kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ヤクルト、試合後の「六甲おろし」を一度も歌わせることなく日本シリーズ進出を決定

 もう日付が変わったが、昨日(10/14)は多忙期にある今の私にとってもとりわけ大きな山を越えなければならない日だった。だからプロ野球クライマックスシリーズの途中経過を確認することもなく、それどころか帰宅してテレビをつける間もなく寝てしまったが、午前0時頃目が覚めてテレビのスイッチを入れたら、news23のスポーツコーナーの真っ最中だった。しかも、村上宗隆がヘッドスライディングをした場面がいきなり目に飛び込んできたのだった。アナウンサーは7回にヤクルトが一挙5点を挙げて逆転したと言った。朦朧とした頭でも、ああ、これはスワローズが勝ったんだなと思ったら、その通りの結果がアナウンスされ、画面に6対3のスコアが表示された。

 あとでスコアを確認すると、7回裏にヤクルトが放ったヒットはその村上の内野安打1本だけで、あとは中5日の先発で疲れが出てきた阪神先発の青柳が出した3四死球球宴の浜地が出した四球、それに阪神・マルテと村上の打球の処理を誤った浜地の失策だった。1本の内野安打(実際には平凡な内野ゴロ)と4四死球と2失策での5点だから、内容的には完全な阪神の自滅だった。

 でも阪神ファンに1度も試合後の六甲おろしを歌わせなかったことと、予祝の実現を阻んだことは良かった。過去2回、クライマックスシリーズのファイナルステージで読売に勝った時と同じで、負けなくて良かったという感想だ。

 クライマックスシリーズが始まった2007年にはもうブログをやっていたから、当時から私がこの制度には反対であることは何度も書いてきた。2011年に落合中日最後の年にに大逆転でリーグ優勝をさらわれたあとのクライマックスシリーズは、確か初戦で当時の中日の大エースだった吉見に負けたあとに連勝して、アドバンテージ込みで2勝2敗としたが、レギュラーシーズンで全然勝てなかったナゴヤドームで連勝するとは、短期決戦では何が起きるかわからないな、とは思った。しかし、レギュラーシーズンのようにヤクルトは熱心に応援する気にはなれなかった。故障を抱えながら奮戦していた館山が第5戦で打たれた時に、館山で負けるんだったら仕方ないなと思ったが、この年のCSにはその程度の印象しか残っていない。ヤクルトがリーグ優勝してファイナルステージを戦った2015年、21年、それに今回は、読売や阪神なんかに負けるなよと強く念じたが、応援の気合いはやはり入らなかった。こんな邪魔っ気なCSは早く終わってほしいと思う気持ちの方が強かった。現にこの3日間も試合のと中継経過を追うこともなかった*1

 2015年と昨年の読売もそうだったが、今年の阪神も冴えない戦いぶりだった。ヤクルトはクライマックスシリーズファイナルステージに関しては、2015年の第1戦を石川で負けたのを最後に、同第2戦から今年の第3戦まで、昨年第3戦の1引き分けを挟んで8連勝となった。相手球団にとっても、リーグ優勝を決めたチームとの敵地での対戦はやりにくいものなのかもしれない。

 もっとも阪神は2014年のファイナルステージで読売に4連勝している。勝った阪神の和田監督は、2007年に同様に読売を3タテした中日の落合監督に続いて、胴上げはしなかった。パ・リーグでは2010年にリーグ優勝チームのソフトバンクを破ったロッテの西村監督が胴上げされたが、2014年の阪神以降は2位、3位の球団が勝った時は(2017年のDeNA、2018,19年のソフトバンク)リーグ優勝チームとその本拠地のファンを尊重して胴上げはやらないことが普通になったようだ。落合博満和田豊は良い前例を作るのに貢献したといえる。

 優勝チーム及びそのファンにとっては、全試合本拠地開催でアドバンテージまでもらっておきながら負けるのは、選手たちにとっては本拠地のファンの前で恥を晒す「罰ゲーム」以外の何物でもない。その罰を食らって相手監督の胴上げだを見せつけられたり六甲颪だの闘魂こめてだのを聞かされたりしたらたまったものではない。ましてや今はコロナが蔓延期にあり、別記事でデータを示したいが第8波は立ち上がる恐れも少なからずある。

