kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

中川昭一の死についてどんな「陰謀論」が書かれたか

中川昭一の命日は、死亡推定時刻から導かれる10月3日と、遺体で発見された10月4日のいずれだろうか。いずれにしても初七日も終わったことになる。

これまで私はそれほど多くのネットでの記述に目を通したわけではないのだが、その様子がうかがわれる右派ブログを見つけたので紹介する。

http://g0x3rassvet.blog84.fc2.com/blog-entry-24.html

遅ればせながら、故中川昭一氏のご逝去を悼み、謹んで哀悼の意を表します。

で書き出される数行で、ブログ主は中川昭一の功績をほめたたえており、これによってブログ主のスタンスがわかる。しかし、ブログ主は劣悪なネット右翼とは異なり、中川の死をめぐってネットに撒き散らされた陰謀論を厳しく批判している。

曰く、「友愛された」のだ。
曰く、父親同様にCIAに消されたのだ。


出所不明の書き込みをコピペし、「拡散!拡散!」とうれしそうに騒ぎ、批判を受ければ「工作員ktkr!隠しておきたいんだな!」等とますます盛り上がり、民主党関係者の一連の「謎の死・謎の失踪」の末席に、中川昭一氏と原口幸市氏の名前を加えようとする。
ましてや「保守系」として知られる一部ブログまで「友愛説」だの「CIA説」だのを取り上げるわ、ご丁寧にも当ブログのようなネットの片隅にまで「2chにこんな書き込みが!友愛された確かな証拠です!」等とコピペ集を送付戴く有様。

あのねえ。
自分たちがやっていることが、普段自分が叩いている「マスゴミ」よりも数倍タチが悪い行為だってわかってやってるんですか?

だいたい、それらの「陰謀論」は動機付けの時点からあまりにも稚拙で、滑稽です。
理由を後付けで「考えて」いるからです。
それはただの願望です。
ある勢力の陰謀でなければいけないからその勢力の陰謀になる理由を必死に探しているだけです。
「陰謀であってほしい」「民主党を叩く材料であってほしい」「アメリカを叩き『愛国心』を鼓舞する材料であってほしい」という願望が紡ぎ出した妄想です。

なるほどねえ。ネット右翼はそういうことをやっていたわけだ。「さもありなん」という感じだ。ブログ主自身の陰謀論批判は、まっとうそのものであり、こういう人に対しては、私は「ネット右翼」という言葉を使わず、「右派」、「保守派」などと表現したい。

ところで、アメリカ叩きをやっていたのは、何もネット右翼だけではない。

たとえば、http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-778.html より。

その意味では、植草さんが解放されたまさにその日に、中川昭一が不審な死を遂げたことは、多くの人も指摘するように、意味深長である。

中川昭一という人物は、政治的思想的には、いなくなってもらって大変結構な人ではあったが、しかし、植草さんの言う「悪徳ペンタゴン」から見れば、邪魔な存在でもあったようだ。
その中川が不審な死に方をし、しかも最初から事件性はないという前提で、物事が進められた。

報道の第一報から「自殺ではない」と言って病死の可能性をうかがわせ、解剖も司法解剖ではなく、行政解剖である。
事件の可能性を考慮すれば、司法解剖になる。

このように、まるで見せしめのような死を遂げたこと、そして、それが植草さんが解放される日の朝であったことは、記憶しておきたい。

断定的な言い方は避けているが、あたかも中川昭一アメリカに謀殺されたと言わんばかりである。しかも、ブログ主が「多くの人も指摘するように」と書いているところからわかるように、アメリカ(CIA)の陰謀を匂わせる左翼ブログは、決して少なくはなかった。

その例には当てはまらないが、http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1847.html のコメント欄では、中川擁護者と中川批判者が論戦を繰り広げている。ブログ主は植草一秀氏の熱烈な支持者ながら、中川昭一死亡の件については陰謀論をとっていないにもかかわらずである。ブログ主が植草一秀氏の出所を喜ぶエントリ http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-1849.html には、こんなコメントがついている。

13590 2009.10.06 Tue 18:02 松麻呂


植草さんが帰ってきたのはよいことだけど。
保守本流の日本人の最後の希望、中川昭一は暗殺されてしまった。惨い。 支配層の恐怖の対象は、中川昭一のような、本物の政治家。世界中フリーメーソンのちゃんぽん状態。今の政治のバランスはとても怖い。民主はなにをするかわからない。所詮メーソンだから。みなさんは怖くないのだろうか?

