城内実の念願が叶う可能性が現実味を帯びてきた。
城内氏に復党打診 自民県連会長
07/23 08:15
自民党県連の塩谷立会長が、無所属の城内実衆院議員(静岡7区)と浜松市内で会談し、自民党への復党を打診したことが22日、静岡新聞社の両氏への取材で分かった。城内氏は即答はしなかったという。塩谷氏は会談の事実を認めた上で「城内氏の返答によっては党本部が動く可能性もある」と述べた。
塩谷氏は、城内氏との会談内容について「復党や(空席となっている党の衆院静岡第7選挙区支部の)支部長問題など具体的な言葉は口にしていないが、あうんの呼吸で意向を確認した。『今後をどうするか』という話をした」と説明。城内氏を7区支部長の有力候補に据える可能性を示唆した。
城内氏は塩谷氏から「片山さつきさんが参院選で当選した。いつまでも無所属でいるわけにはいかないのではないかという話はあった」としている。今後については「いつ政界再編があるか分からないし、じっくりと無所属の立場でどうするか考えたい」と述べた。
城内氏は郵政民営化が争点となった2005年の衆院選7区で自民党公認の片山さつき氏と激戦の末敗れたが、09年の衆院選では片山氏らを破り当選し現在2期目。
7区支部長を代行している塩谷氏は「今までの人間関係もあり(城内氏の復党は)そう簡単ではないが、城内氏の言動によっては党本部も受け入れ体制を考える」としている。
城内実は、数々のブログ炎上事件*1を起こしたあと、「たちあがれ日本」に参加しなかったことで、平沼赳夫支持者の怒りを買い、ブログに批判のコメントを投稿されるなどしてきた。
だが、「じっとガマンの子であった」城内実に、ついに追い風が吹いた。参院選で民主党が惨敗し自民党が議席を増やしたものの、「たちあがれ日本」のほか、「日本創新党」と「新党改革」も惨敗。「たちあがれ」は平沼赳夫の旧敵・片山虎之助*2の1議席だけ、3党合わせても2議席に終わり、極右新党群を支援する姿勢を鮮明にしていた安倍晋三は赤恥をかいた。
これで、安倍晋三、平沼赳夫、城内実の「酷使三兄弟」において、何もしなかった城内実の存在感が、他の二氏の自滅のおかげで強まった。
しかも、比例区で片山さつきが当選し、静岡7区の自民党候補が空席になった。
これほど城内実にとって願ったり叶ったりの流れになるとは、城内実も笑いが止まらないだろう。
城内に復党を打診した塩谷立は、昨年の総選挙においては、優勢が伝えられながら小選挙区で落選し、比例で復活した。
静岡では民主党が強い中にあって、自民党の片山さつきと民主党の斉木武志の両候補にダブルスコアで圧勝した城内実は、自民党にとっては喉から手が出るほど欲しい人材に違いない。
向こう(自民党)から「復党して欲しい」と言ってくるまでは、動かずにじっとガマンしていた城内実の勝ちだ。政治家にはこういう執念深さや、自分の目的を達成するためにはお世話になった大恩人(平沼赳夫)をも平気で裏切ることのできる冷酷非情さが欠かせない。
こういう資質と、一方で簡単にブログを炎上させる脇の甘さが同居する不思議な男だが、城内実はやはり侮れない政治家だ。