ取り出した議論は有害だし、加えて行き過ぎた直接税減税等によって損なわれた再分配機能を回復するために、トータルとしては減税にならないようにしつつ、消費税の税率だけを下げる政策は検討されるべきだと考えるからだ。

 しかし、共産党員のMasakiTanigawaさんが発信された下記ツイートの指摘は注目されて良いと考える。

 

 

 上記ツイートからリンクされているのは、今年の参院選日本維新の会が掲げた公約集だ。

 

o-ishin.jp

 

 当面の消費税については134番の公約に書かれている。

 

景気対策(短期)

  • 134

    消費税の軽減税率を現行の 8 %から段階的に 3 %(状況により 0 %)に引き下げ、現下の物価高騰に対応します。その後は消費税本体を 2 年を目安に 5% に引き下げ、日本経済の長期低迷とコロナ禍を打破します。(法案提出済み)。

  •  

 また、「長期の成長戦略」の項には懐かしいフレーズが並ぶ。

 

簡素で公平な税制(フラットタックスの導入、租税特別措置の廃止)、「フローからストック」といった税制改革を断行するとともに、最低所得保障制度(ベーシックインカムまたは給付付き税額控除)を導入し、事前にあるいは必要とする人に速やかに給付が行われるよう、セーフティネットの大転換を図ります。

 

 これなど、2012年の衆院選の公約とほとんど変わっていない。2012年当時、橋下徹ベーシックインカムを指して「再分配」の政策だと胸を張っていたが、フラットタックス、つまり定率税と組み合わせていることを見落としてはならない。所得税の累進制は完全なフラットまでとは言わぬまでも、確か2段階か3段階にされ、所得再分配の機能を大きく低下させるものだったはずだ。これは2012年12月の衆院選の際にも弊ブログ(当時はまだ「はてなダイアリー」だったが)で強く維新を批判した点だ。維新の公約はミルトン・フリードマンの流れをくむ典型的な新自由主義経済政策だ。

 そして、その維新の経済政策は今も橋下時代の2012年から全く変わっていないことは、いくら強調しても強調しすぎることはない。これがいま泉健太が全力ですり寄ろうとしている維新の正体だ。

 もっともそんな維新でさえも超高所得者の金融所得の問題は指摘している。以下、公約の153〜157番を引用する。

 

税制改革

  • 153

    物価高騰、コロナ禍に対する特例措置終了後は、消費税については軽減税率制度を廃止した上で8%とし、将来的な地方税化と税制改革を合わせて検討します。

  • 154

    成長のための税制を目指し、消費税のみならず所得税法人税を減税する「フロー大減税」を断行し、簡素で公平な税制を実現します。

  • 155

    フロー大減税を行うと同時に、ストック課税はそのあり方を見直すなど、「フローからストックへ」を基軸とした税体系全体における抜本的な改革を行います。

  • 156

    高額所得者ほど総所得に占める金融所得の割合が高く、所得税負担率に逆累進性が働いている現状を改善し、総合課税化とフラットタックス導入を含む税制改革により課税の適正化・格差是正を図ります。

  • 157

    複雑な租税特別措置法を廃止し、「簡素、公平、活力」の税制へと転換を図ります。

 

 154番に明記されている通り、消費税だけではなく所得税法人税も減税するというのだから、ストック課税(資産課税)をよほど大増税でもしない限り、トータルとして減税になるだろう。かくして「小さな政府」が実現される。フリードマンの理想そのものだ。

 このようなの公約を掲げた維新と「大差ない」というのだから、泉にはやはり新自由主義経済政策への指向性があるとしか言いようがない。

 問題は、こんな維新のような政党でも、「減税」と「増税」に分けると「減税」政党に属してしまうことだ。

 リベラル・左派・左翼は「減税」と「増税」の二分法という愚挙をすぐ止めるべきだ。

 なお、枝野幸男が本当に泉健太を牽制しているのかどうかについては知る由もない。

 それから、消費税率維持ないし増税容認論者が消費税について論じる際、岸田政権がやろうとしていて泉立民も止めようとしない防衛費(軍事費)倍増の政策について何も言わないことに対して私は大いに不満だ。なぜなら、防衛費を劇的に増やす場合、政権側がその財源とする(隠れた)狙いで消費税率を上げようとするであろうことは火を見るよりも明らかだからだ。財源の観点から軍事費倍増政策を批判する人があまりにも少なすぎる。