このコメント主は、やはり植草一秀氏の支持者であるが、中川昭一のことを「保守本流の日本人の最後の希望」と書いており、例によって「保守本流」と「真正保守」を混同している典型的なおバカのネット右翼である。そして、お約束のフリーメーソン陰謀論を持ち出している。

さすがに、このすぐあとのコメントでたしなめられている。

13597 2009.10.07 Wed 12:30 コアラ #.x8ohqLo


フリーメイソンについて誤解しているのは世界で日本人だけなんだそうですって。このサイトに詳しく出てます。
http://www.ukinfo.jp/culture/freemasons.php
私のオーストラリア人の義理父もメンバーです。
カナダde日本語愛読者より。

それにしても、「反戦な家づくり」のブログ主も、「カナダde日本語」にコメントしたネット右翼も、植草一秀氏の名前を持ちだしていることが注目されるが、植草氏自身はブログではこの件に触れていない。出所後の植草氏は、これまでのアジテーション路線を転換したらしい。それはそうだろう。政権交代ブームが盛り上がっていった頃と違って、今さら陰謀論風味のアジテーションをしたところで、それは植草氏に何の利益ももたらさないからだ。その意味で植草氏はさすがに頭が良いといえるし、逆にいまだに陰謀論固執している人たちは、純粋なのだろうが、「○○○○○○○」というほかない。

植草氏は何も発言していないが、氏と共著を出版した副島隆彦は、平然と中川昭一謀殺説を撒き散らしている。

ひ孫引きなので正確な引用かどうかはわからないが、こんな内容らしい。
http://www.trend-review.net/bbs/bbs.php?i=200&c=400&m=216836

アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争
216836 中川昭一「殺害」犯人〜副島隆彦の学問道場〜
 
猛獣王S  ( 30代 東京 営業 ) 09/10/09 PM07

『[1368]私たちは、世界の大勢 に逆らったらいけないのである。 投稿者:副島隆彦 投稿日:2009/10/07』(気軽にではなく重たい気持ちで書く掲示板)リンクより転載します。

                                                                                                                              • -

 〜前略〜

中川に薬(毒)を盛った 読売新聞記者(今も現役でいる)越前谷智子(えちぜんやともこ)と、玉木林太郎(たまきりんたろう財務省財務官 に出世した)と、篠原尚之(しのはらなおゆき)、と、それから、ナベツネ中曽根康弘らお、、、お前の仲間の振りをして、そして、お前を殺した者たちに怨霊となって、出てやるがいい。

 〜中略〜

テレビ局のやつらは、また、酩酊会見の映像を、流している。お前たちは確信犯だ。そのうち、徹底的に成敗してやる。日本一、立派な政治家の妻である、中川昭一の奥様と、私は、落ち着いたら、静かにお話ししたい。なんとしても中川昭一の名誉を回復しなければならない。 

ロバート・ゼーリック現・世界銀行総裁 よ。 お前だ。「中川を、失脚させろ」と、自分の 手下の玉木林太郎と 篠原尚之に手を出させたのだ。 酩酊会見の、その同日の午前中に、 「1000億ドル(10兆円)を、日本政府は、IMFに拠出する」として、スロロスカーン専務理事と、中川昭一は、ローマG7の最中に、調印式をやっている。

これにアメリカは怒った。 すでに、自分たちの金(かね)だと思っていた、日本の外貨準備高の100兆円のうちの、1割を10兆円を、チェコハンガリーを緊急で助ける資金として、日本が、分け与えてしまったのだから。ボブ・ゼーリックは、デイヴィッド・ロックフェラー(94歳)の直臣(じきしん)のひとりだ。

 〜後略〜

(注:「越前谷智子」は正しくは「越前谷知子」)

これはひどい」としか言いようがない。私は、今後植草一秀氏はソエジーから離れていくと予想している。政権交代がなった今、植草氏にとってソエジーは利用価値のなくなった人間だからだ。

果たして予想が当たるか否か。