kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

湯川秀樹と「KY」梶川ゆきこと「ユダヤ陰謀論」と

http://www.asahi.com/national/update/0427/OSK201204270081.html

湯川博士の弟子らが脱原発依存訴える声明


 戦後の原水爆禁止運動で中心的な役割を果たした湯川秀樹博士の京都大の研究室に所属した弟子たちが27日、脱原発依存を訴える声明を出した。

 徳岡善助・京大名誉教授(86)ら8人。声明では、政府には脱原発の政策を明確にすること、原子力関連の学界、研究者には原発放射能の危険性について勇気ある発言をすることを求めている。

 日本で初めてノーベル賞を受賞した湯川博士は、原爆で開発された技術が未熟なまま原発に転用され、基礎研究もせず導入されることに懸念をもち、初代の原子力委員になったが、1年あまりで辞任した。

朝日新聞デジタル 2012年4月27日19時19分)

何やら「KY女史」こと梶川ゆきこ・元民主党広島県議が「湯川秀樹原発推進派」というTwitterをしきりに流しているらしいとの情報があるが、まず指摘しておくと、「KY女史」自身が昨年の広島県議選において中国電力労組(電力総連=原発推進勢力)の支援を受けていた。すなわち、梶川ゆきこ本人こそ「原発推進勢力」の一員なのである(笑)。なお「小沢信者」でもある梶川は落選した。ざまあ。

湯川秀樹disは、一部陰謀論者たちのルサンチマン解消の格好の題材らしくて、あちこちで見られる。何度も言及するけれども私にとって絶対に忘れられないのが、現在では山梨県のどこかに隠棲しているらしい、ヘンリー・オーツとかいう大馬鹿者が4年前に書いたブログ記事だ。

BLOG版「ヘンリー・オーツの独り言」 被爆国「日本」にもあった幻の「原爆開発計画」(2008年8月6日)

(前略)
ニ号研究の研究総額は当時の金額で2000万円、現在の60億円という。同時に海軍も京都大学に研究を依頼しており、海軍が上海から日本へ原料の酸化ウラン130kgを一億円(現在の300億円)で調達し、運び入れたことがアメリカ国立公文書簡の文書に残されているという。海軍の秘密事項が敵国だったアメリカに筒抜けだったということである。そればかりではない。

日本は第三次世界大戦の攻撃対象〜なわ・ふみひとより


また、日本で初めてそのノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士は、戦時中に「新兵器」に関する大変重要な情報をアメリカに流したため、その論功行賞としてノーベル賞を与えられたのだという“事実”もさらりと述べられています。真偽のほどはわかりませんが、失望すると同時に大変な憤りを覚えました。

その「新兵器」というのは今でいう原爆のことです。日本の研究所ではアメリカよりも先に基礎理論が完成していたのです。ただ、軍の機密に属することなので外部に漏れてはならないとされていたものを、「当時研究補助員であった湯川秀樹が米国に売り渡した」とあります。渡部氏はこの文章に「国賊湯川秀樹」というタイトルをつけていますので、あながち根拠のないことではないのでしょう。湯川氏の関係者から名誉毀損の訴えがあったというニュースも耳にしません。


ユダヤは日本に何をしたか』 渡部悌治・著/成甲書房という本の中に述べられているとのことである。またこの本では日本の生協の父と言われる賀川豊彦アメリカのスパイであったと述べられているということです。ノーベル賞というものがユダヤ権力に功績があった者に対する賞であるというのがその本質であるとすれば「国賊湯川秀樹」という見方も充分あり得る話なのです。

湯川秀樹博士のこと(引用者註:リンク切れ)
2007年10月17日 01時10分 発行
日本人初のノーベル賞受賞者として、その名を知らぬ者はいまい。彼は自身の中間子理論が原爆開発に利用された事を終始悔やんでいたという。戦後平和運動に邁進したのもその思いからだったという。ところが、どっこいこれがとんだ食わせ物の話で、彼は実は戦時中、核開発の研究スタッフの一員だったが、日本がまとめた核分裂に関する理論と資料を米国に売ったというのである「ユダヤ人は日本に何をしたか」(成甲書院)。戦後のノーベル賞はその論功行賞だという。確かにノーベル賞というのは白人の独断場で、白人以外の人間に与える気がなかったのは、戦前、細菌学で世界一のレベルにあった日本で、湯川以上の大発見をしてるはずの北里柴三郎野口英世が賞を受けていない事でもわかる。戦後だって、女性の排卵期日を月経との関係でつき止めた荻野博士も世界的な発見をしてるのに候補に上がったという話も聞かない。大体、ノーベルの遺言に無い経済学賞などというものを後から作っている事自体、この賞が如何に政治的であることがわかる。湯川が売国的な行動をしなければ広島・長崎の惨劇も避けられたかもしれない。売国奴とは彼湯川のことである。中間子理論も彼一人だけの産物ではない。どうりで平和運動にいそしんだはずである。全てアリバイ闘争だったのである。ノーベル賞以降さしたる業績も発見もなく終わった彼は、被爆者の亡霊に悩まされる晩年だったのかもしれない。


