kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

プロ野球日本シリーズ、オリックスが26年ぶり日本一。ヤクルト、セ球団として直近9年間で6度目の4連敗

 タイトルの通り。オリックスの大エース・山本由伸の故障で条件が五分になったかと思われた今年のプロ野球日本シリーズだが、山本を欠いてもなおオリックスの方が強かった。オリックスは2敗1引き分けからの4連勝で、4勝2敗1引き分けで26年ぶり5度目の日本一になった。

 第6戦からの最大3試合で、ヤクルトの先発投手が一番弱いのが第7戦のサイスニードで、一番強いのは対戦成績が3勝3敗になった場合に行われる第8戦の高橋奎二であることは明らかだったから、鍵を握るのは第6戦だろうなと思っていたが、その第6戦で9月以降好調のライアン小川が好投しながらラオウ杉本裕太郎への1球の失投が命取りになり、打線は初回先頭打者の塩見のヒットだけの1安打、9回には1点ビハインドの場面で登板したマクガフが2試合連続で自滅して2失点して最悪の負け方になった。この時点で、ああ、これはセ・リーグ得意の4連敗パターンに嵌るなと思ったらその通りになった。

 第7戦は7回までは最悪の展開だった。サイスニードは初回先頭打者・太田への初球をセンターバックスクリーンに運ばれたが、第6戦で1安打完封負けを喫しているだけにスタンドはいきなり重苦しいムードに包まれた。過去、リアルタイムでは知らない1964年の日本シリーズ阪神が本拠地・甲子園での第6戦と第7戦に連続完封負けを喫して南海に3勝4敗で敗北したことは知っていたから、ホームチームが6戦7戦で連続完封負けするのはそれ以来かもなあ。それが最初に脳裏をよぎったのはこの太田のホームランを見た瞬間だ。何しろ勝ち試合を見るより負け試合を見る機会の方がずっと多かったから、常にネガティブ思考で見てしまう。

 第7戦のヤクルトで最大の悔いを残したのは5回表の守備だった。サイスニードが先頭の伏見に安打を打たれたあと、宮城と太田の犠牲バントを連続して内野安打にしてしまった。この場面では村上宗隆の守備に問題があった。無死満塁からの宗の一塁ゴロは、オスナの好守で3-3-2(33-4じゃないよ)のダブルプレー。二死二、三塁として中川を打ち取ればピンチ脱出という場面となったが、あろうことかサイスニードが中川を歩かせて、続く最恐の4番・吉田正尚への初球が押し出しのデッドボールになってしまった。この時点で、オリックスの超強力中継ぎ陣を打てるわけがないからシリーズは決まったなと観念した。だが、テレビ観戦している負け慣れたマイナス思考のファンはともかく、選手が気落ちしてはならない場面だった。それなのに、続くラオウ杉本が打った左中間へのフライ、これはいい当たりではあったが追いついていた塩見泰隆が落球してしまい、走者一掃の3点タイムリーエラーとなった。

 ヤクルト打線は宮城に5回まで、6回と7回を宇田川に抑えられて、今シリーズ一番の凡戦を思わせたが、3勝3敗で迎えた第7戦が凡戦になることは意外に多いので、力の差が出てしまったな、仕方ないかと思っていた。ところが8回に塩見から始まる打順で、思いもかけずヤクルトが、第4戦で最速159km/hを記録した山崎颯一郎を相手に猛反撃を見せた。塩見と途中から2番に入った丸山が連打で無死一、二塁、3番の山田哲人は三振して打率0割台で最後の打席を終えてしまったが、4番村上宗隆がようやくタイムリーを放って5対1でなお一死一、三塁。ここで今シリーズで打撃も守備も好調の5番オスナが2号3ランを放って5対4とした。

 こうなると悔やまれるのが5回表の無駄な4失点だ。サイスニードにも村上にも責任があるが、誰よりも責任重大なのは3点タイムリーエラーを犯した塩見だろう。結局塩見が帰した3人目の走者がオリックスの決勝点になった。9回表の打順を見て、ああ、これは塩見が最後の打者になるだろうなと思ったらその通りになった。

