kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

国家社会主義者の行動パターンは新自由主義者そっくり

差別や偏見を意図して作り出す人たち - Arisanのノートを読んで思う。

情報操作によって作り出され、扇動された人々の不信や憎悪がどこに向うか、今日もその見やすい事例が海外から報告されている。

http://mainichi.jp/select/world/news/20100111k0000m030059000c.html

 イタリアの失業率は10%だが、南部では20%を超す。地元民は低賃金で重労働の農業を嫌い、移民と職を奪い合うことはない。だが、ベルルスコーニ首相は度々、「イタリアは多文化じゃない」「最近、町が汚い。ここはアフリカじゃない」などと移民排斥感情をあおるような発言を繰り返しており、社会には失業を外国人のせいにする風潮が広まっていた。


社会不安がまずあって、それを解消するためにレイシズムが高揚するということではなく、むしろネオリベ的な統治を容易にするために、操作と扇動によってレイシズムを含むさまざまな心理や偏見が政治的に増幅され、暴力を伴う社会不安が醸成される。そういう回路が、ここには透けて見えている。

その最終目的は、「統治しやすい新自由主義的な社会の形成」といったところだろう。


新自由主義を、デヴィッド・ハーヴェイ流に、「格差を拡大し、階級を固定するためのプロジェクト」とみなせば、それはそうなんだろうと思う。

ただ、私が気になるのは、「レイシズム」という言葉から反射的に思い出されるあの政治家、そう、元「元政治家」にして「信念」がウリのあの人だ。あの人は、郵政民営化反対から敷衍した「反新自由主義」もウリにしている。そして、

◎ 政 治 ◎ 「国籍法」の改悪に反対する! « 城内 実(きうちみのる) オフィシャルサイト

などを読むと、「信念」氏は「統治しやすい国家社会主義的な社会の形成」を最終目標にしているのではないかと思ってしまう。

ここで思い出したのが、昨日読んだ2つのブログ記事だ。

1/8 菅大臣の外国為替レートへの発言を擁護する: きょうも歩く

新自由主義者の行動パターンは共産主義者そっくり: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

「三原則氏」菅直人を社会主義者と断定イデオロギーや希望的観測のために、レッテル貼りや事実を見ないなどの悪癖そのもの。こう見たいという願望があると、それに向けて事実を仕立て上げていく新自由主義者の行動パターンは共産主義者そっくり。原理原則に徹底しないことが、社会の発展を阻害していると考え、一切の原理原則に沿わない都合のわるい事実は、ありとあらゆるレッテルを貼ったり、陰謀をでっち上げたり、偏向者扱いをしていく。

共産主義者」と言うとまた議論が横道にそれて紛糾してしまうおそれがあるが、これを「国家社会主義者」と置き換えるとしっくりくる。いや、語順を逆にして、「国家社会主義者の行動パターンは新自由主義者そっくり」だと思う。一昨年秋に大阪で行われた講演会で、国家社会主義者の台頭を警告した辺見庸の言葉を思い出す。

◎ 政 治 ◎ 過激派シーシェパード « 城内 実(きうちみのる) オフィシャルサイト城内実は、

 反捕鯨団体シーシェパードの船が沈没したが、本当に大変迷惑な話だ。反捕鯨団体に同情的だった欧米の人たちもこれで目がさめただろう。この人たちはあろうことかオランダで日本の今回の調査捕鯨船の活動を海賊行為だとして裁判に訴えるという。あきれてものも言えない。
 こういう連中こそ日本人を含むアジア人を差別、蔑視し、自分たちの価値観こそ至上のものとし、平気でビーフステーキや豚肉をくらっているのであろう。そのレベルたるやこのブログに時々とんちんかんで的はずれなコメントを書き込む匿名の連中と同じである。
 右とか左とかいうくだらないイデオロギー論争の前に、「法律を守る」、「人のいやがることをやらない」、「他人のなわばり(=ブログ)では一定のルールと作法を守る」といった人としての最低限の礼節をもっていただきたいものである。

などと書いているが、「お前が言うな」としか思えない。「あわせて読みたい」として、前記国籍法反対の城内実ブログ記事 "bakawashinanakyanaoranai"*1を挙げたくなる。レイシストが他民族のレイシズム槍玉に挙げるとは、笑止千万である。

そして、これ以上イデオロギー過剰な人間はいないのではないかと思える城内実が、「右とか左とかいうくだらないイデオロギー論争」などと言う。イデオロギスト自身がこんなことを言うのは、自らのイデオロギーを糊塗する見え透いた技巧なのだが、これにコロッとだまされたブロガーが、「右も左もない」をキャッチフレーズにして、極右の城内実を全力で応援し、それに多くのリベラル・左派系ブログが影響されたことは周知の通りだ。ところが、旗振り役のブロガー自身が、極右政治家を応援することがアクセス数が頭打ちになる原因であることを悟り、「政治ブログ」の看板を下ろしてしまった。そして、ネットにおける城内実の人気だけが残った。迷惑な話である。彼の音頭に踊らされて城内実を応援した「リベラル・左派」の面々には、現状をどう思うか、是非とも聞いてみたいところだ。

今後、城内実らが国民生活そっちのけで熱中する議題は見えている。外国人参政権反対と選択的夫婦別姓反対である。こんなのを応援した人たちは、いったい何やってたんだかと思う。