kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ヤクルトスワローズ、14年ぶり日本シリーズ進出決定

まるでヤクルトの日本シリーズ進出決定にタイミングを合わせたかのように、読売の監督辞任だの阪神の新監督就任だのといったニュースが流れているのは不愉快千万であり、毎度のことながらこの東西2つの「人気球団」の傍若無人な振る舞いにははらわたが煮えくり返る思いだが、何はともあれヤクルトスワローズが無事、日本シリーズに進出した。「無事」と書いたのは、リーグ制覇した以上クライマックスシリーズには勝って当たり前であって、優勝チームのファンとしては「罰ゲーム」としか思えないこのシリーズに勝って胸をなで下ろしている、というのが正直な感想だからだ。過去にヤクルトが2位や3位でクライマックスシリーズに出た時にはすべて上位球団に負けたが(2011年の第1ステージで下位の読売に勝ったことはある)、いずれの時にもさほど悔しさは感じず、「レギュラーシーズンで負けたんだから仕方ないや」という感想だったし、今回は「勝って良かった」というよりは「負けなくて良かった」と思った。心から喜べたリーグ優勝の時とは大違いである。

個人的には、こんな「クライマックスシリーズ」なんて全然楽しくないから廃止すべきだし、どうしてもやるというなら、ファイナルステージは日本シリーズと同じホームアンドアウェーの7試合制で、優勝チームのアドバンテージとしては本拠地で4試合をやる権利を得るだけにとどめるべきだ(つまり両球団ができるだけ同じ条件で対戦するようにすべきだ)、というのが私の前々からの持論である。現行のような中途半端な制度は最悪だ。現行の制度だと、仮に下位チームが「下剋上」に成功したところで、それは勝ったチームの本拠地の試合ではないから、選手たちは本拠地でファンと喜びを分かち合うことさえできないし、敗れた本拠地のチームのファンは、ホームチームがリーグ優勝しながらアドバンテージ付きのシリーズに負けて日本シリーズ不出場が決定するという屈辱を目の当たりにさせられるだけである。なんでこんな馬鹿げた制度がいつまでも続けられるのか、不思議でならない。

勝ったにもかかわらず悪態をつきまくる、われながら無粋な前振りが長くなったが、スポーツニッポンの記事を以下に引用する。

ヤクルト14年ぶり7度目の日本S進出!真中監督7度舞い― スポニチ Sponichi Annex 野球

ヤクルト14年ぶり7度目の日本S進出!真中監督7度舞い

 セ・リーグ覇者のヤクルトは17日、レギュラーシーズン2位の巨人を3―2で下し、リーグ優勝のアドバンテージの1勝を含み4勝1敗として14年ぶり7度目の日本シリーズ進出を決めた。ヤクルトは初戦を落としたが、その後3連勝と、セ・リーグ覇者の意地を見せた。

 ヤクルトは初回、巨人の守備の乱れに乗じて無死で2点を先制した。先頭の比屋根の右翼への当たりは、長野がファンブルする間に二塁を陥れ(記録は二塁打)、川端は投ゴロもポレダフィルダースチョイスで一、三塁となり、山田の二塁後方への当たりを井端が取損ねて右前タイムリーとなった。さらに畠山が四球で無死満塁とし、バレンティン遊ゴロ併殺の間に1点を加えた。

 2回にも大引が村田の失策で出塁し、犠打、投ゴロで三進した2死三塁で比屋根が中前へタイムリー安打を放ち3点目。

 先発の杉浦は5回を投げ6安打2失点で勝利投手に。2回に1死一、三塁、3回にも1死満塁のピンチもしのいだが、5回に堂上、立岡の連打で2死二、三塁とされ、阿部に中前タイムリーを打たれ1点差に迫られたが、6人の継投で逃げ切り、最後はバーネットが締めた。

 巨人は初回に守備の乱れで失点し、打線もヤクルトを上回る8安打で再三得点圏まで走者を進めながら、タイムリーは5回の阿部の中前打だけに終わった。

 ヤクルトの真中監督は、レギュラーシーズンに続いて神宮球場で胴上げされ、今度は笑顔で7度宙を舞った。ヤクルトは10月24日から、パ・リーク覇者で、パCSを制したソフトバンク日本シリーズを行う。

スポーツニッポン 2015年10月17日 20:58)


記事からもわかるように、第4戦は読売の自滅だった。第2戦と第3戦では、普段相手をゼロに抑えることのあまりないヤクルト先発の小川と館山に読売打線が抑え込まれたが、監督交代が決まっているから勝たなくても良いという、読売のフロントや親会社の意向を選手たちが受けたかのような試合運びだったといえるかもしれない。その読売に第1ステージで負けた阪神にも同じことを感じた。つまり、今年は読売と阪神のフロントがともに自チームの監督を交代させたがっていたことが、ヤクルトに有利に働いたといえるかもしれない。

一方、日本シリーズで対戦するソフトバンクは、読売や阪神とは比較にならない強敵である。このチームに勝つのは並大抵ではない。しかも今年は福岡で開幕する。日本シリーズでヤクルトが勝つと予想する人はほとんどいないだろう。

だが、ペナントレースで読売や阪神と争った時にも繰り返し書いたように、やる前から負けると決まったわけではない。今年と同じようなチーム力の差を理由に西武圧倒的有利と言われた1992年の日本シリーズは、第6戦までに3度行われた延長戦にすべてヤクルトが勝ち(9回で決着がついた3試合はすべて西武の勝ち)、4度目の延長戦となった第7戦に敗れて日本一を逃したものの、ほぼ互角の戦いを見せた。

今年も、必ずや活路を見出すことができるはずである。