kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本シリーズ第1戦、オスナの打球の「疑惑」とされた判定は正しく、打球は三塁ベースに当たって打球の方向が変わっていた/懸念される山本由伸のアクシデント

 日本シリーズ第1戦は、予想もしなかった展開になった。

 ヤクルト先発の小川は初回から球が高く不安定な立ち上がりだったが、結果オーライで1回表をゼロに抑えた。

 その裏のヤクルトの攻撃で、先頭の塩見がオリックスの絶対的エース・山本由伸の初球を叩いていきなりレフト前ヒット。2番・山崎は三振したが、この時塩見が二盗した。これが、この日4打席全てに三振した3番・山田に続く4番・村上のストレートの四球につながった。

 問題はその直後の5番・オスナが放った三塁線への当たり。フジテレビの映像ではファウルに見えたが、判定はフェアで先制の2点二塁打になった。この打球は私にもファウルにしか見えなかった「微妙な判定」だったため、スポーツ紙はおろか軽率な毎日新聞までネット記事(下記)にして、ヤフコメではCSファイナルステージで3点をリードされた2回表に原口のハーフスイングをめぐって不利な判定に泣かされた阪神タイガースのファン、というより(横浜スタジアムで騒動を引き起こした連中と同様の)フーリガンどもがヤフコメなどで騒ぎ立てる不愉快な騒動になった。

 

mainichi.jp

 

「ファール」? オリ山本が浴びた際どい一打 日本シリーズ第1戦

毎日新聞 2022/10/22 21:40(最終更新 10/23 00:20

 

 プロ野球の日本一を決める「SMBC日本シリーズ2022」が22日、2年連続、ヤクルト―オリックスの組み合わせで開幕した。

 

 際どい一打がヤクルトに先制点をもたらした。一回2死一、二塁の場面で打席に立ったオスナ。オリックスの先発・山本由伸のカーブを捉えた。打球は三塁線への際どいコースに飛んだが、塁審はフェアと判定して、走者2人が生還した。

 

 オリックス中嶋聡監督はベンチを出て、審判とやり取りするも、審判員より前方の打球はリクエスト対象外と定められており、そのまま試合は続行された。

 

 審判にリプレー検証を要求できる「リクエスト制度」だが、投球判定やハーフスイング、打撃・走塁・守備妨害などの一部のプレーは、対象外となっている。

 

 ツイッターでは「ファール」「ファウル」がトレンド入りするなど、注目を集めるワンプレーとなった。【角田直哉】

 

出典:https://mainichi.jp/articles/20221022/k00/00m/050/242000c

 

 上記記事についた括弧付きの「ファール」はもちろん皮肉であって、いまどき野球についてSNSで発信する連中は「ファール」なんて表記するのか、という意味が込められている。

 私の認識では、かつて掲示板投稿者だった2005年以前にも「ファール」と表記していた連中はいたがごく少数で、(プロ)野球に蘊蓄を傾けようという人間なら「ファウル」が当たり前だった。話言葉では「ファール」という人でも、書き言葉では「ファウル」だった。野球に関するメディアの記事の表記が「ファウル」なのだから当たり前だ。しかし確かにヤフコメだのツイッターだのでは「ファール」表記が多い。

 かつて地上波で毎晩読売戦中継をやっていた頃と違ってレギュラーシーズンでの地上波中継がほとんどなくなって人口が減ったプロ野球ファンには、普段プロ野球中継を見なくなった私などとは違って熱心なファンが多く残っていると思っていたのだが、少なくとも日本シリーズのように注目の集まる試合では違うようだ。それどころか、セ・リーグのCS第1ステージのDeNA阪神戦で目立ったような阪神フーリガンどもが、応援するチームが出てくるわけでもない日本シリーズについて「歴史的誤審」「ヤクルトを勝たせようとする判定」だのといった悪罵を垂れ流していることには呆れるほかなかった。もっとも1990年のセ・リーグ開幕戦での「読売・篠塚の疑惑の本塁打」の時には私もいきり立っていたから、当時の私は今の阪神フーリガンといくらも変わらなかったのかもしれないが。

 で、問題のオスナの一打はどうだったかというと、これは確かにフジテレビの中継ではファウルにしか見えなかった。中継を見ていて、なんだ、フジテレビは他の角度からの映像を撮っていないのかよと不審に思った。こういう微妙な判定の時には、昔は必ず他の角度から見た打球を映したものだが、フジはそれをやらなかった。コスト削減のために番組制作の人員をカットしてでもいるんだろうか。

 でもどっかでフェアかファウルかがわかる動画があるに違いないと思ったら、やっぱりあった。

 