 その意味で、かつての和田豊は偉かったが阪神ファンは最悪だ。今回、横浜スタジアムでの一件を期に「阪神ファンバッシング」が起きたが、残念ながら「『一部の』阪神ファン」という表現を使う気が起きないくらい批判されていきり立つ阪神ファンが少なくともネットでは目立った。私は彼らの言い分を目にして、まるで例の零細政党の信者みたいだなと思った。平気で他人の家に上がり込んで乱暴狼藉を働く奴ばら、としか思えない。その意味で、今回ヤクルトが「『六甲おろし』封じ」をやってのけたことには快哉を叫ぶ。昨夜は一瞬村上のヘッドスライディングを見ただけで、疲れが噴き出して本記事を書いている途中で眠気に負けて寝てしまい、朝になって続きを書いているが、まともな阪神ファンたちにも、従来の自分たちのあり方に思いを致していただきたいと思い、以下にこれまで抱いてきた鬱憤を少し書く。

 今回のCSでは、横浜スタジアムのみならず神宮球場でも、阪神応援団は左翼席の一角を占めるだけで、かつてと比較してスタンドに占める阪神ファンの比率は著しく下がっているように思われる。1992年10月上旬にヤクルトが連勝した時のスタンドは、明らかに阪神ファンが多数を占めていた。これは横浜スタジアムでも同じだった。私は1980〜90年代の横浜市民時代に、毎年1試合(1998年だけは4試合)横浜スタジアムプロ野球観戦に行っていたが、たいてい阪神戦を選んで大洋ホエールズ、のち横浜ベイスターズを応援していた。最初に行ったのは阪神が優勝した1985年の2回戦で、バックスクリーン3連発などで序盤から好調だった阪神ファンでスタンドが膨れ上がったデーゲームで遠藤一彦が好投し、レオンが場外ホームランを放つなどして大洋が快勝したが、阪神ファンの方が圧倒的多数を占めるスタンドには辟易した。翌年の開幕第3戦の阪神戦も観戦して、田代富雄のバックスクリーンへのホームランなどで大洋が阪神を3タテしたが、この2度の観戦で味をしめて横浜スタジアム以外に神宮球場でも観戦するようになった。しかし神宮の阪神戦だの読売戦だのは相手チームのファンばかりで、しかもヤクルトの負け試合ばかり見せつけられた。読売戦は徐々に読売のユニフォームなど見たくないという拒絶反応が強まってほとんど行かなくなったが、ベイスターズが優勝した1998年には横浜と神宮でそれぞれ1試合ずつ、11年ぶりに読売戦を見に行った。しかしそれら2試合にはいずれも読売が勝った*2。1998年9月初めの神宮での試合を最後に、読売が出てくる試合をスタンドで観戦したことは以後一度もない。最近はテレビでのプロ野球観戦は秋の日本シリーズだけで、これはセ・リーグの試合はヤクルトでなくても見ることにしているが、2019年と20年の読売とソフトバンクの8試合は全く見ていない。読売への忌避感はそれほどまでにも強まってしまった。2012年の読売対日本ハムや2014年の阪神ソフトバンクは見たし、今年が万一阪神オリックスになった場合でもおそらく見ただろうが、昨夜シリーズ進出を決め損ねたオリックスのファンの多くも、大阪のテレビが関西ダービーマッチの実現性ばかりがなり立てるのには辟易していたのではなかろうか。でもオリックス阪神、メッツとヤンキースカブスホワイトソックスなどはリーグが違うからまだ良い。スワローズと読売は同じリーグでダービーマッチを一年中やらされるのだからたまったものではない。でも今では読売戦では神宮でもスワローズファンの方が多数を占めるようになったと聞く。テレビ中継も見ないので実相は知らないが。

