kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

きょうプロ野球開幕。セはヤクルト連覇を予想するが、その理由は…

昨年は開幕戦を延長戦で制したあとに記事を書いたが、今年は開幕戦の前に書く。東京ドームでのあの悪の権化・読売球団相手の開幕戦はどう考えても分が悪いとしか思われないからだ。読売の先発が予想される菅野は、昨年ヤクルト戦勝ちなしの4敗で、クライマックスシリーズも合わせるとヤクルト戦5連敗だが、うち4敗(公式戦では3敗)は神宮球場での試合であって、東京ドームでは1試合で0勝1敗ながら2失点、1対2の惜敗だった。つまり東京ドームではヤクルトが菅野を打ち込んだとはいえない。なお昨年のその試合は、ヤクルトがマジック「3」を点灯させ、事実上ペナントレースに決着をつけた大一番だった。そのあとの阪神とのクライマックスシリーズ第1ステージ第2戦でも敗戦投手になった菅野は、大試合に弱いという印象はある。しかし、菅野と投げ合うヤクルトの小川は、プロ入り以来昨年までの3年間で、東京ドームでは一度も勝ったことがないはずだ。2012年の同じ東京ドームでの開幕戦で、9回途中までノーヒットノーランの快投を見せて完封勝利を飾り、菅野が東京ドームで1対2で負けた前述の昨年10月の試合で、5イニングで降板とはいえ1失点で勝利投手になった石川雅規の方が、こと東京ドームでの試合なら小川よりはまだ勝てる可能性がありそうに私には思えるのだが。

そんなわけで、開幕戦にはあまり期待していないが、ヤクルトの2連覇には大いに期待している。ヤクルトの戦力は昨年よりリリーフ投手陣が悪いが、昨年リーグ優勝したことが財産となっているはずで、昨年よりはベースラインを高く見積もって良いと思う。昨年は、読売、阪神、広島のいずれかが持てる力を出せばヤクルトの優勝はなかった。3球団とも決め手を欠く中、「絶対落とせない試合」を全部しぶとくものにしていくうちに、気がついたらヤクルトが優勝していたのだった。ただ、真中監督が「お前らにはできる」と信念を持って選手を叱咤激励したというか、真中監督自身が「ヤクルトは優勝できる」と信じて采配をふるったことが優勝につながったと私は見ている。そして今年も真中満が監督を務める。

前述のライバル3球団のうち、広島は昨年までのエース前田健太が抜けた。テレビを見ていると、今年は槙原寛己山崎武司が広島を最下位に予想していた。そこまで落ちるとは私は思わないが、広島の一番ありそうな順位は昨年と同じ4位だと思う。ただ、3位と4位の差は昨年より開くのではないか。5位と6位は言わずと知れたDeNAと中日で、今年は中畑清という「負ける要素」が抜けたDeNAが5位、谷繁元信という「負ける要素」が残る中日が最下位と予想する。中日の落合博満は監督としては野村克也と張り合えるくらい超優秀だったが、球団経営の能力はさっぱりないようだ。中日の選手の処遇を見ていると、緊縮財政政策を行って国の経済をダメにする無能な政府をいつも連想する。

となると、今年もヤクルト、読売、阪神のAクラス争いということになるが、昨年同様、読売も阪神も決め手を欠く。監督は読売も阪神も代わった。阪神の金本監督の評判が良く、投打、特に先発投手陣の頭数が揃っているとのことで、阪神を優勝候補に挙げる評論家は少なくない。特に、槙原、中畑ら読売出身の評論家たちが、野球賭博の現役選手や覚醒剤のOBを次々と排出した古巣の優勝を予想するのは気が引けるのかどうか、こぞって阪神優勝を予想している。

しかし、昨年も書いたことだが、前評判の高い年の阪神は決まってこける、というジンクスがある。だから今年も阪神の優勝は無理だろう。先発投手が良いと言っても、藤浪晋太郎を除いてベテランが多く下り坂だ。昨年は、昔からあれほどヤクルトに強かったメッセンジャーが後半戦に入って本拠地・甲子園でヤクルトに連敗した。あの2試合のどちらかにメッセンジャーが勝っていれば昨年は阪神が優勝したに違いないと私は思っているが、メッセンジャーの神通力もどうやらピークを過ぎたと見る。また、ヤクルトが優勝を決めた試合にリリーフしてサヨナラ負けした能見篤史は、以前からヤクルト戦が得意でないうえ、かつてあれほど強かった読売戦でも近年は打ち込まれている。岩田稔も9勝8敗(一昨年)とか8勝10敗(昨年)の投手だ。となると昨年ヤクルト戦負けなしの4連勝の藤浪晋太郎がどれくらい大車輪の活躍をできるかにかかっている。こうしてみると、評判の高い阪神の先発投手陣も決して盤石ではない。しかも昨年は阪神打線が低調をきわめた。例年Aクラスにいる経験を活かした試合巧者ぶりを発揮してなんとか踏みとどまっていたが、得失点差だけを見れば昨年の阪神はBクラスでも仕方のない成績だった。ヤクルトに入る予定を阪神が横取りした高山俊が良いと言われるが、阪神打線が昨年と比べて目覚ましく良くなるとは思えない。

