kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日米密約問題解明に見る菅直人と岡田克也の政治家としての資質の差(岩上安身氏のTwitterより)

日米密約岸・佐藤内閣に集中の訳:元毎日新聞記者西山太吉氏関連 | 晴耕雨読 に、岩上安身氏のTwitterが紹介されているので、当たってみた。

私は、早雲氏の『晴耕雨読』も、岩上安身氏も、ともに陰謀論者に親和的なところを買っていないのだが、だからといって全否定はせず、取り入れるべきは取り入れる。何より、岩上氏が紹介する元毎日新聞記者・西山太吉氏との飲み話は貴重だ。

そこで、岩上氏のTwitter記事*1をつなぎ合わせて転載させていただく。

ただ今、帰宅。日米間の密約をすっぱ抜いた、元毎日新聞記者の西山太吉氏の講演会のあと、西山氏とともに飲んでいました。日中、横須賀の第7艦隊の、ジョージ・ワシントンをバックに、岡田外相の会見で、西山さんの昨日の判決を受けてのコメントの感想を聞き、夜、その本人と飲んでいる不思議。

西山氏に対し、ずっと同情と共感を示してきた岡田外相。鳩山政権の中でも最も早く会見のオープン化に踏み切り、密約問題について、就任早々に大臣命令で情報開示を命じた岡田外相としては、自分は情報公開のトップランナーであるとの自負があったに違いない。しかし、西山氏の岡田評は厳しい。

西山氏は、講演でも、その後の打ち上げの席でも、岡田外相を批判し続けた。「民主党は、先進国の中で、50年遅れている情報公開を、推進すると言い続けてきた。昨日の東京地裁の判決で、どこが民主党のこれまでの主張と異なるか、言ってもらいたい。政府が裁判で負けて、不名誉なのか!?」と。

西山氏は続ける。「むしろ、政府の敗北を認めるほうがいいではないか。断言するが、政府は絶対に控訴しない。控訴するかどうかは、岡田一人で決められない。これは鳩山内閣が決める。鳩山、小沢、菅の3人抜きで決めることはない。もし、万が一控訴することがあれば、鳩山政権の終わり」。

他方、西山氏は、菅副総理兼財務相の姿勢を高く評価する。「岡田は、密約問題を調査するために、有識者委員会を設置したが、中身の人選は官僚任せ。そのため座長の北岡伸一東大教授をはじめ、外務官僚と日頃からべったりの学者ばかりが起用されることになった。菅はこんなやり方をしない。外務省とともに、財務省も深く密約にかかわった。菅財務相は、岡田外相のように官僚任せにせず、政治主導で、政務三役自ら密約調査の陣頭指揮に立ち、調査に従事した官僚を怒鳴り上げ、隅々まで調べさせて、それでも文書が見つからず、職員を渡米までさせた

西山氏は、密約が岸政権、佐藤政権に集中していることを指摘。私が「日本の政治家について、米公文書館は膨大な資料を公開しているが、ただ一人、岸信介のファイルだけが公開されていない」と言うと、「俺は、岸がCIAからいくらもらったか、いつもらったかも知っている!」と言い切った。

日本が米国に隷従する体制をつくったのは、岸・佐藤内閣であると、西山氏は言う。「密約とCIAの秘密資金の提供は深く結びついている。あの当時も、池田内閣は岸がCIAから資金提供を受けたことを知っていて、岸を嫌っていた。後ろめたいカネを受け取っていたからこそ、密約に応じたのだ」

密約問題の根は深い。外務省の有識者委員会の報告で幕引きをはかれるような話ではない。この国の根っこにかかわる問題である。この問題、これからさらに追っていく。

昨日、東京地裁において画期的な判決が下され、その翌日の講演会である。敗訴しても、勝訴しても、この裁判を振り返って総括する重要な講演となるのは明らか。しかし取材に来ていたのは、私と北海道新聞だけ。他のマスコミの姿はなし。信じられない。明日以降、講演内容をアップします。


西山元記者の古巣・毎日新聞も、かつてはこの種の問題に熱心だった朝日新聞の記者も取材しなかったというのである。大新聞の記者がこんなていたらくだから、多少陰謀論者に対するガードが甘いところがあろうが、フリーのジャーナリストの力に負わざるを得ないのである。

それにしても、菅直人岡田克也に対する西山元記者の対照的な評価が強烈に印象的だが、これは私が持っている菅直人岡田克也の両政治家に対する印象と見事に一致する。財務大臣としてはどうかと思う点も多い菅直人だが、官僚が隠そうとする密約を暴き出そうとする姿勢は、かつて橋本内閣で厚生大臣を務めた頃を思い出させる。こんなところで、財務大臣藤井裕久から菅直人に交代させた効果が出た。一方、岡田克也では官僚にうまく丸め込まれてしまうのであり、だからこそ岡田克也菅直人と比較してマスコミ受けが際立って良いのではないかと思える。