 思い出したのは、昨年のレギュラーシーズン最終盤の広島戦で、やはり同点の場面で塩見がセンター前ヒットを後逸して走者一掃を許し、大逆転負けした試合だ。その試合のまえにヤクルトは阪神に1敗1引き分け、広島に大逆転負けした次の試合は読売に1対11の惨敗を喫して阪神にゲーム差なしまで追いつかれた。もし昨年リーグ優勝を逃していたら、塩見は戦犯としてコテンパンに叩かれるところだったが、デーゲームで阪神が勝って、負けたら2位転落という読売戦で、投手の原樹理が戸郷から放った走者一掃の二塁打などでなんとかしのぎ、2日後にヤクルトがDeNAに勝ち、阪神が甲子園で最弱のはずの中日にまさかの完封負けを喫して、なんとかリーグ優勝にこぎ着けた。塩見は戦犯の汚名を免れた上、日本シリーズ第6戦の延長12回で決勝のホームを踏んでヒーローの一人になった。

 しかし今年の日本シリーズ第7戦でやらかしてしまった。第1戦では山本由伸から昔でいう勝利打点となる勝ち越し本塁打を打っているが、昨年の広島戦や今晩のシリーズ第7戦で見せたようなポカ、というより劣勢の場面で気落ちするためか集中力を欠いてしまう悪い癖をいかになくすかが塩見の課題になると思われる。

 昨年のシリーズで戦犯候補から一転して第6戦の延長10〜12回をダブル回跨ぎで抑えて胴上げ投手になったマクガフも、昨年の失敗を繰り返してしまった。しかも今年は2試合続けてやらかしたため、塩見よりさらに重い責任を背負わされることになった。第7戦ではベンチから外されたが、試合開始直前にこのことを知った時にも負けを予感した。

 今年のシーズン前半、マクガフはやらかす機会が昨年までと比較して激減し、それはおそらく昨年の最後の最後に高津監督の信頼に応えることができた自信がものをいったんだろうなと思っていたが、後半戦には「やらかし」が増えた。塩見もマクガフも、結局昨年の課題を完全に乗り越えてはいなかったんだなと思わせた。

 また、今年のヤクルトは7月上旬のコロナ禍以来ずっと好調期がなく、オールスター直後には阪神に、阪神もコロナにやられたあとにはDeNAの追撃を受けたが、阪神戦では村上の3連発で3タテを免れ、横浜でのDeNA3連戦では村上の4発を含む14打席連続出塁で3連勝するなど、勝負どころの試合にだけは強さを見せた。しかしその原動力だった村上が、王貞治に並ぶ55号本塁打を打ったあと、「王を抜く」一発がなかなか打てずにスランプに陥った。この日本シリーズでも村上はそのスランプから脱していないと思われた。ヤクルトにとって一番痛かったのは、この村上とその前を打つ3番・山田の打撃不振だったに違いない。4連敗した第4戦から第7戦での4試合で山田はついにノーヒットだったし、村上は第7戦の最後の打席でようやくタイムリーヒットを打っただけだった。素人でもわかったことは、好調時の村上の特徴である広角打法がほとんど見られなかったことで、強引に引っ張って凡ゴロに倒れることが多かった。その村上がついにタイムリーを打った直後にオスナが3ランを打った。それもおよそ打てそうになかった山崎颯一郎から。こういうこともあるから、5回の守備で集中力を切らしてはいけなかったんだなと思わせた。

 勝ったオリックスは、打線は昨年よりも落ちると戦前から言われていたし実際その通りだったと思うが、目を瞠らされたのは中継ぎ投手陣で、「超強力」と呼ばれるだけのことはあった。中でも宇田川優希と山崎颯一郎の剛速球が目立ったが、宇田川は育成から後半戦に登録され、山崎颯は春先に先発で結果を残せなかったあと後半戦で一軍に復帰して救援に回った。つまり年間通して働いた選手ではないが、レギュラーシーズン終盤からポストシーズンにかけて大活躍した。私は第2戦で初めてこの2人の投球を見て度肝を抜かれた。昨年のオリックスは中継ぎ陣に大きな穴があったが、その豪華中継ぎ陣をシーズン中、それもシーズンの3分の2を過ぎた8月以降だけで確立してしまった。このことだけ見ても、オリックスとヤクルトの差は大きかったと言わざるを得ない。

