kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「国政の十字路に転がり落ちて動かぬ巨岩」(天声人語)に笑った

朝日新聞の「天声人語」は、共感できない内容の多いコラムだが、今日(1月22日付)の小沢一郎評には笑ってしまった▲冒頭に、朝日新聞で論説主幹を務めたこともある往年の名記者・松山幸雄さんによる小沢一郎評が出てくる。松山さんは、当時の朝日新聞にはさほど多くなかった親米的な記者で、船橋洋一主筆の先輩格といえるかもしれない▲首相在任中の1980年に亡くなった大平正芳さんが死の床で読んでいた本も松山さんの著書だった。朝日新聞といえば、昔から「保守本流」と親和性が強く、宮澤喜一内閣の成立をもっとも喜んだのも朝日だといわれたものだ▲田中角栄の流れは、その「保守本流」とは少し違う。宮澤喜一加藤紘一には甘い朝日新聞も、田中角栄竹下登金丸信小沢一郎らには厳しかった。松山さんによる小沢一郎評は下記。「天声人語」からの引用である。

▼その松山さんが、「米国の知日派の会合で『小沢一郎氏の力の源は何か』と聞かれるのが一番困る」と言っていた。思想的な牽引(けんいん)力があるわけではない。演説は下手。時々雲隠れし、たまに会見してもレベルの高からぬ話――。それでいて政治のリーダーなのが、彼らには何とも不思議らしい
(2011年1月22日付朝日新聞天声人語」より)


▲普通に考えれば、政治家の力の源は「金」だろう。新生党解党時の資金が小沢一郎後援会の陸山会に流れていたことなど、違法ではないのかもしれないが、「金は力なり」が田中角栄の流れをくむ政治家の一貫したやり方らしい。なお少しだけ小沢一郎を弁護すると、彼の演説はうまいとは思わないが、菅直人よりはましだろう▲松山さんの言葉を引用した後、「天声人語」子は自らの言葉で小沢一郎を次のように揶揄している。

▼のどに刺さったトゲというより、国政の十字路に転がり落ちて動かぬ巨岩だろう。「与党街道」も「野党通り」も渋滞し、クラクションの音ばかり大きい。岩に足が生えぬなら、動かすしかない
(2011年1月22日付朝日新聞天声人語」より)


▲「国政の十字路に転がり落ちて動かぬ巨岩」には笑ってしまった。書いたのが「天声人語」子でなければ拍手喝采したところだが、このコラムには普段ろくでもない文章ばかり読まされているから、そこまですっきりした気分にはなれない▲ただ思い出したのは、1991年から92年頃にかけて、朝日新聞夕刊のコラム「素粒子」が、連日「金竹小」という一括りで金丸信竹下登小沢一郎を叩き続けていたことだ。ところがその直後の1993年、小沢一郎らが主導した「政治改革」に、どうしたわけか朝日新聞が理解を示してから、日本の政治がおかしくなった▲もういい加減朝日新聞も90年代の「政治改革」の総括を始めてはどうかと思った朝だった。