kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

現実味を帯びてきた「橋下が主導する政界再編」の悪夢

昨日取り上げた、http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35802 についてのコメント。


http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120803/1343952241#c1343961298

tarari1036 2012/08/03 11:34

明確に原発反対を打ち出している勢力は共産、社民両党くらいですが、明確な左派に対する支持として現れてきません。依然として無党派とか右も左もないのスローガンへのこだわりが支配的です。

左派が国民の支持を得られなくなった背景には中国や北朝鮮に対する幻滅・失望があります。
もうひとつは経済成長がとまった時点で、魅力的な政策を打ち出すことができなくなったという点があります。

たとえば、

>日本の2大政党が右傾化する中で、リベラルな大義(日本の場合、過度な力を持つ官僚機構の終焉や、社会福祉の改善、日本株式会社の退屈な大企業ではなくリスクテークとイノベーションを優遇する政策などを含む)のために戦う確かな勢力は存在しない。

との見立てにある、官僚批判と大企業批判が問題です。
これらに対する批判は国民のコンセンサスともなっている反面、具体的な改革は新自由主義の政策として提示されることが多く、左派の側では国民にとって真に役立つ改革を提示できていない面があります。
このため国民は常に判断をとまどわされています。

民主党の主流が保守主義新自由主義に舵を切ったのちに消費税・福祉、原発などの問題では国民はよるべき政治勢力を見出すことができないまま、デモに身を投じています。デモ主催者の一部もまた政治的展望をもち得ていません。

これらの支持を吸収するべく、生活党、維新の会などが触手を広げているのが現状でしょう。


おおむねその通りだろうと私も思う。id:tarari1036さんとちょっと意見が相違する点というと、「大企業批判」は電力会社を除いて現状ではほとんど行われておらず、本来大企業というか「経団連」に向けられるべき批判の標的が、一部の人々によって「霞が関」にそらされていると私が考えていることくらいだろうか。「霞が関」(官僚機構)には、惰性で動くという性質があって、「原子力ムラ」を頑迷に守ろうとしていることなどはその典型例だと思うが、最初の一歩を踏み出すのは官僚ではない。原発にしたって正力松太郎中曽根康弘らによる「政治主導」だし、90年代の「政治改革」で選挙制度が改変されたのも「政治主導」だった。

とはいえ、tarari1036さんが指摘する

これらに対する批判は国民のコンセンサスともなっている反面、具体的な改革は新自由主義の政策として提示されることが多く、左派の側では国民にとって真に役立つ改革を提示できていない面があります。
(中略)
これらの支持を吸収するべく、生活党、維新の会などが触手を広げているのが現状でしょう。

というのは本当にその通りで、上記2党の中でも「維新の会」がイニシアチブを握っているのは、小沢一郎橋下徹にすり寄っていることから明らかだろう。


今朝(8/4)の朝日新聞に嫌な記事が出ていた。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201208040020.html

維新の会、衆院選候補公募開始へ 都構想法案の成立後


 橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会は、大阪都構想を後押しする法案が今月中にも成立すれば、直ちに次期衆院選候補者の公募に踏み切る方針を固めた。同会は全国に300人程度を立てる構えで、選挙活動の主体になる支部を各地に順次設立。他党所属の現職国会議員に合流を働きかけることも検討する。

 都構想を後押しする法案は7月末に与野党7会派が衆院に共同提出。今国会で成立すれば大阪都は実現に近づくが、維新の会は道州制や税制改革といった「統治機構の抜本改革」を目標に掲げ、国会での議席確保が不可欠と判断した。今月下旬にも公募開始の方針を公表する。

 衆院選候補者を養成する維新の会の政治塾には現在900人弱の塾生がいる。ただ維新の会は候補者選考過程の透明性を保つため、立候補を希望する塾生も公募に応じるよう求める。

朝日新聞デジタル 2012年8月4日)


ウェブ版と東京本社発行の本紙とは記事がだいぶ違うのだが、本誌掲載の記事には池尻和生記者の署名があり、記事の末尾に下記の文章がある。

 現職国会議員5人以上という公職選挙法の政党要件を満たさなければ、衆院小選挙区比例区の重複立候補は認められない。維新の会は今後、衆院選向けの政策「維新八策」(船中八策)に賛同し、所属政党から離党することを条件に、国会議員に維新への参加を働きかける。

朝日新聞 2012年8月4日付4面掲載記事(池尻和生記者の署名記事)より)


「橋下が主導する政界再編」の悪夢が現実味を帯びてきた。