kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

佐藤優が「橋下徹総理誕生に期待する」と明言。佐藤の言い分をご紹介

佐藤優は「橋下徹総理」を支持するらしい - kojitakenの日記 へのコメント。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120509/1336521698#c1336567286

Yoshitada 2012/05/09 21:41
佐藤優は本来、社会的弱者への包摂含んだ「真正保守」の再興を主張する立場だそうだから、橋下と喰い合わせは悪いはずなんですけどね。
まぁ、橋下の「改革力」とやらに目が眩んで「当面支持」なんて甘っちょろいことを口にする知識人は少なくないので、その伝かもしれませんが。


週刊文春』5月17日号を買ったので、佐藤優の言い分を紹介する。インタビューではなく、佐藤優自身が書いた文章である。「2012年5月4日脱稿」とある。一部省略して引用する。

 橋下徹大阪市長を抜きに現下日本の政治について語ることはできない。民主党自民党に限らず、既成の政党が民意を吸い上げることができなくなっている状況で、国民と直接結びつくことを訴えるポピュリズムを基盤とする政治家が台頭するのは当然のなりゆきだ。私は、橋下氏が、きわめて頭がよい。演技に徹することができる政治家と見ている。橋下氏は、単なるポピュリストではない。自らを突き動かす使命のようなものを橋下氏は感じているのだと思う。しかし、橋下氏は、自らの感じていることを未だ言語化できていないのだと思う。

 橋下氏は、走りながら考える政治家だ。そして、巧みに軌道修正を行う。基本的に、自分が得意な分野で勝負をかける。また、現実の政策を進める上で、周囲に優れたブレインを集めることができる。大阪市長になってから、橋下氏は、元経産官僚の古賀茂明氏、元横浜市長中田宏氏を特別顧問に招いた。この二人は実務能力が高い。(中略)古賀氏や中田氏の能力と経験を活用すれば、市職員の抵抗を打破できる対案を構築することができる。

 また、橋下氏は、喧嘩の仕方が上手だ。自分で土俵をつくり、そこでだけで喧嘩をするようにする。政治学者や論壇人を相手にするときは、反射神経が勝負になるテレビを用い、実務問題に土俵を限定し相手の無知を指摘し、論戦に勝利する。(中略)

 さらに、橋下氏は窮地に陥ると戦線を拡大し、勝機をつかもうとする。大阪市労組が、市長選挙に不当介入していたと橋下氏が非難する根拠となったメールがねつ造であることが明らかになると、入れ墨を見せて子どもを脅した市職員の問題に土俵を移し、全職員に対する入れ墨検査を実施した。(中略)要は、「大阪市の主人は、市民の直接選挙によって選ばれた私だ。だから市職員は私の命令に従うのだ。反抗は許さない」というゲームのルールを定着させるために橋下氏は、あえて騒動を起こしているのだ。

 これらの喧嘩を通じて、既成政党、公務員、有識者に対する普通の国民の不満や苛立ちを吸収することに橋下氏は、これまでのところ成功している。ただし、橋下氏は、ナショナリズム・カードを弄んでいない。ポピュリズムに依存する政治家は、排外主義的な言辞で人気を高めようとする。橋下氏の場合、石原慎太郎東京都知事尖閣諸島の購入を表明したことを肯定的に評価したことを除けば、ナショナリズムを権力基盤の強化に用いていない。おそらく橋下氏は直観的に「外交、安全保障問題を軽々に扱うと命取りになる」ということに気づいているのだと思う。この点が、他のポピュリスト政治家と橋下氏を本質的に隔てる特徴だ。

 国政への影響を強める過程で、橋下氏は、周囲に優れたブレインを集め、外交、安全保障政策について勉強する。その過程で、橋下氏は、確実に国際基準で政治ゲームを行うことができる政治家に変貌する。それだから、総理になるときの橋下氏は、大阪府知事大阪市長のときと本質的に異なる安定した政治家になると私は見ている。言い換えると橋下氏の変貌を支援するのが有識者の責務と思う。今後の変貌を考慮に入れた上で、私は橋下徹総理の誕生に期待している。

(『週刊文春』 2012年5月17日号「あなたは橋下徹総理を支持しますか?」への佐藤優の寄稿より)


ここには、「新自由主義批判」の視座など欠片もない。かつての佐藤優の「新自由主義批判」はポーズに過ぎなかったということだ。


佐藤優が下記の本を出していることにも留意されたい。


国が亡びるということ

国が亡びるということ