kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

リアル岩田鉄五郎・山本昌がプロ野球最年長先発勝利を記録

http://www.asahi.com/sports/update/0415/NGY201204150009.html

山本昌46歳、最年長先発勝利 64年ぶり記録更新


 プロ野球中日ドラゴンズ山本昌(本名・昌広)投手が15日、阪神甲子園球場での阪神タイガース戦で勝ち、先発投手としては史上最年長記録となる46歳8カ月4日で白星を挙げた。1948年、46歳8カ月0日の浜崎真二投手(阪急ブレーブス)が作った記録を64年ぶりに塗り替えた。工藤公康投手が横浜ベイスターズ時代の2009年、救援投手として作ったセ・リーグの最年長勝利記録(46歳1カ月)も更新した。

 「本当にうれしい。チャンスをくれた高木監督をはじめ、支えてくれた方々に感謝したい」。山本昌投手は何度もうなずきながら感謝の言葉を繰り返した。

朝日新聞デジタル 2012年4月15日21時6分)


ネットを見ていたら、「リアル岩田鉄五郎」と山本昌を形容している例を見つけたが、かつて同じ形容を使った記事を書いたことを思い出した。


ヤクルト、「リアル岩田鉄五郎」こと山本昌を打ち崩し、中日に3年連続勝ち越し - kojitakenの日記 (2010年9月19日)


上記の記事にも書いた通り、ヤクルト球団史上最強のチームだったと思われる1993年、山本昌はヤクルトから負けなしの7勝を挙げた。顔も見たくない苦手の投手だったが、それから19年後の今も現役で先発し、あわや完封の好投を見せるとは恐れ入った。

スポーツニュースを見ると、山本昌は2回から7回まで1人のランナーも出さなかったらしい。なんてこった、ノーヒットノーランをやった頃と変わりないじゃないかと思ったが、8回に2人のランナーを置いて、あわや同点3ランの大飛球(レフトフライ)を打たれた。さすがに息切れしたようだ。そのためもあってか、9回の打順で代打を送られ、史上最年長完封記録の更新はならなかった。しかし、その記録自体山本昌自身が持っているものだった(2010年9月4日の読売戦=ナゴヤドーム)。

今年の読売とヤクルトの開幕戦で、この山本昌を思い出させるできごとがあった。ヤクルト先発の石川雅規が読売を9回一死までノーヒットに抑えたのだが、8回裏の読売の攻撃で、日テレのアナウンサーが「ノーヒットノーランは2006年9月の...」と言ったのだ。石川が読売の打者を三振に打ち取ってチェンジになったため、そこでアナウンサーの言葉は中断されてコマーシャルが入ったが、ああ、山本昌阪神との首位攻防戦において史上最年長ノーヒットノーランの離れ業を演じたあの試合(2006年9月16日、ナゴヤドーム)かとすぐにわかった。

石川は一昨年の自主トレを山本昌と一緒に行なった。体格は対照的な両投手だが、ともに技巧派の左腕。石川は常々山本昌のように長く現役を続けたいと言っているが、山本に「弟子入り」した形だ。その山本昌以来のノーヒットノーラン達成かと期待したが、残念ながら「あと2人」のところで坂本に打たれて大記録はならなかった。その1週間後、広島の前田健マエケン)がノーヒットノーランを達成したが、マエケンも昨年の最終戦(対ヤクルト、神宮)で9回一死から打たれ、ノーヒットノーランどころかサヨナラ負けを喫したことがある。石川のような技巧派にはなかなか難しい記録だと思うが、再度チャンスをつかんでほしい。

石川は32歳、山本昌は47歳。正直、山本昌のようなガタイの良い投手ではない石川には厳しいとは思うが、文字通りの巨大な目標を目指して頑張ってもらいたい。

例によってついついヤクルト(石川投手)の話にそれてしまった。山本昌に話を戻すと、「先発勝利」としては史上最年長記録を更新したが、救援勝利も合わせれば浜崎真二が1リーグ時代の1950年に記録した「48歳4か月」がある。また、アメリカではロッキーズのモイヤーが49歳での勝利を目指している。モイヤーは、ひところよく見ていたMLBマリナーズの試合によく出てくる投手だったが、やはり技巧派の左腕で、アメリカ版「リアル岩田鉄五郎」といえるだろう。

上に書いたヤクルトが優勝した1993年の秋、アメリカに2か月滞在したことがある。その頃、46歳のノーラン・ライアン最後の登板を報じるニュースを見た。ライアンは速球派の右腕だが、奇しくも背番号は山本昌と同じ「34」。ライアンを見ながら、「なんで日本人はアメリカ人より平均寿命が長いのに選手生命が短いのだろう」と思ったものだが、現在では山本昌や、昨年まで現役を続けていた工藤公康など、日本にも息の長い選手が出てきた。

惜しむらくは、ナベツネらの妄動によって日本プロ野球の魅力がすっかり色あせてしまったことだ。こんな記事を書いていながら、私が今年見たプロ野球中継は今年まだ3試合(読売対ヤクルト2試合、阪神対読売1試合)しかない。それでもここ数年の中ではもっとも多く見ている部類だ。

何はともあれ、「中年の星山本昌投手の快挙をたたえたい。浜崎真二の「48歳4か月」の記録も破ってもらいたいし、もしモイヤーが大記録を達成したならそれにも挑んでほしい。