 延々と書いたが、こういうホームゲームでありながら相手チームのファンが多数を占める理不尽なスタンドのあり方について、「一部の」という枕詞がつかない阪神ファンでも「まるで甲子園球場のようだ」と肯定的に言及する例が少なからずあった。こういう無神経な表現を見る度に私はむかっ腹を立てていたのだった。こういうのも群集心理の一例ではないだろうか。そんな人たちに、敵地の一角や球場の周辺で酔っぱらうなどして乱暴狼藉に及ぶ暴徒たちを「あれは一部の人たちだ」と言い訳しても、何を言うか、彼らを甘やかしてきたのはあんたらじゃないかと強く抗議したい。

 少し前にも書いたが、1970年代以降サンテレビ朝日放送(ABC)の骨折りもあって関西にも蔓延していた読売人気を低下させて阪神ファンが増えたこと自体は良かったが、その過程で「過激な阪神ファン」がファッション化して今に至ったのは痛恨だった。特に大きな分岐点になったのが1992年の阪神とヤクルトとの優勝争いで、当時「阪神フーリガン」という言葉も生まれた。その当時の阪神ファンの悪しきあり方が30年後の今年も繰り返されたとあっては、ここで「阪神ファン叩き」に乗らないわけにはいかない。群集心理で動く人たちに甘く接する悪弊は、いい加減に一掃されるべきだろう。下記神子島慶洋氏のツイートに強く共感する。

 

 

 『Number』も阪神ファン批判の記事を発信したようだ。

 

 

 下記はオリックスファンと思われる方のツイート。前記神子島氏のリツイートで知った。

 

 

 「ただ単に阪神タイガースの試合を口実にして騒ぎたいだけのバカの集まり」とは本当にその通りだと思う。

 本拠地球団以外のスタンドに占める阪神ファンの比率は、どうやらかつてとは比較にならないほど低下したようではあるが、それでも阪神ファンの乱暴狼藉を含む悪しき行動様式だけは惰性で残っているのだったら、唾棄すべきことでしかない。しかもそれを大阪のテレビ局が後押ししているのだろうから、そのあり方は例の零細政党ばかりか大阪維新の会及び日本維新の会を連想させずにはいられない。

 来年は、ポストシーズン通算5勝8敗の成績を残した矢野輝弘改め「予祝」燿大に代わって、ポストシーズン通算1勝8敗*3という「矢野にも劣る」実績の持ち主である岡田「どんでん」彰布が阪神監督に就任するようだが、かつて監督としての真弓明信を馬鹿にしたことのある横柄なこの人も、昨年村上宗隆とトラブルを引き起こした矢野と同じくらい嫌いだ。今回の一件は、私の阪神嫌いを、阪神以上に以前から激しく嫌っている読売の域に限りなく近づけてしまった。まるで自民党に対する維新のような存在だ。しかもファンのあり方は例の零細政党の信者に近いのだからどうしようもない。

 もちろん阪神タイガースの選手たちには含むところは何もない。しかし、2つのエラーで大逆転負けした昨夜の恥ずかしい幕切れを含み、強大な戦力にそぐわない緩んだチームのあり方にはどうしても好感は持てない。はまった時には第1ステージでのDeNA戦のような名勝負を展開するポテンシャルがあるだけに、「ジキルとハイド」的なチームにしてしまって「予祝」を実現できずに阪神を去る矢野燿大には、高い評価を与えることはどうしてもできない。横柄で短期決戦には極度に弱いけれども、前回の阪神監督時代にJFKでゲームの終盤戦での投手起用に頭を悩ませずとも勝てる投手起用法をずばり確立するなど、野球勘は抜群と認めざるを得ない岡田彰布はやはり脅威なので、来年も今年以上に阪神戦には悩まされるだろうなと思う。ヤクルトは去年と今年の経験を財産として、岡田阪神を倒さなければならないが、「絶対大丈夫」だと思いたい。

*1:とはいえ第1ステージのDeNA阪神の第2,3戦はDeNAを応援しながらリアルタイムで途中経過を追っていた。普段第一に応援するチームでない方が、かえって気楽に接することができるのかもしれない。

*2:横浜の試合は開幕3カード目の試合で、先発して無惨に打たれたのは現監督の三浦大輔だった。

*3:例の「334」をやらかしたのも岡田だ。