共産党の前参院議員・大門実紀史氏の下記ツイートから、自民党衆院議員・城内実の禍々しい画像が拝める。
軍拡を増税でやるか借金でやるか、所詮、自民党内の緊縮(財務省)派と積極財政(MMT)派との争い。軍拡増税など論外だが、MMT軍拡も人々の暮らしのためにMMTを主張したケルトン教授が悲しむ。かつて国会で指摘したが、自民党がMMTを利用するのは公共事業拡大か軍拡の時だけだ。https://t.co/sKs1CAWsjG
— 大門実紀史(だいもんみきし) (@mikishidaimon) 2022年12月15日
大門氏自身はMMTには否定的とのこと。
MMT(現代貨幣理論)を主張するニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授。MMTの理論には賛同できませんが、財政赤字を口実に国民をおどし負担ばかり押しつける財務省•緊縮派はたちが悪い。「財政は人びとの暮らしをよくするためにある」と訴えるケルトン教授は心情的にフアンです。 pic.twitter.com/iwTWu9IOSz
— 大門実紀史(だいもんみきし) (@mikishidaimon) 2022年12月15日
私は前々から書いている通り、日本では信者主導の気配が濃いMMTには当分の間近寄らないことにしているが、「財政は人びとの暮らしをよくするためにある」というケルトン教授の訴えはその通りだと思う。何よりそれが社民主義の理念だろう。
しかし日本では故安倍晋三が言ったという「俺の政策で増えた税収の使い途は俺が決める」という暴言がろくすっぽ批判されなかった一方、大昔から財政支出といえば「バラマキ」のレッテルが貼られるという、どうしようもない状態が今も続いている。
そのくせ日本の新自由主義勢力は軍拡には賛成する。たとえば日本維新の会は参院選の公約に自民党と同じ「防衛費の対GDP比2%」を入れていた。維新が政策のお手本としているとみられるミルトン・フリードマンは軍事費をも聖域とせず徹底的に「小さな政府」を目指したが、維新はそうではない。フリードマンの理想からは外れている一方、軍拡には熱心だったレーガンやサッチャーに近い政党といえる。この2人に代表される政策は「ネオコン」(neoconservatism) と呼ばれる。維新はネオリベ政党というよりは「ネオコン政党」と呼ばれるべきだ*1。そんな政党の公約集である「維新八策」に「大部分強調できる」のが立民代表の泉健太だから、泉も典型的なネオコン政治家であるといえる。間違っても、そしてたとえ括弧付きであっても泉は「リベラル」ではない。私は断固として泉を拒否する立場に立つ。泉が代表を務めている間は立民を敵視する。
また例によって泉の悪口に脱線したが、本記事でのメインの標的である城内実はネオコンというよりは極右政治家だ。それどころか、かつて "bakawashinanakyanaoranai" という文字列を含むURLのブログ記事(前記文字列を検索語にしてGoogle検索をかければ一発でヒットするはずだ)を書いた城内はレイシストと呼ぶほかない極悪人である。
そんな城内はある時期から「ジャパニーズMMT」経由か「日本経済復活の会」経由かは知らないが、ある時期から積極財政の旗を掲げるようになった。城内が反対しているのは「軍拡増税」に過ぎず、城内は軍拡そのものには大賛成であることに(もしご存知ない方がおられるなら)注意されたい。財源は「防衛国債」にせよというのが城内の主張であろう。
そして、「くにもり」の安藤裕も同じ主張なのではないかと私は推測している。その安藤を「総理大臣になってほしい」と称揚したのが山本太郎であることはほとんど毎日のように書いている。
以下に、冒頭にリンクした大門氏のツイートから張られた朝日新聞デジタルの記事を引用する。
防衛増税に反対する自民議員が会合 「内閣不信任案に値する」との声
森岡航平 2022年12月13日 17時58分
「内閣不信任案に値する」「財務省の陰謀だ」――。岸田文雄首相が防衛費増額の安定財源として増税の検討を表明したことについて、増税に反対する自民党議員が13日午前に会合を開き、岸田首相へ反発姿勢を鮮明にした。
会合は、増税による財源確保に慎重な立場の城内実衆院議員らが呼びかけた。自民議員20人程度が出席し、意見を述べた。
複数の出席者によると、参加議員からは「増税方針を決めるまでの岸田首相の決定プロセスはあまりに乱暴だ」などの批判や、「増税する税目などを税調幹部だけで一方的に決めるようなことになれば政局になる」と首相を牽制(けんせい)する発言があった。さらには、「内閣不信任案に値する」といった批判まで飛び出したという。
財源確保策として、東日本大震災からの復興特別所得税の仕組みを転用することが検討されているが、「税の目的外使用だ」といった指摘が出た。また、増税の検討そのものを問題視し「防衛費に悪い印象を与えるための財務省の陰謀だ」といった意見も出たという。
会合では、萩生田光一政調会長について「増税を明確に否定していない」などと、萩生田氏の姿勢に対する不信感の声もあがったという。(森岡航平)
(朝日新聞デジタルより)
出た! 陰謀論脳!!
kmiura氏のツイートより。
城内実ってこれまた超タカ派、排外嫌韓のネトウヨ系列の議員だよな。安倍晋三クラブである。 https://t.co/zmK7NOnGcD
— kmiura (@kmiura) 2022年12月13日
これがリベラルの普通の反応だと思うが、この城内実をかつてオザシンの一部が熱狂的に応援していた歴史的事実がある。2006〜09年の政治ブログで見られた現象だ。彼らの一部は現在山本太郎と×××新選組の応援に回っている。もちろん×××支持者全体から見ればほんの一部だろうが、陰謀論的な思考様式など、彼らの害毒は今も×××支持層に悪影響を与え続けている。
冒頭の大門氏のツイートで指摘された「自民党内の緊縮(財務省)派と積極財政(MMT)派との争い」は、かつての与謝野馨ら「増税派」と中川秀直・竹中平蔵・高橋洋一ら「上げ潮派」の論争と同じ図式だ。少し前に指摘した通り、この図式は立民対×××新選組の野党間にも当てはまる。
そういえば2009年の政権交代前の民主党に「埋蔵金」を吹き込んだ高橋洋一は、今回も自民党の積極財政(ジャパニーズMMT)派に「埋蔵金」を吹き込んでいる。
歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目はみじめな笑劇として。