ここでノビーが槍玉に挙げているのは、武田邦彦、小出裕章、広瀬隆、クリス・バズビー、岩上安身、早川由紀夫(ノビーは「由起夫」と誤記している)の6氏。このうち、東電原発事故に関する武田、岩上、早川の3氏に対する批判には私も同意するし、広瀬隆についても、今回の原発事故以前の彼の著作を容認することは到底できない。
しかし、小出裕章に対する下記の批判は、ノビーの方がおかしい。
「チェルノブイリで数十万人が死んだ」という彼の話は、最新の国連科学委員会の調査で否定されました。確認された死者は62人。それ以外に発癌率の増加は観察されていない。このように微量放射線の健康被害のデータが蓄積されて、その影響が軽微であることがわかってきたのが最近の進歩ですが、それは小出氏にとっては「不都合な真実」なのでしょう。
前にも書いたことだが、がんや白血病などの個々の症例と原発事故との因果関係が確定できる例はほとんどない。ひらたくいえば、ある人のガン死が原発事故のせいか喫煙のせいかは特定できないのである。だから、死因が原発事故の影響と断定されるのは、たとえばチェルノブイリの原発事故の対応に直接当たって、文字通りの急性の放射性障害を受けた例に限られる。だから「62人」などという数字がでてくる。
そんなことくらい百も承知でありながらそれを無視して「白を黒と言いくるめて」きたのが御用学者たちであり、彼らを応援するノビーのような人間である。早川由紀夫も問題だが、ノビーも同じくらい問題だといわざるを得ない。
それにしても、早川由紀夫の醜態に乗じてここぞとばかり攻勢に出てくるノビーには呆れるばかりだ。