読売も決定力を欠く。昨年読売が優勝争いに踏みとどまる原動力となったマイコラスと、チームリーダーの阿部慎之助がともに開幕に間に合わないらしい。坂本も長野も伸び悩んでいるし、先発投手もマイコラスが抜ければ菅野とポレダくらいしか怖くない*1。しかも前述のように読売は球団のイメージが地に堕ちている。今年は読売に天罰が下ってしかるべきだと考えるファンも多いのではないか。それでなくても、読売の選手は逆境に弱い。だから読売も優勝は無理だろう。

となると、消去法でヤクルトの優勝という結論になる。

さらに怒られそうなゲン担ぎだが、今年2月に清原和博覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された。23年前の1993年3月に、元阪神江夏豊が同じ容疑で逮捕されたことが思い出される。ともに前年ヤクルトが優勝したあとのオフシーズンの出来事だった。昨年はその23年前(今から24年前)と同じようにヤクルトは阪神、読売との3球団の混戦を制して優勝したし、1992年と2015年の両方で、優勝チームのシーズン最多連敗である9連敗を記録している(1992年は9月、2015年は5月。この2例以外に、シーズン中に9連敗以上を喫して優勝したチームはない)。このように、昨年のヤクルトは不思議なほど1992年と共通点が多かった。その伝で行けば、23年前と同じようにヤクルトの連覇ということになる。ちなみに1993年は、9月に入ってもたついた前年とは違い、9月初めに一瞬だけ中日に首位を譲った直後に、一気にスパートをかけた。中日も必死に追撃したが、最後は息切れしてヤクルトに大差をつけられた。前年に苦しみながら優勝を勝ちとった経験がヤクルトの大きな財産になったのだった。

ここまで、ヤクルトの戦力の分析はほとんどしていない。偉そうに「今年の山田哲人は」などと書いても当たるはずもないと思っているからだ。そのくせ阪神や読売の戦力については勝手なことを書いているが、人のことばかり気になるという悪い癖だ(笑)。セ・リーグの順位予想を一応示すと、常識的なバージョンはヤクルト、阪神、読売、広島、DeNA、中日ということになる。しかし、1993年を繰り返すのであれば、2位は阪神や読売ではなく、前年度の最下位球団という可能性もある。1993年に今中、山本昌の2枚看板と大豊らの強打で一時ヤクルトから首位を奪った中日は、その前年(1992年)は最下位だったのだ。昨年の最下位はDeNA。Bクラス予想の3球団で一番大化けしそうなのは、実はDeNAではないかとの気もする。昨年DeNAを17勝8敗とカモにして優勝したヤクルトだが、その前は2年連続でDeNAに8勝16敗とカモにされ、2年連続最下位に終わった。今年不気味さを感じるのはそのDeNAだ。繰り返すが、中畑清がいなくなったことはDeNAにとっては大きなプラスだ。DeNAが大化けすると仮定したバージョンの予想順位はヤクルト、DeNA阪神、広島、中日、読売となる。突然の気まぐれで読売を最下位に予想したが、私の勝手な願望の反映である(つまり特に根拠はない)ことはいうまでもない。

以上弱小セ・リーグについて書いた。パ・リーグ山崎武司の言う通り、「1位については何も言うことがない」とは誰もが思うところだろう。報ステオリックスの優勝を予想した稲葉篤紀は、そのことだけでも今後指導者として成功できるか大いに疑問を感じてしまった。いくらなんでもオリックスはないだろ。ヤクルトがソフトバンク日本シリーズで勝てる気はしないけど、オリックスになら運が良ければ勝てそうな気がするぞ。稲葉は元ヤクルト・日本ハムのくせにヤクルトも日本ハムも3位に予想したのも気に食わない。稲葉は昨年、セは読売、パはオリックスの優勝を予想してともに外した。その「逆神」ぶりを考えると、今年稲葉に優勝を予想されたことは、阪神オリックスにとってはむしろ不安材料なのではないかと思った。

私のパ・リーグの予想は、順当にソフトバンク、西武、日本ハムオリックス、ロッテ、楽天とした。星野仙一が取締役副会長を務める楽天は、星野が球団を去らない限り最下位を予想し続けるつもりだが、今年は評論家たちの予想も楽天最下位で一致しているようだ。

*1:いくら神宮でプロ入り以来未勝利だろうが菅野は手強いとは思うが。阪神の藤浪も昨年5月以前はプロ入り以来神宮で未勝利だったが、昨年は神宮での2勝(うち1試合は完封)を含む4勝0敗とヤクルトを抑え込んだ。