 第2戦は内山のラッキーパンチともいうべき同点3ランで何とか引き分けに持ち込んだが、9回まで負けパターンの継投をしていたヤクルトが10回以降はマクガフ、清水、田口、木澤と勝ちパターンの継投を普通の試合とは逆順に出せるという恵まれた条件のjはずだった。しかし10回以降も押していたのはオリックスだった。マクガフは昨年の第5戦で山田の同点3ランの直後にアダム・ジョーンズの決勝弾を浴びたパターンを再現するのではないかと思わせる不安定さだった。清水は走者を出したが抑え、田口は吉田正尚を含む2人を抑えた(吉田の当たりはオスナの正面を突いた)が、12回表の一死だけとる役を任された木澤はその一死がなかなかとれず、暴投であわや勝ち越しを許すかとヒヤヒヤさせられた。この試合は結果は引き分けだったけれども、内容的にはオリックスが一方的に押していたと感じた。だから第3戦にヤクルトが勝って2勝1引き分けとなっても、このまま一気に行けるとは楽観できなかった。これもいつものネガティブ思考のなせるわざではあるが、何しろたった3年前に16連敗を食らっているのだから仕方がない。

 本当はレギュラーシーズンだって後半は阪神DeNAがつけ入る隙は十分あったのだ。ところが阪神は矢野監督が逆境に弱く、主力の多くがコロナ禍で登録抹消に追い込まれると監督自身が激しく動揺し、それが選手のプレーにも影響して死のロードの期間中に8連敗した。その間に阪神は4試合だか5試合だか連続してエラーを記録していたはずだ。青柳ら先発投手に投球数を投げさせすぎる傾向もあったように思う。このあたりは、年間通して奥川恭伸が使えず、高橋奎二も何らかの不調で8月下旬以後二軍で調整して、もう少しで一軍復帰かと思わせたタイミングでチーム二度目のコロナ禍に巻き込まれてしまう、さらには原樹理、高梨裕稔らが不振に陥るというどうしようもない投手陣の台所事情となったのにも関わらず、外に向かって動揺を見せることがなかった高津監督とは大きな差があった。戦力的には得失点差から見てもむしろ阪神の方がヤクルトを上回っていたのではないかと思うが、開幕直後や8月中旬などの不調時に監督自身が動揺してしまったとしか思えない大不調に陥ってヤクルトに大差をつけられた。この結果を招いた矢野監督の責任は重い。

 またDeNA横浜スタジアムで17連勝してヤクルトを迎え撃ちながらまさかの3連敗を食うとモチベーションが下がったのかどうか、マツダで広島に3連敗するなどズルズルと後退していった。その間ヤクルトのローテーションは火の車で、大接戦の乱打戦に辛勝した次の日には先発投手が早い回から打ち込まれて惨敗するというありさまだったが、9月に再点灯したマジックをヤクルトは自力ではなかなか減らせず、専らDeNAの敗戦でマジック減らしをしていた。9月のセ・リーグの月間成績はヤクルトが5位だったが、DeNAはヤクルトをも下回る最下位だった。ヤクルトは9月23日からの神宮でのDeNA3連戦の初戦で、負けパターンの中継ぎ投手である大西広樹を先発させなければならないほど先発投手がいなかったので、ペナントは前半の貯金で何とか逃げ切れるにしても、こんなチーム状態でポストシーズンなんか勝てるんだろうかとずっと思っていた。終盤には原樹理と高梨裕稔がほぼ使えない状態になっていたから、彼らが先発する試合は半ば捨て試合にせざるを得なかった。特に阪神戦のローテーションで印象に残っているのは、相手が青柳晃洋だと高梨裕稔をぶつけることが多かったことだ。こういうところは高津監督のドライな一面だと思う。確かヤクルト優勝決定後の試合も合わせて4度青柳と高梨が投げ合い、青柳の3勝1敗だったはずだ。青柳の1敗は、阪神がコロナ禍で苦しんでいた8月中旬だった。それが8連敗の7試合目で、続く8試合目のヤクルト先発は高橋奎二だった。その阪神に打たれて連敗を止めてやったのが、シリーズの第2戦と第6戦に先発したサイスニードだった。彼は今季木澤と並ぶチーム最多の9勝を挙げたが、神宮での読売戦と広島戦でそれぞれ大量失点した試合があった。特に救援投手の分を含めて1イニングに12失点した広島戦の印象が悪かった。そのサイスニードは日本シリーズで大崩れこそしなかったものの好投したとは言い難かった。ヤクルトが今年の後半戦で一時4ゲーム差にまで迫られながらも逃げ切れたのは、阪神DeNAといったライバル球団もまた決め手を欠いたからだと思っている。この点が、レギュラーシーズンが終わりに近づくほど(大詰めでの失速時を除いて)勢いを増していった昨年とは大いに違った。昨年9月に見られた「日替わりヒーロー」は今年は出てこず、村上のホームランの話題ばかりが過熱したことに危うさを感じていたが、その懸念が日本シリーズで出てしまった。