毎年、この時期になると広島や長崎において慰霊祭が行われ、時の首相が挨拶をする。「二度と悲劇を繰り返すな!」と叫ばれるたびにむなしさを感じてしまう。悲劇を繰り返さないためには歴史をきちんと総括しなければならない。その歴史とはありきたりの教科書の歴史ではない。如何にユダヤ勢力が世界の歴史に殺戮と非道を与え続けているかを凝視しなければならない。そのことを避けて世界に平和は決して訪れない。


おそらく梶川もこうした与太話を信じているのであろう。なお、上記ヘンリー・オーツの記事に切れた私は、当時下記記事でオーツをこきおろした。
「原爆の日」の記事が「国賊・湯川秀樹」かよ - kojitakenの日記


では史実はどうだったか。以下ジョン・W・ダワー『昭和』(みすず書房, 2010)より引用。

 留意すべきことは、真珠湾攻撃の時点で仁科研究所だけでも一〇〇人以上の物理学者が所属していたにもかかわらず、軍部から研究を要請されるまで、核エネルギーの応用にたいする関心はほとんど――そして爆弾にたいする関心はまったく――みられなかったことである。当時、坂田と湯川を擁して、原子についての先端的な理論的・実験的研究がおこなわれていた京都帝国大学でも事情はおなじだった。要するに、科学者が爆弾製造の必要性を政府に訴えるという、イギリス、ドイツ、アメリカにみられたような状況は日本の記録には再現されていないのである。

 むしろ反対に、日本の事例から浮かびあがるのは逆の印象である。すなわち、最良の物理学者や化学者は爆弾製造に無関心な態度しか示さなかった――あるいは、ひとたび課題が命じられるや、軍部とは対照的に、「学問」として、つまり純粋に学術的な営みとしてそれに取り組んだ――のである。この学問というのは、研究に参加した科学者たちの回想に共通する言葉だが、それを疑う理由はないように思われる。その含意は、倫理的というよりも実際的なものなのだから、原子爆弾を現実に製造しうる可能性が日本にほんとうにあるなどと信じていた科学者を挙げるのは困難である。日程表を押しつけられたとき、彼らは不可能だということの比喩として、何十年という言葉を持ち出したものだ。一〇年、二〇年、五〇年、あるいは一〇〇年くらいかけなければ、日本の現状からみて核兵器はつくれないだろう、と。その結果、日本が爆弾そのものの理論について本格的に取り組む段階にまで進むことはなかったし、それによって、実用性や道義性というやっかいな問題にかかわらずにすんだのである。

(ジョン・W・ダワー『昭和』(みすず書房, 2010)74-75頁)


昭和――戦争と平和の日本

昭和――戦争と平和の日本


だが、陰謀論者にかかれば、ダワーも「ユダヤの手先」ということになってしまうのだろう。もちろん、このエントリは「ユダヤ陰謀論者」を改宗させるために書いたのではなく、「ユダヤ陰謀論者」たちの妄言にだまされるなよ、と言いたいのである。上記ヘンリー・オーツのブログ記事に典型的に見られるようなネオナチ同然の主張さえろくに批判できない「ネット市民」は、仮に小沢一郎橋下徹と結託して橋下が天下を取ろうとも、何の抵抗もできないに違いない。


[PS]

梶川ゆきこ陰謀論Twitterを挙げておく。
http://twitter.com/#!/yukiko_kajikawa/status/187695009800261632

原爆の基礎理論は、当時理研にいた湯川秀樹が米国に売り渡したのである。米国は終戦後、湯川の功績の論功行賞としてノーベル賞を授与させている。日本の利益にならず米国のためになったことで褒美がもらえたのだ。まさに国賊である。http://bit.ly/HiLc5S


http://twitter.com/#!/yukiko_kajikawa/statuses/192551215547166721

カミオカンデの科学者がノーベル賞をとった時から、怪しすぎると感じていました。ノーベルはダイナマイトの発明者。軍産複合体に貢献した人々へのご褒美がノーベル賞なのです。湯川秀樹しかり。ノーベル賞は黒い貴族が与える悪魔の褒賞制度です! 知らないのはメデタイ日本人。


http://twitter.com/#!/yukiko_kajikawa/status/193901181599363072

逆だろ!原爆製造情報を米国に売った売国奴・湯川が広島・長崎の犠牲者に謝れ! RT @evlomshunsuke: RT @Mochimasa: 湯川博士に謝れ。 / 梶川ゆきこ: カミオカンデの科学者がノーベル賞をとった時、怪し ...” http://htn.to/6mGKeT


なお、『晴天とら日和』の運営者のTwitterを見ていたら、梶川にエールを送っていたのを発見した(爆)。別件だけど。「トンデモのいもづる」は、地下でどこまでもつながっているようだ、と「陰謀論」風味で締めてみた(笑)。