kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

前田武彦死去

一昨日(5日)、前田武彦が死去した。

実はつい最近、マエタケが共産党候補の当選を祝ってフジテレビで発したとされる「バンザイ」の件を調べたことがあるのだが、当ブログでは記事にせずじまいだったようだ。惜しいことをした。その件に関して、マエタケは干されなければならないことなど決してやらかしてはいなかったのである。


マエタケといえば大橋巨泉と組んだ『ゲバゲバ90分』だが、この番組は1969年10月から翌年3月までと、1970年10月から翌年3月までの二期放送された。私が見ていたのは第2期の方だ。毎週火曜日の放送だった。この番組には岡崎友紀が出ていたが、同じ火曜日の夜7時から『おくさまは18歳』という岡崎友紀石立鉄男主演のドラマを見たあと、30分間別のテレビ番組を見て、そのあと『ゲバゲバ90分』が始まる毎週火曜日は、私にとって特別な曜日だった。その他の曜日には夜8時に寝ていたのに、火曜日に限っては夜9時半まで起きてテレビを見ていたからである。『おくさまは18歳』はTBS系だったが関西では6チャンネル(朝日放送)でやっていて、日テレ系の『ゲバゲバ90分』は、関西では10チャンネル(よみうりテレビ)だった。蛇足だが、昨年岡崎友紀参院選に立候補した時には、「やめてくれ」と思ったものだ(もちろん落選した)。


ただ、『ゲバゲバ』は日テレ系の番組なので、プロ野球が行われない10月から3月まで限定の番組だった。プロ野球シーズンには『ゲバゲバ60分』または『ゲバゲバ30分』と称して、短縮版の再放送を日曜昼にやっていたが、そのあとにプロ野球の読売戦デーゲーム中継が始まったりしたものだった。当時は関西でもVHF局のプロ野球中継は読売戦と相場が決まっていて、阪神戦はもっぱら神戸のUHF局であるサンテレビが中継していた。私はその両方を見ていたから、当時私にとってプロ野球といえば読売と阪神のことを指していた。その反動がいま表れているのだが(笑)。


なお、どういうわけか私は『ゲバゲバ』は1971年のプロ野球シーズンオフにも放送されたが、それは見なかったのだと思い込んでいたのだが、調べてみると1971年度には放送されなかったらしい。『ゲバゲバ』をやらなくなると岡崎友紀のドラマを見る気力も失せたのか、『おくさまは18歳』の後番組である『なんたって18歳』は、たまに見た記憶はあるものの印象はほとんど残っていない。


その後、巨泉は『クイズダービー』の司会者をやっていた頃に革新自由連合に参加し、この番組に出ていた明治大学教授の鈴木武樹が1977年の参院選に立候補したものの落選し、翌78年春に若くして亡くなったほか、2001年の参院選では巨泉自身が民主党公認で立候補して当選したものの、任期途中で職を投げ出したことは記憶に新しい。Wikipediaを見ると、

(2001年)8月6日の民主党両院総会では、大橋は当時の鳩山由紀夫代表に「社会主義インターナショナルに加盟しセンターレフト(中道左派)の党としての性格を鮮明にせよ」と迫ったが、鳩山代表から「民主党のコンセンサスではない」と却下されている(朝日新聞2001年8月7日朝刊)。

と書かれているが、これは巨泉に理がある。というのは、同じ鳩山由紀夫民主党代表を務めていた2000年、民主党は運動方針案*1に、

昨年(注:1999年)の社会主義インター(SI)理事会・21回大会に出席し調査したことを基礎に、党内で社会主義インターへの加盟を検討します。

と明記しているからだ。要するに民主党は小渕・森政権時代には「中道左派」的なポーズをとっていたのであり、当時巨泉はそれに騙された。それが小泉政権が成立すると民主党は掌を返して小泉にすり寄った。鳩山由紀夫は、なんと国会の代表質問で、小泉に「共闘」を申し入れるという破廉恥な振る舞いに及んだのである。私も同じく鳩山由紀夫以下の民主党に騙された口だったから、「巨泉、もっと言え」と思ったものだが、鳩山由紀夫は「民主党のコンセンサスではない」とニベもなかった。こういういきさつがあるから、私は昔から鳩山由紀夫が大嫌いなのだ。もっとも、民主党なんかに騙されたお前が悪いと言われればそれまでだけれど。


ともかく、概して巨泉は陽の当たるところを歩み続けたとはいえる。それに対して、早い時期にフジテレビに理不尽な干され方をしたマエタケは、その後不遇な芸能生活を送った。私は、巨泉にはうさんくささを感じるが、1973年秋にフジに干されたマエタケの真価はわからない。現在、フジテレビはネット右翼から猛攻を受けているとのことで、それに関してはネット右翼には理は全くないと思うけれども、フジテレビ自身もろくでもないこと(それはネット右翼には歓迎されそうなことだ)をやってきたことは紛れもない事実だと言うほかない。