 ヤクルトは第4戦から4連敗したが、これで直近の9年間で実に6度目となるセ・リーグ球団の4連敗となった。

 2014年には阪神ソフトバンクとの初戦に勝ったあと4連敗。最後の第5戦は西岡剛の守備妨害で負けた。

 2016年には広島が日本ハムに連勝したあと4連敗。第2戦では広島の勢いが日本ハムを圧倒していて第3戦でも押し気味だったが、大谷を敬遠せずに「くさい球で勝負した」緩手を最初から悪球を狙っていた大谷に衝かれてサヨナラ負けした第3戦から、その後もずっと接戦続きだったが一戦毎に日本ハムの勢いが増していった。最後の第6戦では救援のジャクソンの交代期が遅れた。中田に押し出し四球を与え、投手の「投げるバース」にまで打たれて気落ちしていたところにレアードを迎えたので、これは危ない、満塁ホームランを浴びるかもしれないと思って見ていたらその通りになった。このシリーズの星取りは、引き分けの有無を除いて今回と同じだったし、2連勝した広島が緩手から試合を落としたのをきっかけに一戦毎に勢いを落とし、敵地での最後の試合にサヨナラ本塁打を浴びたことなど、シリーズの流れも今年と酷似していた。常にマイナス思考の私がヤクルトが連勝した時に思い出したのはこの年の広島であって、同じことにならなければ良いがと思っていたが、悪い予感が的中してしまった。ただ、ヤクルトが8回裏に4点を返して1点差に迫ったことだけは救いだった。

 2018年には同じ広島が初戦引き分け、2戦勝利での1勝1引き分けから4連敗。2016年とともに思い出していたのがこの年の広島だった。やはり第2戦では広島の勢いがソフトバンクを上回っているかに見えたが、敵地での接戦に勝てずに3連敗し、本拠地に戻って投手戦となった第6戦を2対0で落とした。

 2019年と2020年には2年続けて読売がソフトバンクに4連敗した。これは論外。

 そして2022年のヤクルト。

 9年間で6度の4タテというのは、やはり両リーグの力の差は今もあるというほかないのではないか。交流戦では昨年は阪神、今年はヤクルトと阪神の好成績があって2年連続でセが勝ち越したが、今年はたまたまヤクルトの「確変期」に当たっていた幸運に助けられた。こうして相手エースが故障で離脱しても第4戦から4連敗を喫したこと、その相手チームもレギュラーシーズンの最後の最後にようやく優勝を決めたことを考えても、リーグ間格差はやはり今もあると思わずにはいられない。この格差は7年前にヤクルトがリーグ優勝した2015年頃が最大で、この年はセが交流戦で大敗したために、7月に初めてヤクルトが首位に立った時には負け越していた、つまりセは全球団が負け越しているという惨状を呈していた。当然日本シリーズではソフトバンクに歯が立たなかったが、唯一第3戦で山田哲人が3連発を放って勝ち、辛くも4タテだけは免れた。しかしその第3戦さえ途中までは接戦で楽には勝てなかったのだった。

