kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

野田佳彦も玉木雄一郎も政局センスが非常に悪い。特に野田。内閣不信任案を出すのは命懸けでなければならないのに、覚悟が全く感じられない

 またレバ子氏のXから。政局の話。

 

 

 

 内閣府信任が出た時に石破が敗北必至の解散を打てるかどうか怪しいから自民党内で後継を決めるという筋書きを野田佳彦玉木雄一郎は考えているのだろうか?

 私は野田はもちろん、玉木も政局観が大甘だと思う。そもそも現在の民民玉木分派の掲げる経済政策は高市早苗に近い。だからこそ民民は自民党支持層のうちの右側を引き剥がして勢力が大きくなった。これが仮に高市政権にでもなれば、民民になびいた人たちが高市に回帰して民民の党勢は大きく損なわれるはずだ。

 上記Xのうち「徹底的に清和会を干し上げてから」という観点は特に重要だと私も思う。野田も玉木もイキっている場合ではない。

 

 

 そりゃ今はもう「なんでもあり」だからね。

 

 

 そうだな。覚悟は全く感じられない。特にひどいのが野田だ。

 下記三春充希氏のリアルタイム議席数予測にある通り、立民の党勢は今非常に悪い。

 

 

 昨年の衆院選での比例ブロック44から、現在は31に落ちている。

 このところたまたま立民の党勢低下期に参院選になることが続いているため、衆院選参院選で立民の比例票が違うのは選挙システムのせいだという俗説がまかり通っているが、そんなことはない。2019年の参院選での立民の伸び悩みは2017年の結党当時の新鮮さが失われていたからで、2022年参院選での比例票の激減は泉健太が「提案型野党」路線をとってそれが不評だったからだ。そして今回も。昨年の代表選に勝った野田のルーズな党運営と先月みせた突如の減税派への転向などのブレで、衆院選にだって勝てる目など全くない。小選挙区の候補者の力があるから野党第一党の座は守るだろうが、比例では民民に負け、小選挙区でも自民党との弱さ比べに負けるなどして議席数を減らすだろう。

 それに何よりも、昨年の衆院選で生じた「少数与党政権」なのだから、昨年までの年中行事としての内閣不信任案ではなく、本当に1980年5月に起きたような「ハプニング解散」になりかねない。社会党はあれが一つのきっかけになって現在の社民党の零細政党化に至った。

 あの時と今とで大きく違うところもある。

 1970年代後半の1977年頃から1980年にかけては自民党は党勢回復期にあった。1979年の衆院選も当初は自民党の楽勝とみられていたが、一般消費税をめぐる大平正芳の発言のブレから自民党は思わぬ敗北を喫した。だから1980年の内閣不信任案可決は大平には好都合だった。自民党内は党内抗争で大混乱だったが、有権者自民党寄りだったからだ。

 現在はそうではない。自民党の党勢低下は構造的なもので、普通に衆院選をやっても勝てないから、岸田文雄の成功例に倣って石破茂は就任早々の解散を打った。だから今は第2次石破内閣だ。岸田も石破も第1次内閣は極端に短かった。しかし石破の発言のブレから自民党は惨敗した。

 今の自民党内政局は、1979年秋から80年春までとは比較にならないくらい静かだが(高市早苗もなかなか突破口が開けずにいる)、それでも自民党にそっぽを向く有権者が増えた。だから、内閣不信任案が可決されても石破は解散できないだろうとの読みが出てくるが、石破は解散権を持っている。何をやるかはわからない。

 だから内閣不信任案を出す方も命懸けでなければならないのである。そして今は出すべき時ではない。このことは、いかに宮武嶺さんに反対されようが、弊ブログは昨年秋の衆院選が終わって以来ずっと書き続けてきたことだ。立民(や民民)の党利党略以上に、清和会の力がまだ落ち切っていないからだ。機が全く熟していない。衆院選なんか、もっと清和会を徹底的に干し上げまくったあとでなければならない。

 それにしても、野田佳彦の政局センスは玉木雄一郎にも増して、あるいは泉健太にも増して絶望的だと改めて思う。この政治家は、2006年の堀江偽メール事件で失敗し、2011年秋以降の政権運営にも失敗した。後者については、菅直人から政権を引き継いで野田政権にそれなりの支持率があった早期に、つまり2011年末くらいにしか解散のチャンスはなく、東日本大震災と東電原発事故への対応に追われていたために難しい時期ではあったが、それでも2012年にあんな政治をやるくらいなら2011年末に解散総選挙をやるしかなかっただろう。そして今回のブレ。

 まあしかしそんな野田を立民は第3代代表に選んだわけだ。