 

 動画を見れば一目瞭然、オスナの打球は三塁ベースに当たったからこそ打球の方向が変わった。ルールではベースの一隅をかすっただけでもフェアだから、オスナの打球は完全にフェアだ。野村監督時代の試合になぞらえるなら、1990年の開幕戦ではなく1992年9月11日に甲子園球場で行われた延長15回の試合で八木が岡林*1から打った一打に近い。あれは最初本塁打と判定されたが(この判定のままなら阪神のサヨナラ勝ちだった)、外野フェンス(の最上部)に当たってスタンドに入ったので、甲子園球場のグラウンドルールに従ってエンタイトル二塁打と判定が覆り、このピンチを岡林が抑えたために試合は延長15回まで続いた。ただ、あの判定さえ阪神フーリガンの世界では「誤審」ということになっているらしいから呆れる。

 下記は上記ツイートへの反応。

 

 

 まったくだ。ざまあみやがれ、阪神フーリガンどもめ!!

 

 下記2件は、事実を突きつけられても認めようとしない阪神フーリガンの負け惜しみツイート。これには苦笑を禁じ得ない。

 

 

 

 今回連想したのは、泉健太が代表になって比例票の2〜4割、無党派層に限っては4割以上を失った事実を突きつけられても「アーアー聞こえなーい」の態度を貫く立民・泉の支持者だった。それに比べれば、阪神フーリガンの愚行も「たかが野球」だからまだマシかもしれない。しかし私にとっては大いに不愉快であることには変わりない。

 日本シリーズの試合の話に戻ると、決して好調ではなかった小川は2点のリードを直後の2回表にさっそく吐き出して同点にされ、さらに二死満塁のピンチが続いたが、オリックスの宗を抑えて勝ち越しは許さなかった。すると、山本は3回裏に塩見、4回裏にオスナにそれぞれソロ本塁打を浴び、5回裏先頭の小川の代打・キブレハンを0-2と追い込んだあとにファウルを打たせた投球で「左脇腹をつったような感覚」に襲われて降板した。

 バックネット裏から試合を見ていたフジテレビの解説者・五十嵐亮太が指摘するように、山本は最初から違和感を持って投げていたところに「左脇腹をつった」のか、それともキブレハンへの投球の時に初めて異常を感じたのか。昨夜は初球に浴びた塩見のヒットといい、あわやホームランかと思われた2回裏の長岡の右飛といい、山本の投球は明らかに昨年のシリーズとは違ったので、もしかしたら前者かもしれない。一方後者であり、かつ体調に問題がなければ、昨夜の投球数が64球だったこともあり、中4日で京セラドーム大阪の最終戦である第5戦に先発する可能性がある。

 

full-count.jp

 

エース山本が2被弾を許し5回途中4失点で降板、左脇腹の違和感も

 

ヤクルト 53 オリックス日本シリーズ22日・神宮)

 

SMBC日本シリーズ2022」は22日、神宮球場で第1戦が行われオリックス3-5でヤクルトに敗れた。先発・山本が左脇腹がつったような感覚を訴え5回途中4失点で降板。絶対的エースで初戦を落としたパ・リーグ覇者にヤクルト、日本ハム阪神DeNAでプレーした野球解説者の野口寿浩氏は「山本の状態次第ですが、不安の残るスタート」と分析した。

 

 2年連続「投手4冠」の最強エースが、まさかの4失点と誤算だった。山本は初回に2死一、二塁からオスナに三塁線を破られる2点適時二塁打を浴び先制を許す。

 

 さらに同点の3回には先頭・塩見に左中間へ勝ち越しソロ、4回にも先頭・オスナにリードをソロを浴びた。5回もマウンドに上がったが先頭の代打・キブレハンへの3球目を投じたところで異変を感じ自らマウンドを降りた。

 シーズンではなかった1試合2被弾に左脇腹の違和感。日本シリーズ初戦でエースが緊急降板する事態に、野口氏は「投げている時はアドレナリンが出て大丈夫かもしれないが、翌朝になってみないと分からない。痛めたとなれば脇腹は長くかかる箇所。つっただけなら大丈夫かもしれないが、違和感が続いているならこのシリーズで投げられない可能性もある」と語る。

 

山本が投じた全64球中、ストレートは24球「マウンドが合わなかった影響も」

 

 シーズンで見せた無双とは程遠かった。神宮での登板は20186月の交流戦以来で先発はプロ初。神宮のマウンドを苦手にしている投手は多く、山本にとっても不慣れな場所だったかもしれない。序盤からボールが高めに浮く場面もあり、思い通りの投球内容ではなかった。