 日本シリーズの敗退が決まった途端、昨年の第1戦に先発したヤクルトの奥川恭伸投手が右肘を痛めており、トミー・ジョン手術を検討しているとの報道があった。やはりそうかと思わずにはいられない。ヤフコメなどを見ていると、最後は山本由伸に出てきて欲しいと無邪気に書くオリックスファンがいたが、野村克也に酷使された岡林洋一伊藤智仁のその後を知る私は、そんな残酷なコメントを書くなよと思った。かつてはヤクルトに限らず酷使で潰された投手たちは多かった。1994年の10・8で敗戦投手となった中日の今中慎一は、8月に肩を痛めたことを申し出て登録抹消してもらったが、9月には一軍に戻ってこいと命令されたという。時の監督は星野仙一ではなく高木守道だったが、投手の酷使に関しては高木も星野と同罪だった。というのは、無理やり一軍に戻した今中が先発した阪神戦が降雨でノーゲームになると、高木は翌日の広島戦に今中を再び先発させるという暴挙に出たのだ。今中は打たれたが中日は逆転勝ちして読売を猛追し、最終戦での決戦になったが、肩の不安を抱えた今中が本来の力を出せなかったのも致し方なかったろう。私が90年代の投手の酷使で思い出すのは、ヤクルトの岡林・伊藤とともに中日の高木守道が壊した今中と星野仙一が壊した野口茂樹だ。

 山本由伸には彼らと同じ道をたどってもらいたくない。もちろん奥川も同じで、仮にトミー・ジョン手術となると来年も1年通して登板できないに違いない。しかしヤフコメには、そんな奥川を今年のヤクルトの戦犯に数え上げる心ない書き込みがあった。そういえばヤフコメといえば、なんでオリックスとヤクルトの日本シリーズなのにこんなにしゃしゃり出てくるのかと思うくらい「阪神ファン」が異様に多数登場して不愉快極まりなかった。たとえばオリックスファンが第4戦で1対0で勝った試合後に「ヤクルト打線を抑えられるのはオリックスだけ!」と書くと、激怒した阪神ファンが横槍を入れてきて、阪神の投手陣がいかに優秀かを声高に叫び、オリックス・ヤクルト双方のファンと喧嘩していた。彼らの多くは「来年は阪神オリックスとの日本シリーズが見たい」などと抜かしていたが、仮に私がオリックスファンなら阪神との日本シリーズだけは絶対に見たくないと思うに違いない。それはメディアや阪神フーリガンによって、オリックスのホームゲームであろうが一方的にオリックスが悪役にされてしまうからだ。京セラドームで行われた今年の交流戦阪神オリックスを3タテしたが、そのテレビ中継は実にひどかったらしい。オリックスの主催戦は、かつての阪急ブレーブス時代に関西テレビが中継権を独裁していた関係で、今でも関テレの放送が多いが、関テレは阪急阪神東宝ホールディングスとフジ・メディア・ホールディングスの持分法適用会社でもあるため、オリックス阪神交流戦では一方的な阪神びいきになるらしい。最近の日本シリーズ阪神戦での朝日放送(ABC)を除いて地元局ではなく東京キー局が制作するため、関テレが放送した第3,5戦でも制作はフジテレビであって、そのせいでずいぶんヤクルト寄りの中継だったらしいが、オリックスファンによると阪神との交流戦での阪神びいきはそれよりもずっとひどかったとのこと。私はかつて神宮球場での読売戦中継で、読売に阿ったフジテレビの読売びいき放送にさんざん腹を立てた嫌な思い出があるので、オリックスファンの怒りには同情を禁じ得ない。そういえばヤクルトがリーグ連覇したのでまたぞろ「セ・リーグ伝統の一戦で優勝を争わないと盛り上がらない」とか「3都の人気チームである××・阪神・中日が強くないと面白くない」などというふざけた声が聞かれるようになった。来季から復帰する阪神岡田彰布監督が異様なまでに持ち上げられているのも、そういう構図が待望されていることの反映だろう。

 そんなふざけた構図など真っ平御免だ。来年はセではヤクルト、DeNA、広島の三つ巴の戦いを期待したい。その勝者がパの覇者を争う日本シリーズが見たいものだ。