kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

毎日新聞擁護キャンペーン用準備資料

ヨーロッパでも新聞は危ない。かの有名な「ル・モンド」(フランスの高級紙)も経営危機。

もちろん、日本には「高級紙」は存在しない。毎日に限らず、朝日や日経にしても「高級紙」と呼べる代物ではない。

石田英敬東京大学大学院教授が『世界』に連載中の「公共空間の再定義のために」の第3回(8月号)が参考になる。「ル・モンド」の経営危機の話も出てくる。

毎日新聞のエロ記事関係では、下記のブログ記事にすさまじい数の「はてブ」がついている。
毎日新聞社内で何が起きているのか(上):佐々木俊尚 ジャーナリストの視点 - CNET Japan
毎日新聞社内で何が起きているのか(下):佐々木俊尚 ジャーナリストの視点 - CNET Japan

上記は参考になるが、下記の言説には違和感がある。

マスメディアとインターネットの対立は、団塊の世代をはじめとする中高年と、30代のロストジェネレーション世代を中心とした若者層の世代間対立という背景事情を持っている。この対立はブログ論壇がネットの空間の中に現れてきた2004年ごろからくすぶりはじめて、2005年には郵政解散でこの対立が顕在化し、小泉元首相批判を繰り返したマスメディアに対しネット世論は小泉指示に回った。小泉圧勝という結果は「マスメディアよりもネット世論の方が正しかった」という初めての勝利体験をネットの世界にもたらしたが、しかしその後はこうした対立が鮮明になるような状況は生まれてきていなかった。これがある種の焦燥感となって「ブログの世論はリアルに何の影響も与えていないじゃないか」という悲観論の台頭を許す結果となり、「ブログ限界論」という言葉で語られるようになり、〇七年末にブログ圏で大激論を巻き起こすことになった。

「2005年には郵政解散でこの対立が顕在化し、小泉元首相批判を繰り返したマスメディアに対しネット世論は小泉指示(ママ)に回った」とあるが、これはバイアスのかかった見方だと思う。

当時ブログ未開設だった反コイズミの私の目から見ると、郵政解散から総選挙に至るまでのマスメディアのコイズミ支持は異様だった。朝日新聞は「刺客作戦」を露骨に支持したし、テレビの討論で郵政民営化への共産党の批判を古舘伊知郎が遮り、「しんぶん赤旗」から批判されたこともあった。「小泉元首相批判を繰り返したマスメディア」という佐々木氏の表現には、きわめて大きな違和感がある。

おそらく、新自由主義者であろう佐々木氏にとっては、あれほどのコイズミ擁護でもまだ不十分に感じられたのだろう。それほど、佐々木氏自身がコイズミに入れ込んでいたということだ。

前提がおかしいから、「「マスメディアよりもネット世論の方が正しかった」という初めての勝利体験をネットの世界にもたらした」という佐々木氏の認識にはまったく同意できない。それは、3年前当時の私が「きっこの日記」や「世に倦む日日」の読者であって、敗北感をともにしたせいもある。

とまあ、立場の違いによる違和感はあるが、佐々木氏の論考全体としては、うなずける部分も多い。

あと、
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200808121618
という記事が出たが、毎日新聞はこれを否定したそうだ。