 

 実際に山本が投じた全64球中、ストレートはわずか24球。野口氏は「マウンドが合わなかったため制球、ボールの力にも影響したかもしれない。普段通りに足を使って投げられず、上半身で投げることで脇腹がつる可能性もあります」と指摘する。

 

オリックスにとっては不安の残るスタート。山本にアクシデントがなく、ただ打たれたなら『次はやってくれる』と思える。ですが、あのような降板はチーム全体にも多少なりとも影響は出るかもしれません。大事に至らないことを願うばかりです」

 

 エースでまさかの初戦を落とした中嶋オリックス。昨季のリベンジ、そして26年ぶりの日本一に向けて苦しいスタートになった。

 

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto

 

出典:https://full-count.jp/2022/10/23/post1298459/

 

 記事には「神宮のマウンドを苦手にしている投手は多く」とあるが、今シーズンのヤクルトは神宮での勝率がロードでの勝率よりずっと悪かった。これには神宮での村上の本塁打数が少なかった影響もあるが、ヤクルト投手陣の中にも神宮のマウンドを苦手にしている投手が多いってことかなと思ってしまった。

 神宮を苦手にしている投手として思い出されるのは読売の菅野だが、ヤクルトは2018年のCS第1ステージ第2戦でその菅野にノーヒットノーランをやられて敗退した。山本由伸のアクシデントが大したことなく、かつ第5戦ではなく第6戦以降の先発であったとしても、調子にさえ乗れれば神宮でも好投できるだろう。

 問題はやはりアクシデントの程度だ。

 最近は、選手の故障の詳細を明らかにしない例が多い。その代表例がほかならぬヤクルトだ。開幕2カード目にして本拠地開幕戦だった読売戦初戦に先発した奥川恭伸が、奇しくも昨夜の山本由伸と同じ4イニングで降板したが、高津監督はアクシデントの詳細を語らなかった。結局奥川はそのままレギュラーシーズンの登板がなく、日本シリーズ出場選手にも登録されなかった。アクシデントの詳細は未だに明らかにされていない。

 また、8月25日の広島戦を最後にレギュラーシーズンの登板がなかった高橋奎二は、その後新型コロナに感染したため、コロナ感染のことしかいわれていないが、8月25日の登板後登録を抹消されてからコロナ感染が明らかになった9月13日までの間、なぜ登板がなかったのかも明らかにされていない。何らかの故障があったと考えるのが自然だ(高橋はコロナ感染の直前、二軍で練習していたことは確認されている)。

 今回のオリックス・山本由伸のアクシデントについても、中嶋監督は「俺もわかりません」と言っている。

 

news.yahoo.co.jp

 

オリックス中嶋聡監督、左脇腹つった山本由伸の状態は「俺も分かりません。病院の先生じゃないし」

10/22(土) 22:55配信

 

 オリックスはエースの山本由伸投手が5回途中4失点で降板し、黒星スタートとなった。

 

 中嶋聡監督は左脇腹をつったような感覚を訴え、降板したエースについて「俺も分かりません。病院の先生じゃないし」と多くを語らなかった。

 

 山本は初回にオスナに左翼線への2点二塁打を浴びると、塩見、オスナに一発を浴び、4失点。5回に先頭の代打・キブレハンに3球投げたところで、違和感を訴え降板。症状次第では、今後の登板に影響が出そうだ。

 

 チーム全体については「ああだこうだ言っても仕方がない。切り替えることしかできない。反省して明日に切り替えてくれと。それしかないです」と前を向いた。

 

(スポーツ報知より)

 

出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/9d88f5e2ef3061858c50095743b338a888a0814e

 

 マクガフが3失点してサヨナラ負けした昨年の第1戦に続いて、今年の第1戦も波乱の幕開けとなった。またしても2点差で、これで昨年から7試合続けて2点差以内の勝負が続いている。今年は投手力が違いすぎてヤクルトはオリックスに勝てないだろうと予想していたが、思わぬ幕開けになった。

*1:余談だが、あの試合で9イニングを投げて「完封」した岡林を中1日で同じ甲子園の3戦目の延長10回にリリーフさせた野村監督の投手起用に対しては当時でも異常な采配だ、岡林が故障しなければ良いがと思ったが、その少しあとに懸念が現実になってしまった。もちろん現代野球ではこんな采配は許されない。それどころか、勝ちパターンのリリーフをJFKで固定し、ことに久保田智之を酷使した2000年代半ばの岡田彰布の采配も今では許されない。さすがに岡田も就任会見で、来年からの采配ではかつての「酷使」に当たるような投手起用はしないとの言質を取られた。