kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ヤクルト「コールド引き分け」、オリックスは「サヨナラ引き分け」で日本シリーズ進出決定

 コロナ禍の影響で今年のプロ野球を「9回打ち切り」にして、クライマックスシリーズでもそれを踏襲した結果ではあるが、セ・リーグのヤクルトが「コールド引き分け」、パ・リーグオリックスが「サヨナラ引き分け」でそれぞれ日本シリーズ進出を決めた。

 パ・リーグでは既に第1ステージでロッテが楽天に「コールド引き分け」でファイナルステージ進出を決めているが、過去には2014年のセ・リーグ第1ステージで阪神が広島相手に延長12回表終了時に両チーム無得点だったためにコールド引き分けでファイナルステージ進出を決めた例があるだけだ*1。なお2011年のパ・リーグファイナルステージ(ソフトバンク対西武戦)で同様の例があったが、12回表終了時同点でソフトバンク日本シリーズ進出が決まっていたのに12回裏を行い、ソフトバンクがサヨナラ勝ちした。この時には1988年の10・19の10回裏に似てなくもないけど重みは大違いだよなあ、12回裏なんかやる必要ないじゃんと思った。だからパ・リーグよりも先に「コールド引き分け」を採用していたセ・リーグには、このリーグには珍しく良い判断だと思った。そもそもレギュラーシーズンの優勝チームが全試合をホームで行って1試合のアドバンテージまでもらって負けたらとんだ恥さらしなのであって、そんな罰ゲームを優勝チームに課すこの制度が良いとは全く思えない。2011年に中日に逆転優勝をさらわれたヤクルトは、第1ステージで読売を破り、ナゴヤドームで行われたファイナルステージでも初戦に負けた後連勝して「2勝2敗のタイ」に追いついたが、レギュラーシーズンのようには熱中できなかったし、そのあとの2試合に連敗して敗退した時も、そりゃレギュラーシーズンでもやられたんだから仕方ないと思った。こんな制度はもういい加減に見直すべきだ。

 とはいえ、相手が読売だっただけに負けなくて良かった。6年前にも同じことを書いた記憶がある。読売の無気力さもあの年と似ていた。第2戦で敗戦投手になった天敵・菅野は打たれても*2ヘラヘラしていた*3。さすがにこのチームに負けたら恥だと思った。その意味では第3戦の「コールド引き分け」での決着はやや物足りなかった。二桁得点で読売を粉砕するくらいの試合であっても良かった。オリックス対ロッテというレギュラーシーズンでも激しい競り合いを展開したカードとは違う。今回は第1戦がエースの完封、第2戦では継投での完封というのが両リーグとも同じで、第3戦では3回表に先制を許したあと逆転した直後に追いつかれたところまで同じという奇妙なめぐり合わせだったが、強敵を相手にしたオリックスとレギュラーシーズンで負け越した弱敵が相手だったヤクルトで試合展開が似ているというのは、どうやら同じ2年連続最下位からのリーグ優勝でも、オリックスの方が一枚上だなと思わせた。「サヨナラ引き分け」の幕切れもオリックスの方がずっと派手だった。第2戦は在京のスポーツ紙も、日刊スポーツとスポーツニッポンオリックスが1面を飾った。何よりオリックスにはレギュラーシーズンから通算して16連勝の絶対的エース・山本由伸がいる。

 しかしいつも書く通り勝負は時の運。来週末からは3年ぶりに日本シリーズをテレビ観戦することにしたい。過去2年、あの球団とソフトバンクとの顔合わせではテレビを見る気も起きなかった。

*1:この時にはファイナルステージで阪神が読売に4連勝して日本シリーズ進出を決めたが、日本シリーズではソフトバンクに1勝したあと4連敗した。

*2:とはいえ失策絡みのため菅野は5失点だが自責点は1で、クライマックスシリーズファイナルステージでの防御率は1.59だった。塩見の走者一掃の二塁打にしても会心の当たりではなかった。ヤクルトの打倒菅野の課題は来年に持ち越された。

*3:原辰徳と縁戚関係にある菅野ですらこの態度では、原からはよほど選手たちの心が離れていると見える。来年は47年ぶりの読売最下位が期待できるかもしれない。しかし仮にそうなっても、かつての長嶋茂雄とは違って原は全く同情されないに違いない。